モラハラとパワハラの違いって?被害者の感じ方や退職後のトラウマについて

はじめに

モラハラという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。ですが、モラハラとはどういう行為のことを指しているのかということについて正確に把握できているでしょうか。モラハラについて、パワハラとの違いや、被害者はどのように感じているのか、また退職後に残るトラウマなどについても触れながら、解説していきます。

目次

1. モラハラとは?
2. モラハラとパワハラの違いとは?
3. 職場で起こるモラハラに該当する態度や言葉とは?
4. 家庭で起こるモラハラに該当する態度や言葉とは?
5. モラハラの境界線はどこから?
6. モラハラに遭ったらどのように対処するのが良い?
7. モラハラによる退職後のトラウマについて

モラハラとは?

モラハラは正式にはモラル・ハラスメントといいます。モラルは道徳や倫理という意味であり、ハラスメントは不愉快な嫌がらせという意味があります。よって、モラハラは道徳や倫理に反した嫌がらせを指しています。

モラハラは、言葉や態度によってなされる精神的な嫌がらせが中心となります。具体的には無視をしたり、舌打ちを繰り返したり、わざとらしく大きなため息をついたりといったことがモラハラに該当し、大人のいじめと表現されることもあります。暴力をふるわれて、肉体的に怪我などの被害を受けることはパワハラに含まれませんが、被害者が受ける精神的ダメージは大きく、悪質な行為であるといえるでしょう。

モラハラは、夫婦間で起こるケースも多く、離婚に発展することもあることから当事者だけでなく、子供などの第三者にも影響を与えてしまう深刻な問題です。また、夫婦間だけでなく、職場の人間関係の中でもモラハラが起きるケースは多いようです。

モラハラは、言葉や態度によって陰湿に人の心を傷つけていきます。職場での人間関係に悩み、辛いと感じている人は、もしかすると周囲にも気づかれることなく、モラハラの被害者となっていることがあるかもしれません。

モラハラとパワハラの違いとは?

モラハラと似た言葉でパワハラがあります。パワハラはパワー・ハラスメントの略称であり、職場における立場や権力を利用した嫌がらせのことを指しています。具体的には立場が上の人間から下の人間に対して、精神的、身体的な嫌がらせを行うことを意味しています。

パワハラは、6つのパターンに分類することができます。「身体的な攻撃」、「精神的な攻撃」、「人間関係からの切り離し」、「過大な要求」、「過少な要求」、「個の侵害」です。パワハラは、職場内の立場を利用して行われるのが最大の特徴です。多いのは、上司が権力を利用して、部下に対してパワハラを行うケースです。

一方、モラハラは、道徳や倫理に反した嫌がらせの全般を意味していますので、職場内の立場は関係ありません。上司と部下の間で起こることもありますし、同僚との間で起こることもあります。部下から上司というパターンもあり得るということです。

また、モラハラは夫婦間や親子の間でも発生します。パワハラと違い、モラハラには直接的な暴力などは含まれることがなく、言葉や態度などでひっそりと陰湿に行われます。そのため、同じ部署にいても周囲の人が気づかないことも多く、モラハラの被害を受けている本人でさえモラハラであると気づかずに我慢をしていることもあるのです。

職場で起こるモラハラに該当する態度や言葉とは?

では、職場で実際に起こっているモラハラに該当する態度や言葉にはどのようなものがあるのでしょうか?

無視をする・陰口を言う

文字通り、職場内で相手のことを無視することによって、精神的なダメージを与えます。また、わざと聞こえるように陰口をいわれたり、「何をやってもダメな奴だ!」、「生きている価値がない!」と人格や能力を否定するような発言をされることもあります。

馬鹿にしたような視線・見下したような視線を送る

職場内で、馬鹿にされたような視線を送り続けられることで、自己を否定されているように感じてしまいます。上司が加害者の場合は、人前で土下座をさせるといったケースもあるようです。

仕事に必要な情報を与えない

職場で行われるモラハラは、仕事に関する嫌がらせも含まれるため、さらに複雑です。特に、仕事に必要な情報を与えないといった嫌がらせは周囲には気づかれないように行われることが多いため、自分に非があるようにとらえられてしまい、さらに受けるダメージは大きくなります。

過少な業務しか与えない

本来ならば様々な仕事を行うことができる、能力のある人に対しても、単調な仕事しか与えないというケースも多々あります。理由もなくそのようなことが行われると、自分に能力がないからこのような業務しか与えられないのだという思考につながってしまいます。

職場で行われるモラハラは、指導の中で嫌がらせを受けることも多く、周囲も分からないまま、本人も自分が悪いのだと錯覚してしまうケースが多いようです。

家庭で起こるモラハラに該当する態度や言葉とは?

家庭でも問題となりうるモラハラですが、どのような言葉や態度が該当するのでしょうか?夫婦間のモラハラは、夫が加害者になる場合と妻が加害者になる場合の両方が考えられます。

夫からのモラハラとしては、以下のようなものが該当します。

・家事や子育てがまともにできないと周囲に吹聴される
・「何をやっても使えないやつだ」、「お前なんかと結婚しなければよかった」などの暴言を吐かれる
・外出、帰宅時間、交友関係などについて細かく干渉し束縛する
・話しかけても無視される

直接的な暴力を受けるわけではありませんが、モラハラは精神的なDVであると言われているように、ねちねちと陰湿に心を傷つける態度や言葉をぶつけてくる卑劣な行為であることが分かります。

妻からのモラハラとしては、以下のようなものが該当します。

・「給料が少な過ぎる!」、「役立たず!」などと罵倒される
・夫婦関係を断固として拒否し、触られるのも嫌だという態度を取り続ける
・日常生活に差し障るほど、お小遣いを減らす
・子供にダメな父親であると悪口を刷り込む

上記のように妻から夫へのモラハラも様々な種類があることが分かります。一見すると、普段の生活ではなかなか気づきにくいものもあったりもするので、気になったら夫婦間の言動を見直してみるのも良いかもしれませんね。

モラハラの境界線はどこから?

実は、現在の法律ではモラハラの具体的な定義については、はっきりとしていません。というのも、他のハラスメント被害などと比べてモラハラ被害について裁判で争ったという件数はまだまだそれほど多くはなく、これからの判例次第となっているからです。そのため、現時点で「何がモラハラに当たるか?」という点について明確に結論を出すことはできません。

モラハラに遭ったらどのように対処するのが良い?

現時点で最も有効なモラハラの対策手段は、まずは専門家に相談してみることです。モラハラについては現在、法的に明確な定義は出ていません。そのため、いきなり訴えを起こすなどの行動をとるよりも、まずは専門家の意見を聞き、アドバイスに従うことが大切です。特に、どんなものが証拠になるのかという点については、素人では判断の難しい点でもあります。実際の裁判ではなかなか証拠として認められないものやその逆に「え、こんなものが証拠として認められるの?」といったものまで様々なものがあるので、忘れずに専門家に尋ねるようにしましょう。

モラハラによる退職後のトラウマについて

モラハラが原因となり、会社を退職してしまう人もいます。そして中には、退職後も自身が受けたモラハラのトラウマに苦しみ続ける人もいます。在職中に被ったモラハラの被害が、それほど深刻なものでなく、早期のうちに逃れることができた場合は、トラウマを残さずモラハラから完全に解放されることができることもあるのですが、対処が遅れ、深刻なモラハラの被害を受け続けてしまった場合は、退職後にトラウマを抱えることになっているというのが現状です。

具体的には、自身が受けたモラハラの暴言や態度などを思い出してしまい、涙が止まらなくなったり、息苦しくなったりしてしまうといった症状がみられます。また、以前の辛い体験が突然鮮やかに思い出されたり、夢に出てきたりするフラッシュバック現象に苦しんでいる人もいます。モラハラを受けた経験から対人関係全般が恐怖や不安の対象となってしまい、新しい職場にも馴染むことができないということも考えられます。どうすることもできない過去のことばかりを悔やみ、考え続けてしまうのです。会社を退職することが必ずしもモラハラからの完全な解放につながるとは言い切れないようです。

おわりに

モラハラは、職場内でも家庭内でも起こりうる深刻な問題です。加害者も被害者もモラハラに対する自覚がない場合もあるため、知らぬ間に被害が拡大してしまう可能性もあります。被害者が精神的に追い詰められて、トラウマを抱えることにならないためにも、早めに相談するなどの対処を行っていくことが必要です。
 

LIMO編集部

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LIMO編集部

LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に構成されています。国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。