賛否両論、サッカーの「ビデオ判定」は是か非か

ビジネス、今日のひとネタ

日本代表の予想を上回る活躍もあってか、国内ではサッカーのワールドカップ・ロシア大会に注目が集まっていますよね。サッカーは、バスケットボールやアメリカンフットボールなどと比べても入る点数が少なく、1点の重みが大きいので、ゴールが決まるかどうかで、観ているこっちもハラハラします。

さて、この得点を左右する大きな要素の一つが、今大会から導入されたビデオ判定=「VAR判定」です。この判定方法を巡っては、さまざまな意見があるようです。

続きを読む

「VAR判定」って何?

「VAR」は「ビデオ・アシスタント・レフェリー」の略で、試合の重要な場面でのミスジャッジを防ぐために、このビデオ判定のシステムが導入されたのです。

サッカーには「シミュレーション」といって、反則されたふりをして相手選手のファウルとなることを誘う行為や、審判に気づかれないように行うファウルなどがあり、そういった行為を予防するという意味もあります。

テスト導入ではミスジャッジ激減

実際に、「VAR判定」によって誤審は減っているようです。それぞれ世界のトップリーグの一つであるドイツのブンデスリーガとイタリアのセリエAによると、テスト導入をした結果、誤審を大きく削減できたとのこと。セリエAの関係者は「誤審の8割を削減できた」と話しているといいます。

実際に、ネット上を中心に、

・審判にばれないように行われるファウルが減れば、選手も観客も気持ちがいい
・サッカー経験者は何とも思わないかもしれないが、シミュレーションでわざとらしく足を痛めたふりをして、すぐに何事もなかったかのように立ち上がる様子は観ていて不快。こういうプレーがVARによって減ってほしい
・他のスポーツではすでにビデオ判定は導入されている。サッカーにも導入すべきなのは言うまでもない
・totoにお金をかけているので、正しい判断が下されるほうが納得できる

といったような賛成意見もあります。

でも試合の流れは止まってしまう

賛成意見だけでなく、実は反対意見も多くあります。その中の一つが「試合の流れが止まってしまう」というものです。

「VAR判定」をする際は、別の場所で試合をチェックしている補助審判が主審からの求めに応じて(または補助審判から主審に連絡して)VARによる判定の助言をし、その後、主審がモニターでプレイの確認をするという手間があります。

応援で盛り上がっているときや、ゴールが決まった後に、このような流れを止める場面があることを嫌う人は、一定数いるようです。

反対意見は他にも……

上記のような意見のほかにも、

・プレーごとにVAR判定をするかどうかを決めるのも結局は人。いまのままならあまり意味がない
・野球やバレーボールは攻守入り乱れることがないからビデオ判定で正しい判断を下せるけど、サッカーのようなスポーツは映像でもプレイの判断が困難なのではないか
・そもそも、もっと審判が目を凝らして公平にプレイを見ていればいい話。審判が無能なことが根本の問題

といったような批判的意見も多くあります。

実際に、ポルトガルとイランの試合では、後半34分にポルトガルのエースであるクリスティアーノ・ロナウド選手が相手選手にひじ打ちをするも、VAR判定を経てレッドカードを免れました。これにはイラン代表の監督で、以前に日本の名古屋グランパスの監督もつとめたカルロス・ケイロス氏が激怒。「ルールではひじ打ちはレッドカードだ。ルールにはメッシやロナウドについての(=メッシやロナウドなら判定が軽くなるという)言及はない」と皮肉を込めて発言するなど、物議を醸しています。

まだまだ改善の余地あり

誤審が減っていることは間違いないため、導入そのものについては総論賛成という人が多いですが、上記のように、まだまだ「VAR判定」には改善点がありそうです。

たとえば、テニスの「チャレンジングシステム」のようなルールがあるとよいかもしれません。これは、1人につき、1試合でビデオ判定を申し込む回数を3回までとするルールで、回数には考慮の余地があるとしても、似たようなルールをつくれば、試合中断によるストレスを軽減させられる可能性もあります。

ルールの話でいえば、同じくロシア・ワールドカップの日本対ポーランド戦の終了間際でも、ポイントの関係で、日本代表が負けている試合なのに攻めずにボールを回し続けたことへの批判について、「そういうルールに合わせて戦っただけで批判はあたらない」「ルールだからってそれをやっていいのか」「そもそもそんなルール自体がおかしい」といったさまざまな意見が出ていましたよね。

いずれにしても、このVAR判定については、一生懸命に戦っている選手にとって納得のいくようなルールやシステムになるといいですね。読者のみなさんはどう思われますか?

クロスメディア・パブリッシング

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。

あわせて読みたい

クロスメディア・パブリッシング

2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。