2018年6月15日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より113円14銭高の22,851円75銭となりました。

重要イベントの結果を受けて、日経平均は一進一退

先週は、12日の米朝首脳会談、13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会など、重要イベントが相次いで行われたことから、相場は一進一退といった展開になりました。ただし、値幅は小さく、全般的に様子見といったところでした。

週初11日は米朝首脳会談を前に買い控えとなりましたが、会談の行われる12日には融和ムードを映し、一時23,000円台を回復しました。世界中が注目した会談ではありましたが、北朝鮮の非核化に向けた具体的なプロセスなどには触れられなかったことから、相場への影響は限定的でした。

その後投資家の関心は、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)に移ります。連邦準備制度理事会(FRB)は、同委員会で3か月ぶりの利上げを決めました。年内の米国の利上げペースが加速するとの見方から13日の米株式相場は下落し、これを受けて14日の日経平均も4営業日ぶりに反落しました。

ただ、翌14日には欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策を年内に終了することを決めたものの、少なくとも2019年の夏までは利上げを行わない方針を示したことから、ユーロが大きく売られる展開となりました。

貿易摩擦の再燃か?!

月曜日以降の動きはどうなるでしょうか。重要イベントを無難に通過したことで買いが戻るという期待はできます。15日の東証1部の売買代金は概算で3兆791億円と活況でした。

一方で、懸念されるのは貿易摩擦の再燃です。トランプ米政権は15日、中国の知的財産権侵害に対する報復措置として、500億ドル分の中国製品に25%の追加関税を発動し、中国も米国製品に報復関税を課すと発表しました。米中の貿易摩擦が大きくなると、米国をはじめ世界の株式相場にも影響を及ぼします。今後の展開を注視したいところです。

5日移動平均線をはさんで神経質な動き

株価の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は小幅な値動きながら、窓をあけて価格が上下する神経質な動きとなりました。

11日には陽線で始まりました。翌12日は窓をあけて上昇して寄りつきますが、結局は陰線になります。13日は下落分を取り戻すように陽線となりますが、14日にはまた窓をあけて下落。5日移動平均線も割り込みました。ただし、翌15日にはローソク足の実体で5日移動平均線を回復しています。

23,000円の攻防を見極めたいところ

今後の動きはどうなるでしょうか。まずは節目として意識されやすい23,000円を超えられるかどうか。12日には一時、23,000円を回復する場面もありましたが、上値を押さえられた形になりました。

月曜日以降、特に5月21日の23,050円を超えることができるかどうかに注目したいところです。ここを超えると、3月26日(20,347円)を底とする、新たな大きな上昇トレンドが形成されます。楽しみなのは、このあたりから上を見れば、1月23日の24,129円あたりまで、目立った節がないことです。23,000円を回復でき、下値がサポートされるようであれば、24,000円までするすると、上昇する可能性があります。

ただし、23,000円付近は過去に売買が積み上がっているところです。また、2月2日と5日の間には大きな窓もあり、ここ(23,122円)を埋めることができるかどうかもポイントです。

逆に23,000円で上値を押さえられ、下落していく動きも考えられますが、その場合でも、下値めどである25日移動平均線の22,650円付近、75日移動平均線の22,100円付近を割り込むまでは押し目買いの好機とみていいでしょう。

下原 一晃