超小型モビリティ「BIRO」ってどんなクルマ?

脱着式バッテリーを採用、駐車場に4台置けるサイズ

BIROはイタリア製のパーソナルモビリティ

超小型モビリティの「BIRO(ビロ)」は、イタリアのエストリマ社が製造する電気自動車だ。エストリマ社は2008年に創業し、2009年からBIROの生産を開始。2015年までヨーロッパでは1800台の販売実績があり、イタリアとオランダではそれぞれ年に400台ほど売れている。

日本ではあまり知られていないが、それもそのはずで、2017年から国内販売したばかり。BIROの輸入販売を手がけるのは関西に拠点がある「カツラダモータース」で、代表の桂田さんにBIROを導入したきっかけを伺った。

続きを読む

「初めて見たのは8年前のミラノショーでした。当時のBIROは鉛のバッテリーを使っていて、価格も400万円ほどしました。それが2年前のミラノの街角で偶然にリチウムバッテリー仕様のBIROを見て、価格も下がったこともあり、ぜひ日本に導入したいと思ったのです」

同社はこれまでサイドドアがない開放的な「BIRO SUMMER」と、脱着式サイドドアが付いた「BIRO WINTER」を15台販売している。

BIROはデザイン性が高く、フレーム、ボンネットカラーを99色から選択できる。とにかくコンパクトにできており、全長は原動機付自転車並みで180cmにも満たない。これは駐車場に4台横に並べて置けるサイズだ。車両重量も300kg未満というリッターバイク程度の軽さ。

手前が「BIRO BLACK LIMITED EDITION」で、後ろにあるのが荷室のある「BIRO BIG」


あえてバイクと比較したのは、BIROは原付と軽自動車の間のミニカー区分となるからだ。そのため、運転するには普通自動車の運転免許が必要となる。

重量税や取得税、車検、車庫証明はなく、任意保険はファミリーバイク特約になり、維持費は原動機付自転車並みだ。法定速度は60km/hで高速道路は走れない。またイタリアでは2人乗りなのだが、現在の日本の道路運送車両法では1人乗りとなる。

イタリアでは2人乗車できるが、日本の公道では1人乗車の左ハンドル


BIROは脱着式のドアを外せば、クルマとはまた違った開放感を得られる。キャビンの視野は345度と広いため、右左折時やバックするときの視界はかなり良好だ。

ルーフやリアウィンドウは少しだけ開けることはできるが、エアコンはなくドアの窓は開閉できないため、真夏はかなり暑くなるだろう。それもあって、同社では小型エアコンを検討中だという。

脱着式のバッテリーを初めて採用した電動4輪

BIROの大きな特徴として、脱着式のバッテリーを電動4輪として初めて採用し、さらに固定式のバッテリーも選べるところにある。

脱着式バッテリーは20kg以上の重量があるが、伸縮ハンドル&ホイールでラクに運べる


気になる航続距離は脱着式の場合55km程度で、固定式は100km程度。積載されている充電器とバッテリーをつなげば、家庭用の100V電源で2~4時間で満充電となる。脱着式バッテリーの重量は20kg以上あるのだが、伸縮ハンドル&ホイールでラクに運べるし、BIROに搭載するときも、テコの原理を使うためそれほど力は必要としない。

BIROの乗車方法だが、まずカードキーをフロントウィンドウにあるセンサーに読み取らせる。すると運転席(左側)のドアロックが解除される。BIROに乗り込んでカードキーをダッシュボードにあるホルダーにセットすれば運転準備完了。

走るときはまずサイドブレーキを解除し、ハンドルコラムにあるトグルスイッチをD側に倒し、アクセルを踏めば発進する。バックはトグルスイッチをR側に倒せばいい。トグルスイッチ中央には亀のマークが付いていて、最高速度が25km/h程度に抑えられたモードになる。これは歩行者が多い狭い道路を通行するときに使うのがいいだろう。

さらにブーストボタンもあり、坂道や追い越し時に20秒間だけ加速度を高めてくれるのだが、あくまで最高速度は45km/hまで。降車時はカードキーを抜いてドアを閉めればオートロックになる。

ハンドルはトラックのようにかなり寝た角度になっていて、スイッチ類もシンプル

最新モデル3種が新登場&東京1号店オープン

今回、新型3車種が発売された。「BIRO BLACK LIMITED EDITION」は、ファッションブランドのDIESELのデザイナーが手がけ、「BIRO WINTER」をカスタマイズしたモデルとなる。

「BIRO BIG」はリアハッチを採用することで荷室があるモデル。「BIRO BOX」は「BIRO BIG」の荷室にパーテーションを設置し、さらに積載量を増やした商用モデルだ。

「BIRO BOX」は「BIRO BIG」と同じリアハッチタイプで荷室との仕切り板があり高く荷物を積める


また、同時に東京1号店にあたる「BIRO STORE Tokyo」を東京・八丁堀にオープンした。店内にはBIROが展示され試乗もできる。メンテナンスや修理については、近所の提携サービス工場で対応とのことだ。同社では新しいカーライフスタイルとして、1カ月、3カ月、6カ月、12カ月の4種類のレンタルプランを開始した。

東京駅から伸びる八重洲通り沿いに店舗があり、歩行者が興味深そうに見ていた


BIROの電気代は1.5円/kmとランニングコストは優れているが、超小型モビリティの課題としては、専用駐車場の確保や2人乗りを可能にすること、さらに車両価格そのものを下げることがあるだろう。

【BIRO 標準モデルSPEC】
全長:1740mm
全幅:1030mm
全高:1560mm
重量(バッテリーなし):245kg
タイヤサイズ:フロント145/60-13、リア175/50-13 専用タイヤ
ブレーキ:4輪ディスクブレーキ
最大速度:45km/h
航続距離:55km以上(脱着式バッテリー)、100km以上(固定式バッテリー)
モーター:ブラシレス48Vモーター × 2
バッテリー:リチウムバッテリー(1000サイクル可能)
税別価格(バッテリー代含む):
「BIRO BLACK LIMITED EDITION」¥1,980,000
「BIRO BIG」¥1,980,000
「BIRO BOX」¥2,080,000

鈴木 博之

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
鈴木 博之

出版社で雑誌の編集者を経験したのちフリーランスとして活動。
現在は自動車雑誌をメインに、オウンドメディアやニュース配信サイトでの記事執筆も行っている、マルチ編集・ライター。