また、ニューヨークでは牛角が「日本式バーベキュー(Japanese BBQ)」を定着させたことも追い風となっているようです。

日本でいうところの焼肉は米国ではバーベキュー(BBQ)と呼ばれます。アメリカ人のBBQ好きは世界的に有名ですが、アメリカ式のBBQと日本の焼肉店は似て非なるものです。また、焼肉といえば韓国ですが、米国でもコリアンBBQとして定着しています。

こうした中で、牛角はマンハッタンに3店舗、郊外に2店舗を展開するなど、アメリカンでもコリアンでもない第3のBBQとして日本式のBBQを浸透させた立役者といえるでしょう。

そして、出店ラッシュが続くいきなり!ステーキの愛称はJ-Steak。同じくステーキと呼ばれていても日本のステーキは米国のステーキとは違うという「J(=日本)」ブランドが差別化のポイントとなっていることがわかります。

日系レストランは、いまや米国でも消費活動の中心的存在となったミレニアル世代を中心に、単なる食事の場ではなく、食事をイベントとして楽しむ場を提供しています。

一風堂、牛角、大戸屋、いきなり!ステーキと続く日系レストランの快進撃は、ニューヨークにおいて、日本食=スシという状況から脱し、いわば「J-Style」というブランドが確立されつつあること伺わせています。

LIMO編集部