経済開放で投資チャンスがゴロゴロ、ウズベキスタン不動産事情

ミャンマーの不動産バブルを彷彿とさせるタシケント

Marina Rich / Shutterstock.com

中央アジア最大の人口を擁するウズベキスタン

ウズベキスタンは、中央アジアに位置する旧ソ連邦の独立国家です。中央アジア諸国の中で最も多い3000万人余りの人口を持つ国で、世界に2カ国しかない二重内陸国(海に出るために少なくとも2つの国境を越えなければならない国)の1つです。

日本人には馴染みの薄い国名ですが、中国とヨーロッパを結ぶ「シルクロード」の要衝にあるといえば、なんとなくイメージが湧くでしょうか。

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「青の都」と呼ばれる古都・サマルカンドは日本でもそこそこ知名度がありますが、ここがウズベキスタンにおける最大の観光地になっています。なお首都タシケントは、人口200万人を超える中央アジア最大の都市。ソ連邦時代もモスクワ、レニングラード、キエフに次ぐ第4の都市でした。

同国では、イスラム教徒であるトルコ系のウズベク人が総人口の約8割を占め、そのほかカザフ人やタジク人など近隣諸国の人々や、ロシア人もそれぞれ数%づつ住んでいます。公用語はウズベク語ですが、ロシア語もビジネスや学術の共通語として広く通用します。

中央アジアらしいティールーム(筆者撮影、以下同)

不動産バブルに沸いたミャンマーに似た状況

そんなウズベキスタンに、不動産視察に行ってきました。

首都タシケントは、かつてのシルクロードのオアシス都市の面影はほぼなく、旧ソ連の都市計画でつくられた機能的な都市です。

1966年の大地震で市内の多くの建物が倒壊した後に建設されたという経緯ゆえ、インフラも建物も概して新しく、ソ連時代の武骨な建物が多いとはいえ、市内の隅々まで車で走っても粗末なボロ家や猥雑な風景が見当たりません。地下鉄も3路線走る、なかなか立派な都市です。

そのウズベキスタンが不動産投資の視点で面白いのは、この国が「経済的に開国したばかり」であることです。

ソ連が崩壊してウズベキスタンが独立国となって以来、一貫して権力の座にあったカリモフ大統領は、2016年に亡くなるまで、どちらかと言えば「鎖国」に近い外交姿勢を取っていました。この国で開国(経済開放)の機運が高まるのは、2016年以降のことです。

そうした面で、今のウズベキスタンは、2010年頃まで軍事政権による鎖国政策が続いた東南アジア・ミャンマーの数年前の姿と重なります。

ミャンマーは、2011年に米国のヒラリー・クリントン国務長官(当時)が同国を訪問して以来、日本を含む海外各国からのビジネス進出が本格化し、最大都市のヤンゴンは各国駐在員のためのオフィス、サービスアパート建設で大いに盛り上がりました。特に2011年頃に早期参入できた不動産事業者で莫大な富を手にした者は多いと言われています。

ウズベキスタン・タシケントの現状は、2011~13年のヤンゴンと酷似しています。ロシア、カザフスタン、トルコ、アラブ圏、韓国からのビジネス進出で盛り上がっているにも関わらず、市内でまともなオフィスビルは数えるほどしかなく、絶対数が極端に不足しています。また、外国駐在員が住めるグレードのサービスアパートも、供給が全く足りません。

タシケント市内、完成間近のオフィスビル

参入にはスピードが肝要

今のタシケントは「市内でオフィスビルを供給すれば、グレードに関わらずすぐテナントがつく」、「家賃は年10%以上、上げられる」局面にあります。逼迫感が強い分、賃料利回りも高く取れます。

現時点の相場は次のようなものです。

つまり、今タシケントのオフィススペースを買って企業に賃貸すれば、年10%前後で回る上、キャピタルゲインも狙える市況にあります。

とはいえ、参入しておいしい時期は向こう3年ほどでしょう。2014年以降のヤンゴンがそうなったように、3年後のタシケントもオフィス供給が進んで、立地やサービスで選ばれる物件とそうでない物件に二極化する時代になると思います。

なお、現地デベロッパーは数えるほどしかありませんが、日本のビジネスパートナーによる資本参加は大歓迎のスタンスです。

ウズベキスタンという国は今、旬な局面だからこそ面白い。参入にはとにかくスピードが大事だと思います。

鈴木 学

参考記事

鈴木 学
  • 鈴木 学
  • アジア太平洋大家の会
  • 会長

大学卒業後、ITエンジニアとして世界で活躍し、現在は不動産専業。
日本、オーストラリア、タイ、アメリカ、イギリス、ドイツの6カ国で不動産を所有・運用中。2011年に海外不動産に特化した投資家コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げ、現在は2,300名の会員を擁する大所帯に成長。
業界紙コラムの執筆や海外不動産セミナー講師の依頼も多い。