はじめに

就職活動の失敗など、さまざまな理由から現在、フリーターや契約社員、派遣社員として働かざるをえない人がたくさんいます。しかし、そんな状況でも、やはり正社員になりたいと切望している方もたくさんいらっしゃることでしょう。

この記事では、正社員になることによって得られるメリットと、フリーターから正社員になるためにはどのようなことを心がければよいのかについてまとめています。

目次

1. アルバイトやパートと正社員の違う点と、正社員のメリット
2. 正社員になるためにはどうすればよいか
3. フリーターから正社員になる事はできるのか
4. 正社員として働くためには企業の労働条件をしっかり確認しましょう
5. 正社員の募集を求人サイトで探すことのメリットとデメリット
6. 正社員の募集をハローワークで探すことのメリットとデメリット
7. 正社員の情報を転職エージェントで探すことのメリットとデメリット

1. アルバイト/パートと正社員の違う点と、正社員のメリット

正社員とアルバイト/パートには、以下のような違いがあります。

契約期間

正社員との最も大きなとして挙げられるのは、契約期間ではないでしょうか。正社員は無期限での契約であり、本人が望むならば、その会社で定年退職をするまで働き続けることができます。一方、パート/アルバイトは、明示的に雇用の最終期限が示されているわけではないものの、無期限の契約ではありません。このため、会社の都合によって突然解雇されるということもありうるのです。

安定した収入

契約期間が無期限ということから、正社員のほうが、パート/アルバイトよりも安定して収入を得ることができるという点はメリットの一つといえるでしょう。正社員は、定期的に昇給のチャンスがありますし、企業の業績が良ければ年数回のボーナスを受け取ることもできます。それに対して、パート/アルバイトになると、適宜見直しはあるものの、大幅な昇給は基本的にはありませんし、ボーナスもないというのが一般的です。

各種ローンを組みやすい

安定した収入があることから、住宅ローンをはじめとした各種ローンを組みやすいというところも、正社員のメリットといえます。パート/アルバイトの場合、ローンの審査自体が通らないという金融機関もあります。

社会保険に加入ができる

正社員として雇用されるで、社会保険に加入することができます。厚生年金や健康保険料の一部負担はありますが、社会保険に加入しておくことで、勤務中の思わぬ事故による怪我などには労災保険がおりますし、退職をした時には、次の仕事が見つかるまでの間に失業手当を受けることもできます。一方、パート/アルバイトの場合は、一定の条件を満たさなければ社会保険に加入することができません。

手厚い福利厚生

正社員になると、会社が規定している住宅手当や家族手当、育児補助など、さまざまな手当が支給されることになります。一方、パート/アルバイトの場合は、通勤手当は出してもらえるところが多いものの、それ以外の各手当はほとんど出してもらえないというケースのほうが多いようです。

2. 正社員になるためにはどうすればよいか

もし、パート/アルバイトとして働いたときの経験を活かせるような職種について、正社員の募集をしている企業があるならば、そちらに応募をすることで、全く経験のない人よりは有利に就職活動を進めることができる可能性はあります。というのも、全く経験がない人と、少なくとも同じような仕事に従事した経験があって、即戦力になりそうな人とのどちらを採用するのかとなったときに、企業側が選択するのは、後者であることが多いからです。新卒採用の場合は、そのほかの条件が加味されるケースが多いですが、中途採用の場合はその傾向が顕著であるといえます。

なお、企業の中には、仕事をするうえで必要な資格や技能を所有しているかが採用の条件となっているところもあります。応募をしたい会社が、特定の資格や技能の所有を必須条件としている場合、それらを持っていないと書類選考の段階でふるい落とされてしまうことになりますので、応募に必要な資格や技能は、できるだけ取得しておいたほうがよいでしょう。なお、ハローワークには、無料もしくは格安料金で技能の取得ができる制度が用意されていますので、そちらを活用するというのもひとつの手ではないでしょうか。

社員を募集している企業の中には、未経験者でも歓迎をうたっているところもたくさんあります。職種にはこだわらない、資格や技術を得て特定の仕事に就くよりも、とにかく早く正社員になりたいという人は、未経験者を歓迎しているような企業を中心に求人を探していくのがよいかもしれません。ちなみに、そういった求人が多いのは、営業職や工場勤務といわれています。

3. フリーターから正社員になる事はできるのか

フリーターから正社員になることは不可能ではありません。しかし、新卒での採用と比べると、狭き門であることは間違いないでしょう。このため、フリーターから正社員になるためには、ハローワークや転職エージェントといった就職支援の専門家の力を借りることをおすすめします。

就職支援と聞くと、新卒の就職活動と転職活動の支援を、すぐに思い浮かべる人が多いですが、今や就職支援も多様化し、フリーターから正社員に転職することを専門に支援している転職なども数多く登場しています。このようなところは、フリーターを積極的に採用している企業の求人をたくさん集めていますので、効率よく、就職活動を行うことが期待できます。

また、就職支援の専門家からは、就職に関するさまざまなアドバイスを受けることができます。

履歴書や職務経歴書の書き方指導

就職活動において履歴書や職務経歴書は、応募者の第一印象を決める大切なものですが、どちらもフリーターをしていたときの職歴の羅列になってしまうと、長続きしない人という印象を与えてしまう可能性があります。就職支援の専門家は、職歴が多い人でも悪印象を与えないような履歴書や職務経歴書の書き方を指導してくれることもあります。

面接指導

フリーターが正社員に応募した場合、面接時には、志望動機だけでなく、職歴の多さや、これまで正社員として働いていなかった理由について質問を受けることが多いに予想されます。就職支援の専門家は、そのような質問を受けたときに、きちんと答えることができるよう、質疑応答についての指導を行ってくれることもあります。

4. 正社員として働くためには企業の労働条件をしっかり確認しましょう

フリーターから正社員になるための就職活動は、新卒や転職希望者のそれよりも、かなり厳しいものであることが予想されます。このため、採用されたときに、少しでも長く働くことができる企業を選ぶようにしましょう。そのためには、応募をしたい企業の労働条件をしっかりと確認することが大切です。

収入面

基本給、昇給の規定、残業代やボーナスの支給についてはもちろん、退職金の有無もしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。

労働組合に加入しているか

労働組合があると、会社で働いている際の待遇面に不満があったときに、他の労働者と団結して交渉することができます。

どんな福利厚生があるのか

福利厚生は、企業によって大きく違います。福利厚生が手厚い会社は、働きやすさも違うことが多いものです。

なお、これらの情報については、求人サイトだけではなく、企業のホームページをあわせてチェックすることで、より詳しい情報を得ることができるでしょう。

5. 正社員の募集を求人サイトで探すことのメリットとデメリット

正社員の募集を探す方法として、まず思いつくのが、求人サイトではないでしょうか。

求人サイトで正社員を探すことのメリットとしては、自分のペースで求職活動ができるという点があげられます。というのも、求人サイトでは就職先を探すのも、履歴書を送ること全て自分で行うことになるため、「あれをしろ、これをしろ」と、他人に催促されることがありません。

一方、求人サイトで正社員を探すことのデメリットとしては、全てを自分で行うために、いろいろ面倒に感じることも多いという点でしょう。膨大な数の求人の情報から、自分に合った企業を見つけるのはなかなか大変ですし、応募をしたあとの企業との連絡も、漏れなく行うことができるよう、体制を整えておく必要があります。

求人サイトには色々な種類があり、中には工場勤務や介護職など、特定の業種に特化した求人情報のみを掲載しているものもあります。もし働きたいと考えている職種が明確に決まっているのであれば、自分が働きたい職種を専門に取り扱う求人サイトを利用することで、応募をする企業をより絞り込むことができます。

求人サイトの利用には、まずサイトへの登録が必要となりますが、これはメールアドレスや名前、生年月日などを入れるだけの簡単なものであることが多いようです。登録が済んだら、企業を検索することができるようになりますので、気になる企業があれば早速、応募してみましょう。なお、登録後に職歴やスキル、資格などの詳細な情報を追加入力しておくことで、企業からのオファーを受けることができるしくみになっている求人サイトもあります。

6. 正社員の募集をハローワークで探すことのメリットとデメリット

正社員の求人を探す方法としては、ハローワークという方法もあります。

ハローワークで正社員の求人を探すメリットとしては、自分が住んでいる場所の近くの求人情報を見つけやすいという点ではないでしょうか。また、ハローワークでは、求人を探すだけではなく、一定の要件を満たす人にだけに限られるものの、資格の取得や職業訓練などのサポートといったサービスをうけることもできます。

一方、デメリットとしては、扱っている求人情報をだしている企業の規模が比較的小さいものが多く、なかには労働条件があまり良くない企業も含まれている可能性があるという点です。また、ハローワークで見ることができる資料は求人情報の文面のみと必要最小限であることが多く、より詳しい情報が知りたいとなると、自分で企業のホームページなどを確認しなくてはいけないという点もデメリットのひとつといえるでしょう。

ハローワークを利用には、まずは窓口に出向いての登録が必要となります。そして、登録が完了したら、指定されたパソコンで企業からの求人をチェックし、そこで気になる求人があれば求人情報をプリントアウトして担当の人に渡すという流れになります。企業への応募は、いったんハローワークから紹介状を受け取り、それを履歴書や職務経歴書とともに企業に郵送するか持参、ということになりますが、紹介状は即日の発行とはなりませんので、あらためてハローワークに赴く必要があります。

7. 正社員の情報を転職エージェントで探すことのメリットとデメリット

正社員の求人情報を探す方法の中で、ここ最近、著しい利用者数の増加がみられるのが、転職エージェントです。

転職エージェントで正社員を探す最大のメリットは、やはり就職までのサポートが手厚いという点でしょう。履歴書の書き方から面接でのアドバイスなど、就職活動を有利に進めるためのさまざまな指導をしてもらうことができます。また、登録者に適していると思われる企業を自動的に紹介してくれるという点も魅力的といえます。

一方で、転職エージェントを利用するデメリットとしては、あくまでも採用されやすい企業が優先して紹介されるため、こちらが希望するような企業をなかなか紹介してもらえないことがあるという点です。転職エージェントは、登録者を企業に就職させること
企業から紹介料を受け取っていますが、転職エージェントの担当者の中には、この紹介料を優先するような働きかけをしてくるような人も稀にいるようです。

求人サイトとは異なり、電話やメールで担当者と連絡を取り合い、実際に面談をしながら適性を見極めるというところから就職活動をはじめることになるため、求人サイトと比べると時間や手間がかかると感じるところもデメリットと感じる人もいるかもしれません。

転職エージェントを利用するには、求人サイトと同様にサイトへの登録が必要です。転職エージェントでは、登録内容をもとに登録者に適した求人を紹介することになるため、求人サイトよりも、より細かな職歴やスキル、資格についての入力が必要となります。登録後、転職エージェントが企業を紹介してくれるという流れになりますが、紹介された企業の中に、気になるところがあった場合は、担当者のアドバイスを受けながら履歴書と職務経歴書を作成し、企業側に提出する運びとなります。

おわりに

正社員になると、アルバイト/パート、フリーターという立場では得ることのできないさまざまなメリットを享受することができます。将来的な安定を考えるのであれば、やはり正社員を目指したほうがよいでしょう。
なお、アルバイト/パート、フリーターから正社員になることは、充分可能ではありますが、就職活動は、少々大変なものになることが予想されます。さまざまな求人サイト、ハローワーク、転職エージェントといった便利なサービスを利用しつつ、自分にあった企業を探していくのがよいのではないでしょうか。

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