「タバコ休憩」にくすぶり続ける不公平感

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この4月1日から、奈良県の生駒市が職員の勤務時間内の喫煙を禁止しました。東京都庁も4月2日から、休憩時間も含めて庁舎内での喫煙を禁止する取り組みを始めました。また、時期を同じくして、ネット上ではタバコ休憩に関して不満を述べたスレッドに賛同の声が集まっています。

こうした議論が以前からずっと続いているタバコ休憩ですが、今後どうなっていくのでしょうか。

「タバコ休憩」は不平等か?

タバコ休憩に反対する人の多くは、「非喫煙者が働いている間にも、喫煙者はタバコ休憩がとれるにもかかわらず、同額の給料が発生していること」に不満を持っています。ほかには、「喫煙中の電話の取り次ぎが面倒」など、仕事に支障が出ていると指摘する人もいます。

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また、「喫煙後の服やその人の息に含まれるタバコのにおいが臭い」といった意見もあります。事実、喫煙後の呼気には有害物質が含まれるとされ、それが喫煙前の状態に戻るのに45分かかるという研究結果があります。先の生駒市では、そうした研究に基づいて、受動喫煙防止策のひとつとして「喫煙後45分間はエレベーターに乗ってはならない」という規則を設けてもいます。

賛成する人々の意見

一方で、こうしたニュースに対し、「非喫煙者も同様に休憩を取ればよい」といった意見や、「トイレ休憩に何度も行く人には怒らないはずだ」といった意見も少なからずあります。

「タバコ休憩は、サボろうとしているのではなく生産性を上げようとしている」、あるいは「タバコ休憩はコミュニケーションの場である」とする意見は、長らく喫煙者の間で支持されてきました。中には「タバコを吸うときの呼吸間隔は、『吸う時間より長く吐く』のでマインドフルネス的であり、集中力が上がる」なんて意見を耳にすることも。

また、日本人の場合、タバコは肺がんの最たる原因ではないとされ、1日1箱以内の喫煙であれば、ニコチンで脳が活性化されるとする識者もいます。ほかにも、長年タバコを吸っていた人が禁煙しようとすると強いストレスがかかり、逆に免疫力が落ちるといったこともあるといわれます。

「不公平」の裏にあるのは羨望?

さまざまな意見がある中で、喫煙者と非喫煙者の双方が不平等感を抱かないような制度を導入する会社も増えています。具体的には、タバコ休憩はそのままで、非喫煙者に手当を支給したり、有給休暇を与えたりするといった制度が主となっているようです。

タバコが喫煙者だけでなく、非喫煙者の健康も害することは確かであり、これからも喫煙者に向けられる目はますます厳しくなっていくでしょう。しかし、タバコ休憩に関するさまざまな意見や妥協策を見る限り、タバコ休憩が不公平だという意見の根幹にあるのは、そもそも「休憩するのに必要以上に気を遣わなければいけないこと」への閉塞感なのかもしれません。あなたはどう思われますか?

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。