ハラスメントが溢れている現代社会

現代社会には数多くのハラスメント(嫌がらせ)が溢れており、ハラスメントの時代とも言われています。代表的なのが、セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とパワハラ(パワー・ハラスメント)で、今年は両方とも大きな社会問題にもなりました。

セクハラは、財務省の福田事務次官、東京都狛江市の高橋市長などが騒動後に辞任へ追い込まれています。また、女子レスリングの伊調馨選手に対するパワハラ問題では、日本代表の栄監督やレスリング協会の責任問題に発展し、今なお混迷しています。

さらに、現在問題となっている日大アメフト部による悪質タックル問題でも、内田監督やコーチによる選手へのパワハラが焦点になる可能性が高まっているのはご承知の通りです。

ハラスメント被害者が声を上げるようになった

こうしたセクハラやパワハラに関しては、従前から日本社会にはびこっていたと考えられます。しかし、ハラスメントを受けた側が泣き寝入りすることなく、堂々と被害の声を上げるようになったことで、社会問題として認められ、いや、一歩進んで、ある種の犯罪として意識されるようになったと言えましょう。

いずれにせよ、ハラスメントを受けた人が勇気を出して訴えることが必要不可欠です。

新たに認識され始めたスメル・ハラスメント(スメハラ)

一方で、なかなか声を上げることができないハラスメントも少なくありません。その一つが、スメル・ハラスメント(スメハラ)、とりわけ、職場におけるスメハラではないでしょうか。

スメハラは臭い(匂い)のハラスメントを指しますが、最近では徐々に“問題視”されるようになっており、先日もNHKのニュースや朝の情報番組でも取り上げられました。

では、スメハラって、具体的にはどういう臭い(匂い)のことなのでしょうか?

口臭、体臭(加齢臭)、香水の3つが代表的なスメハラ

スメハラの中では、「口臭」「体臭(主に加齢臭)」「香水」の3つが代表的な臭い(匂い)とされます。

こうしたスメハラを経験した人は、決して少なくないはずです。いや、経験どころか、現に毎日のように“被害”に遭っている人もいるでしょう。

ところが、当事者に対して堂々と苦情を訴えることができる人はそう多くないと思われます。特に、口臭と体臭に関しては、“あなたの口臭、何とかなりませんか?” “あなたの体臭、気になって気分が悪くなるんです”といった類の苦情を当事者に直接言うのは、実際には簡単ではありません。

その相手が、上司や異性の場合は、なおさら難しいと言えるのではないでしょうか。

なぜスメハラ被害の声を上げられないのか?