住まいの購入動機、時期は人それぞれです。それぞれのライフプランの数だけ正解があると言えるでしょう。

しかし、多くの方にとっては初めてのマンション購入となるため、何を基準にしてどんなタイミングで購入を決めれば良いのかということについて、確固たる軸がわからないという方は非常に多いです。

そんな方々のために、今回は年収・年齢別のマンション購入術をご紹介します。

この記事を監修している人:株式会社Housmart代表取締役 針山昌幸

一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。顧客の利益が無視された不動産業界の慣習や仕組みを変えたいと志す。株式会社ハウスマートを設立し、代表取締役社長に就任。顧客本位の不動産サービスを多数展開している。著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。会社経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

この記事の重要ポイント!

  1. ローンの年間返済金額= 返済負担比率 × 年収の計算式から借入可能額を知ることがマンション購入の第一歩
  2. 返済負担比率とは、年間のローン返済金額に対する年収額の割合のことで、25%程度と見て資金計画を立てるのがおすすめ
  3. 頭金を増やすことで金利が下がるため、返済総額を減らすことができる
  4. 住宅ローンを利用するのであればマンション購入時の年齢も重要で、それぞれの年代ごとに注意点が存在している

マンション購入する上で必須な資金計画と年収への考え方

マンションは人生でもっとも高い買い物です。それ故、大半の人が長期のローンを組んで返済していく訳ですから何よりも資金計画が重要になります。特に老後資金、教育資金との兼ね合いで購入可能なマンション価格帯を見極めることがベストプラクティスとなります。

マンションを購入する上で必要なお金は大きく2つに分類されます。

  1. マンションの物件金額に充当する金額
  2. マンション購入に伴う諸費用

①の物件金額への支払いは、現金一括購入する場合を除き「住宅ローンを全額借りる」or「一部頭金を用意し残額を借りる」のどちらかです。

後述でも詳細にご説明しますが、住宅ローンには”利息”が発生しますので、頭金を少しでも準備し”利息”が上乗せされる部分の返済額を減らすような資金計画に基づき中古マンションをご購入されることをおすすめいたします。

頭金は元本割れのしない、給与天引・定期預金・財形貯蓄などを積極的に活用しご購入されるマンション価格の10%ほどを用意しておきましょう。

例えば、売買契約時に必要となる手付金」を支払うためには、物件価格の5%を「現金」で用意するケースが大半です。手付金は、物件金額の「頭金」に当てられます。

また、②の中古マンション購入の諸費用については物件価格の7~10%の金額が追加で必要となります。

諸費用の存在は、物件の申し込みをしてからご存知になる方も多いので、要注意です。また、諸費用の支払いも原則、現金で用意する必要があります。

その理由は以下の2点です。

①諸費用ローンという扱いになり、金利が高くなる金融機関がある。

②諸費用分物件価格を超えてローンを組むため、短期で売却するときには残債が売却価格を超過して売却できなくなるというリスク

「マンション購入には貯金を物件価格の2割準備せよ」とよく言われますが、「頭金(1割分)+諸経費分(1割分)を現金で準備すれば不要にローンの高い金利を支払わなくていいのでお得なのだ」ということです!

中には「物件価格の2割を貯金している間に賃貸で家賃を掛け捨てにしている方が無駄だよ」と思った方もいると思います。

実は諸費用については、不動産会社の仲介手数料が60~70%を占めています。

そんな、諸費用の中でも大半を占める仲介手数料を半額もしくは無料で提供している会社を選べば、諸費用は以下の通り大きく削減できるので、仲介を依頼する不動産会社も賢く選びましょう。

  物件価格3,000万円 物件価格4,000万円 物件価格5,000万円
仲介手数料全額 1,036,800円 1,684,800円 2,332,800円
仲介手数料半額 518,400円 842,400円 1,166,400円

あくまでも不動産取引における仲介手数料は、上限額が3%+6万円と設定されているのであって、それ以下の金額であれば仲介会社の判断次第でいくらでも安く提供することは可能となっているのです。

住宅ローンの融資可能金額はどうやって決まるのか?

住宅ローンからの融資可能金額は、主に「返済負担比率」を元に決定されます。返済負担比率とは、年間のローン返済金額に対しての年収額との割合を考えたものです。もっと簡単にいうと、「この人のお給料に対して、この月々の返済って余裕をもって返済できるのか?」という指標のことです。

返済負担比率 = ローン年間返済額 ÷ 年収

返済負担比率の上限は金融機関やその方の雇用形態などによって異なりますが、概ね「25~35%」が相場です。この式を変形させて利用すると、自ずと借り入れ可能金額の目安を知ることができます。

ローンの年間返済金額 = 返済負担比率 × 年収

つまり、年収に自分が希望したい返済負担比率をかけると年間の返済金額が求められるので、簡単に大体のイメージをつかむことができます。例えば、年収700万円の人はいくら借りることが出来るのでしょうか?

700万円×30/100=210万円

つまり、年間の返済金額が「210万円」になるような条件までであればローンを組むことが可能です。月に換算すると、210÷12=17.5万円となるため、毎月17.5万円以下のローン支払い金額に抑えることが目安となります。

より具体的な返済額を知る

より具体的な返済額を知るためにも金利の計算をしようとすると非常に複雑な式になってしまいます。

年間の支払い金額=(借入金額*利率*(1+利率)^(返済年数*12))/(1+利率)^(返済年数*12)-1

そのため、ネット上で無料公開されているローンシミュレーターを使用して確認をしてみましょう。

住宅ローンシミュレーター

下記の条件の場合、最大借り入れ可能金額は4762万円
年収:700万円
返済負担比率:30%
金利:1.5%
返済期間:35年

「カウル」の購入費用シミュレーション機能を使うことで、実際にそのマンションを購入することでどのくらい毎月のランニングコストがかかるのかという点について一瞬で把握することができます。

借り入れ可能金額の早見表

年収別に、35年返済、金利1.5%、返済負担比率35%の借り入れ可能金額と仮定した場合の早見表を添付します。

11,431

  借り入れ可能額(万円)
20% 25% 30%
100万円 544 680 817
200万円 1,089 1,361 1,633
300万円 1,633 2,041 2,450
400万円 2,177 2,722 3,266
500万円 2,722 3,402 4,083
600万円 3,266 4,083 4,899
700万円 3,810 4,763 5,716
800万円 4,355 5,443 6,532
900万円 4,899 6,124 7,349
1000万円 5,443 6,804 8,165
1100万円 5,988 7,485 8,982
1200万円 6,532 8,165 9,798
1300万円 7,076 8,845 10,615
1400万円 7,621 9,526 11,431
1500万円 8,165 10,206 12,248


続いて、物件の価格ごとに支払いのシミュレーションをしてみます。

年収別のマンション購入シミュレーション

今回は、全期間固定のフラット35を利用したシミュレーションです。フラット35の場合、融資額の目安は400万円以上の年収であれば上限35%ですが、一般的に目安とされている25%の返済率で計算しています。何故なら、いくら借りられるかより、無理せずに返済できることの方が重要だからです。

それと、物件価格に対して融資額が9割以上と、9割以下では金利が違いますから、分かりやすく頭金10%とフルローンの2通りで計算してあります。頭金を10%用意するだけで、返済の支払総額が頭金の額以上に違ってくるので、その数字もしっかり見ておいてください。

3,000万円のマンションの住宅ローンと年収・返済額シミュレーション

まずは3000万円のマンションから見て行きます。

3000万円のマンションの場合、頭金10%だと300万円分を現金で用意することになります。

表の中の「支払総額」は、頭金10%の場合、2700万円に対する支払い金額の合計です。頭金分の300万円を支払総額に足しても、フルローンの方がかなり高いことがお分かり頂けると思います。

  • 融資手数料 558,900円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 20,000円(マンション価格が1,000万円~5,000万円以下の場合)
  • 抵当権設定登記費用 30,000円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料 972,065円

35年ローンだと、年収450万円代前後でもOK。頭金300万円が用意できれば、400万円前後の年収でも大丈夫ということになりますね。とはいえ、貯金を全部叩いてというのでは危険ですよ。

どちらかというと、年収の額より月々の返済額の方が重要。もし返済額が今の家賃より少なければ、ある程度は余裕を持ってローンを組めます。

おすすめエリア

23区内や23区に近い市町村で70㎡程度のファミリータイプのマンションを探すのは正直難しいでしょう。ファミリータイプのマンションを探すのであれば、埼玉県や千葉県などの隣接県や八王子など西東京エリアも候補に入れて、幅広い地域から検討する方が住環境などご納得のいくマンションが見つかります。

葛飾区亀有 平均坪単価:165万円(70㎡の場合:3500万円程度)

JR常磐線にて東京都の端に位置します。常磐線を利用して上野駅にアクセス、亀有駅の隣である綾瀬駅からは東京メトロ千代田線を利用することが出来る利便性の高いエリアです。常磐線を下れば、松戸や柏など千葉県内のターミナル駅にも1本でアクセスできるため、日頃のお買い物にも便利です。

板橋区三園 平均坪単価:165万円(70㎡の場合:3,500万円程度)

都営三田線の終点、西高島平の周辺が板橋区三園です。少し歩くと埼玉県和光市に入ります。大手町や目黒へ1本でアクセスできますので、都内各所への通勤に便利です。隣駅の新高島平では、ファミリータイプのマンションは4,000万円程度になってしまうため、この年収で23区内を考えると、西高島平周辺が狙い目です。

西東京(八王子、小金井、田無など)、埼玉県(戸田、与野)、千葉県(千葉、稲毛)

これらの地域は3,000万円台で幅広くマンションを探すことが出来ます。高層階で眺望の良いお部屋や公園やスーパーが近いマンションなど、23区内では叶わない条件も考慮に入れることが出来ますが、一方で通勤時間が長くなるなどのデメリットも考えられます。幅広い選択肢の中から、ご自身やご家族の生活で何が優先か考えてみてはいかがでしょうか。

4,000万円の家をローンで買った場合のシミュレーション

諸経費は以下の通りです。

  • 融資手数料 745,200円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 20,000円(マンション価格が1,000万円~5,000万円以下の場合)
  • 抵当権設定登記費用 40,000円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料 1,296,065 円

物件価格が1,000万円上がると、やはり年収のハードルが高くなりますね。4,000万円のローンを組む為には、最低でも500万円台中盤以上の年収がないと、このクラスのローンを組むのは難しいということです。

仮に年収550万円だとして月額は46万円ほどで、手取りは確実に40万円を切ります。それで返済額が12万円前後になると、現実的に考えるとちょっと厳しい収支になりますね。

おすすめエリア

このぐらいの物件価格になると23区内でも選択肢が増えてきます。港区や都心部と呼ばれる地域は、難しくとも、江戸川区や葛飾区などが検討対象になってきます。これらの地域は、整備された公園が豊富にあり、子育て世代におすすめのエリアです。

江戸川区瑞江・一之江 平均坪単価:188万円(70㎡の場合:4,000万円程度)

都営新宿線の瑞江駅や一之江駅の周辺は、4,000万円ぐらいでファミリータイプのマンションが検討できる地域です。周辺には坂が少ないため、自転車を利用して広い地域を生活圏に利用できるのも魅力です。

都営新宿線は、新宿駅までアクセスでき、中間駅には九段下や市ヶ谷など他路線に乗り換えることができる駅も豊富です。江戸川や旧江戸川の川沿いには、自然豊かな公園が豊富に整備されているため、子育てに適したエリアです。

葛飾区新小岩 平均坪単価:200万円(70㎡の場合:4,200万円程度)

JR総武線の新小岩駅は4,000万円台前半でマンションを探せるエリアです。東京駅に1本でアクセス出来る利便性の高い駅であり、駅周辺にはスーパーが複数あり、日常のお買い物にも便利です。

また、大型の新小岩公園が近くにあり、江戸川区役所や図書館なども徒歩圏です。都心部とは言いがたいものの、23区内で都心部との距離と住環境のバランスが取れたおすすめエリアです。

江戸川区南葛西 平均坪単価188万円(70㎡の場合:4,000万円程度)

東京と千葉をつなげる京葉線の葛西臨海公園は4,000万円台でマンションが購入できるおすすめエリアです。駅から歩いてすぐの距離には、広大な敷地を有する有名な葛西臨海公園があります。

大きく目立つ観覧車があり、バーベキュー広場や水族館、大きな広場などお子様は遊ぶには十分すぎるほどの広さがあります。駅前は、倉庫などで殺風景な景色ですが、少し南に移動するとお買い物施設などがあります。ディズニーランドのある舞浜駅から一駅のため、毎日のように花火が見られることもポイントのひとつです。

5,000万円の住宅ローンと年収・返済額シミュレーション

  • 融資手数料 931,500円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 20,000円(マンション価格が1,000万円~5,000万円以下の場合)
  • 抵当権設定登記費用 50,000 円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料  1,620,065円

物件価格が5,000万円になると、現実的には750万円近い年収でないと厳しいかもしれません。頭金10%で35年ローンでは700万円弱の数字になっていますが、月々の返済額を考えると700万円ではちょっと厳しいものがあります。

おすすめエリア

物件価格5,000万円ぐらいになると、湾岸エリアのタワーマンションも視野に入ってきます。都心部に近いエリアが検討対象となり、ご自身の好みに近い住環境を選べるようになります。タワーマンションでは、眺望の他、大規模マンションならではの共用施設も魅力です。また、新しく街を造成しているため、道路や商業施設が整然としているのも魅力の一つです。一方、世田谷区などにある低層マンションでは、落ち着いた住環境が魅力です。昔ながらの住宅地であるため、醸成されたコミュニティや地域のお祭りなどが魅力です。

世田谷区桜丘 平均坪単価235万円(70㎡の場合:5,000万円程度)

小田急線の千歳船橋から経堂駅周辺の地域です。昔ながらの商店街や桜並木が残る住宅地が形成されており、落ち着いた住環境です。馬事公苑や砧公園なども近く、利便性よりも緑豊かな住環境を重視する方におすすめのエリアです。

大田区蒲田 平均坪単価188万円(70㎡の場合:4,000万円程度)

昔ながらの町工場や倉庫などが点在する歴史の古い雰囲気がある一方で京急蒲田駅前では再開発が行われ、きれいな街並みに生まれ変わりました。東京五輪へ向け、羽田空港の輸送力の強化方針が示されているため、羽田空港から東京都心部への玄関口である蒲田周辺の資産価値が高まることが想定されます。

江東区東雲 平均坪単価188万円(70㎡の場合:4,000万円程度)

豊洲と並び、タワーマンションが建ち並ぶ湾岸エリアを代表する地域です。周辺には、豊洲のららぽーとやお台場など商業施設が豊富にあり、お買い物やレジャーが気軽に楽しめます。大規模タワーマンションでは、ゲストルームやパーティールーム、フィットネスルームなど日常生活を彩る共用施設が多数完備されているのも魅力的です。東京五輪により、湾岸エリアが再整備される計画ですので、東雲周辺の資産価値も引き続き高い水準が維持されると想定されます。

6,000万円のマンションの住宅ローンと年収・返済額シミュレーション

  • 融資手数料 1,117,800 円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 60,000円
  • 抵当権設定登記費用 60,000 円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料 1,944,065 円

都内でも6,000万円を出せば、かなり良いマンションを購入することが出来ます。しかし、その為にはフルローンの場合900万円近い年収が必要ということです。

6,000万円代で購入できる物件例

6,000万円代になると、前述した湾岸系タワーマンションではかなりの高層階を購入できるレンジになります。また同じ湾岸系の中でも地価の上昇幅が最も大きい勝どき・晴海エリアを購入対象として入れることができます。

【物件名:勝どきビュータワー】

勝どきビュータワーは都営大江戸線・勝どき駅地下直結のタワーマンションです。地上52階建てで、地下1階から地上4階までは中央区の児童館、認可保育園、スーパーなど生活に便利な施設が入っています。

7,000万円のローンと年収・返済額シミュレーション

  • 融資手数料 1,304,100 円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 60,000 円
  • 抵当権設定登記費用 70,000円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料 2,268,065 円

ここまでくると、確実に審査が通る年収は1,000万円超えになります。月々の返済額が20万円超になってきますし、賃貸でもかなりの物件を借りることができる金額です。

おすすめエリア

7,000万円台になると、より高級な低層マンションが購入対象として入ってきます。また立地も新宿区や渋谷区といった都内の一等地に3LDK以上の広さを構えることができるようになります。

目黒区自由が丘 平均坪単価330万円(70㎡の場合:7,000万円程度)

東急東横線と東急大井町線が利用できる自由が丘は、センスの良さと利便性の高さを誇る街です。駅前の商店街の歴史は古く、駅前のロータリーでは中心に毎月のようにフェスティバルが開催されるなど、非常に活発です。

大規模なマンションは少ないものの、落ち着いた住環境に佇む小規模マンションが多数あります。奥沢や八雲などの高級住宅地にも近く、高所得層で落ち着いた住環境を求める方におすすめのエリアです。

8,000万円のローンと年収・返済額シミュレーション

  • 融資手数料 1,490,400円(融資額の1.863%)
  • 印紙代 60,000 円
  • 抵当権設定登記費用 80,000 円(借入金額の0.10%)
  • 仲介手数料 2,592,065 円

7,000万円でもそうですが、すでに一般の給与所得者では手が届かないレベル。このクラスになると、住宅ローンなど使わずにキャッシュで購入する人が多くなります。固定資産税もそれなりに高額になりますから、1,200〜1400万円程度の年収がないと、ランニングコストが賄えません。

※固定資産税とは、不動産を所有すると支払い義務が発生する税金。毎年1月1日に、その不動産を所有している人に対して市町村(東京23区は都)が課すものです。市町村長が決定する物件の固定資産税評価額に1.4%掛け合わせた額が毎年徴収されます。

おすすめエリア

港区芝浦 平均坪単価375万円(70㎡の場合:8,000万円程度)

JR山手線の田町駅から品川駅の間は、山手線の新駅構想が発表されているため、資産価値を考える上でもおすすめのエリアです。山の手線や浅草線などを利用して都内各所へのアクセスが良く、東京タワーなどの名所や大型の芝公園があり、住環境としても魅力が高い地域です。また、羽田空港へのアクセスも良く、資産価値が維持されることはもちろん、高まることも想定されるおすすめエリアです。

8,000万円代で購入できる物件例

8,000万円代から遂に、憧れの最高級立地である港区&目黒区でブランドマンションを持てるようになります。また新宿区や渋谷区では最上級マンションが視野に入り出すなど一般所得層では取得ハードルがかなり高い物件ゾーンです。

【物件名:高輪ザ・レジデンス】

桜田通り沿い、明治学院大学白金キャンパス向かいの9000平米以上の敷地に建つ高級分譲タワーマンションです。敷地内には24時間営業のスーパーやホテル顔負けのコンシェルジュサービスが用意されており、居住者の生活は不自由のないようにサポートが行き届いており、安心のタワーライフが送れること間違いなしです。

その他の費用

  • 団体信用生命保険料 → フラット35の場合は残高に応じて減額
  • 抵当権設定登記手数料 → 司法書士の報酬
  • 住宅ローン保証料 → 一括前払方式と金利上乗せ方式のいずれかを選択
  • 火災保険 → 建物の評価額で決めるのが一般的

この他にもランニングコストとして、毎年固定資産税がかかります。マンションであれば管理費や修繕積立金、一戸建てでもメンテナンスなど何かしらの費用が必要になります。住宅という資産を持てば、賃貸では必要なかった経費が発生することを忘れないで下さい。

年齢に対する考え方

マンションの購入を考える際は、住宅ローン周りの金銭面の条件ではなく、他にも様々な条件が複合的に絡み合ってきます。

その中の要素の1つに「年齢」があります。

そこで年代ごとの特徴や、購入で気をつけたいポイントについてご紹介します。

20~30代で住宅購入をする方

国税庁の統計によると、2014年の20代後半の平均年収は331.0万円です。

固定金利2%、35年返済、返済負担率25%で単純に計算すると、借入可能額は約2082万円となります。頭金を用意するとして、2000万円台前半のマンションが平均的な20代の手の届く物件と言えます。また、日本で最も購入が多い世代が30代前半とされています。結婚、出産、出世など、ライフステージの変化が大きな影響ですね。

メリット:長期でローンが組める

同じ金額・同じ金利でローンを組むなら、返済期間が長いほど月々の返済額は少なくすみます。住宅ローンは最長35年という長期で返済計画を立てますが、25歳から返済を始めても完済する頃には60歳、定年の年齢になってしまいます。

もし30~40代から返済を始めると、定年後の年金生活でローンの返済を続けなければならない計算になります。老後のことを考えると、若いうちから住宅ローンの返済を始める方が圧倒的に有利ということが言えます。

まだまだ年収が低い、頭金が貯まらないと不動産購入を躊躇する20代も多いですが、長期返済が可能というメリットを見逃す手はありません。金利の低い今の時代には、後々マンションは資産になりますし頭金を貯蓄するよりも借入を行う方が金銭的なメリットも大きいのです。

デメリット:ライフスタイルの変化

20代のマイホーム購入で注意したいのは、将来ライフスタイルが変わってしまう可能性が高いことです。

平成27年の人口動態調査によれば、平均初婚年齢は夫 31.1歳、妻 29.4歳、第1子出生時の母の平均年齢は30.7 歳となっています。20代のうちは独身あるいは夫婦のみの世帯が多いのですが、30代になり子どもを持つようになると生活スタイルは激変します。

夫婦共働きの世帯では、年収を合算することで住宅ローンの借入可能額を引き上げることが可能です。しかし、出産後も共働きを続けて同じ収入を確保できる保証はありません。

また、家族が増えて家が手狭になると引っ越しを余儀なくされることも想定できます。すぐに買い手の見つかる物件なら良いのですが、タイミングが合わずに買い換えのダブルローンに悩まされるケースもあります。

単身で住宅購入をする方

20~30代単身の方は下記の内容について特に気をつけましょう。

物件選び

→1R~1LDKが中心になってきます。単身の方は自分で住むにしても、将来的に賃貸するにしてもとにかくアクセスの良さを重視する必要があります。売却する時に、交通の利便性がある物件でないと1R~1LDKのマンションは売りにくくなってしまいます。

将来的な出口戦略

→ご自身の趣味嗜好に走って尖った物件にするのではなく、将来的な結婚、転勤などの状況の変化によって売却や賃貸など柔軟に対応できる物件を選ぶ必要があります。
ご年収、勤続年数など借り入れについて

→まだ20代ですと、給料がどんどん上がっている一方で、額としてはどうしても少なくなってしまいます。また、勤続年数が浅すぎると住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。

DINKSで住宅購入をされる方

20~30代でお子様がいらっしゃらない共働きのご夫婦

物件選び

→1~2LDKが中心になってきます。将来的な売却、賃貸を想定して、アクセスの良さや建物のクオリティを重視する必要があります。利便性の高いエリアのコンパクトマンションをなるべく選ぶことをおすすめします。

将来的な出口戦略

→将来的な家族構成の変化、勤務地の変更を考えて、売却を視野に入れましょう。スピーディーな売却のためには築浅で交通利便性が高く、必要以上に広すぎない部屋である事などの条件が求められます。

ご年収、勤続年数など借り入れについて

→ペアローンを検討しましょう。2人の年収を合算した数字で借り入れを行うことができます。この時注意したいのが契約形態です。契約社員などの場合は、審査が厳しくなってしまう傾向にあります。

ご家族で住宅購入をされる方

20~30代で結婚をしており、お子様など世帯人数が3名以上の方のポイントは以下の通りです。

物件選び

→2~3LDKが中心になってきます。本来であれば永住できるような立地が望ましいですが、まだまだ将来的な居住地変更の可能性があります。お子様の学区問題などもありますので、住環境と将来的な売却、賃貸を想定した物件選びが必要です。

将来的な出口戦略

→将来的な家族構成の変化、勤務地の変更を考えて、売却を視野に入れましょう。スピーディーな売却のためには築浅でアクセスがしやすく、必要以上に大きすぎない部屋などの条件が求められます。新宿や渋谷などの都心よりも練馬や中野などのサブステーションが好まれる傾向にあります。

ご年収、勤続年数など借り入れについて

→奥様の産休や休業も踏まえて、旦那様の単独ローンで無理なくお借りすることをオススメします。年収と家族人数のバランスによってはまだ審査がかなり厳しい場合もあります。余裕を持った予算組みにしましょう。

40~50代で住宅購入をされる方

各金融機関の住宅ローンの審査条件を確認すると、最長80歳までとされています。最長35年、80歳まで返済を続けるつもりでも、45歳には返済を開始しなければなりません。

現実的には定年後の年金生活で住宅ローンを返済し続けるのは大きな負担になります。実際のローン審査では、定年までに返済を終えることを前提とすることがほとんどです。

老後の経済状態に気を配るなら、できる限り返済期間を短く設定したいところです。

そして、40代となればそこそこの貯蓄ができている方も多いでしょう。貯蓄を利用すれば頭金の割合を大きくしたり、繰り上げ返済を行って返済期間を短縮することが可能です。

また、住宅ローン以外の負担も大きくなります。子どもの大学進学を控えて教育費のピークを迎えるのが40代後半~50代、老後を迎える親世代の介護の負担も現実的になってきます。

しかし、将来の見通しが立てやすくライフスタイルが確立している40代は、スタイルに合わせた理想の住まいを実現できる傾向にあります。若い世代に比べて貯蓄額や年収が多いので、住宅購入予算にも余裕が見られます。しっかりとした返済プランがあれば、40代でのマイホーム購入を恐れる必要はありません。

単身の方

40~50代単身の方は下記の内容について特に気をつけましょう

物件選び

→1R~1LDK、少しグレードが高い物件が中心になってきます。転勤などもかなり落ち着いて、思い切った選択ができるタイミングです。

将来的な出口戦略

→特に、定年退職後は売却や賃貸をすることが現実的な視野に入ってきます。一方で、ご自身の趣味嗜好に走って物件を決めることもできるチャンスでもあります。こだわりを持ちつつも、将来的に手離れが良い物件選びが必要です。可能であれば、築浅でブランドマンションが購入できると理想的ですね。

ご年収、勤続年数など借り入れについて

→40代の前半であればまだ問題なく借り入れをすることは可能です。50代に入ると、最長の35年でのローンなどが難しくなります。特に45歳を過ぎると年々、最長借り入れ年数が減っていきます。一方、勤続年数やご年収はかなり安定しており、退職金も返済資金として検討できる段階です。

DINKSの方

40~50代でお子様がいらっしゃらない共働きの方

物件選び

→1~2LDK、立地やグレードの高いマンションが中心になってきます。格調高いエリアから、新興のエリアまで選択肢が広がります。特に、ダブルインカムの利点を生かしたハイグレードハイスペックを選択をして資産性を確保していきたいところです。

ご年収、勤続年数など借り入れについて

→単独でお借り入れが出来るとしても、節税対策でペアローンを検討しましょう。また、特にお二人のご健康状態が重要です。成人病などをお持ちの場合、団体信用生命保険の審査が厳しくなってしまう場合もあります。また、早期の返済も視野に入れて、返済期間や繰越・一括返済を踏まえたローンをプランニングしましょう。

将来的な出口戦略

→気分によって住むエリアを変えることが出来るのもディンクスの魅力の一つです。賃貸、売却もある程度視野に入れた選択が出来るとベターです。

ご家族の方

40~50代のお子様など世帯人数が3名以上の方

物件選び

→2~3LDK、ランニングコストと将来的な住環境を重視したチョイスになってきます。新興の地域など若い世代が多いエリアよりも将来的に落ち着いて過ごせるエリアが重要です。また、お子様の独立を考えると無理に3LDKなどを購入する必要はないかと思われます。

ご年収、勤続年数など借り入れについて

→頭金を相当額入れてのお借り入れが前提となってきます。フルローンを組むことも可能ですが、返済期間が短くなるので月々の支払い金額が増えたり、退職金や年金を返済に充てることも考えると現実的ではありません。また、ご主人様のご健康状態の影響力が非常に大きいです。物件探しの前に、人間ドックなどで再度の点検が必要です。

将来的な出口戦略

→お子様などに物件を相続することなども考えた設計にしていきたいところです。現物で相続するにしても、売却して想像するにしても特に築年数の選択が重要なところです。終いの住処こそ築浅で質にこだわった選択をしたいものです。また、かなり先の売却になる可能性も高いのであえて新興の地域を選ぶなどもありな選択です。

「今」ではなく「老後」を見据えた物件選びを

住宅ローン利用の最後のチャンスとなる40代のマンション購入は、そこが「終の棲家」となる可能性を考慮して物件を選びましょう。子どもたちが巣立った後の生活を想定して広さや間取りを検討し、場合によってはリフォームを将来計画に組み込むと良いです。

身体が不自由になった時のために、バリアフリー設備や公共交通機関、行政の介護サービスについてチェックしておくこともおすすめします。

ローンの返済計画を立てる際も、老後を視野に入れることが重要です。貯蓄のすべてを頭金に使用したり、退職金をあてに住宅ローンの返済計画に組み込むことは避けましょう。

先に述べたように40代は住居費以外の出費も多く、金利の低い今の時代に老後に向けてもう一度貯蓄をするのは非効率です。貯蓄や退職金のようなまとまったお金はできるだけ老後の生活資金として残しておきましょう。

繰上げ返済手数料無料の住宅ローンを利用しよう

40代から定年までに住宅ローンを完済しようとすると、返済期間が短く月々の返済額が高額になってしまいます。そこで返済開始当初は返済期間を長めに設定し、月々の返済金額を低く抑える方法がおすすめです。

余裕のある間は毎月の返済に繰り上げ返済を上乗せして支払い、不測の事態があれば本来の返済額だけを支払い急場をしのぐという作戦です。一般的な住宅ローンは繰り上げ返済に手数料がかかるので難しいですが、繰り上げ返済手数料無料の住宅ローンを利用すれば有効な手段となります。

60代以上の方

60代以上の方のご購入は、基本的に現金一括でのお支払いに絞られてきます。理由は、銀行のローン審査の通過が非常に難しいからです。

すでにリタイアによる無職の方など、そもそも収入源が年金しかないなどの状態での融資は難しいということです。

一方で救済措置もあります。

フラット35で提供している「親子リレー形式」というものです。こちらは、一旦ご主人様の名義などで借りて、一定期間以降の返済は自分の子供に引き継ぎを行うものです。こちらの形式であれば規定の年齢・返済期間を超えて返済計画を組むことが可能です。

また、少額の有志であれば年金の支給額を鑑みた審査を対応してくれる場合もありますので、窓口で相談してみましょう。

物件選びに関しては、相続を前提に考える必要があります。

介護などが始まることも考えて、お子様と同居できる物件を選ぶ必要もあるでしょう。

老後の安心・安全を買う

これまで賃貸で暮らしていたなら、50代という年齢は住宅購入を真剣に検討する良い機会です。賃貸住宅は自分のものではないので、一生住める保証はありません。同じ家に住み続けたいと思っても、身体が不自由になるにつれて設備や間取りに不便を感じることも増えてくるでしょう。

自分が所有しているマンションであればリフォームも自由にできますが、賃貸では勝手に手を加えることができません。

そして年齢を重ねてから新しい家に引っ越したいと賃貸物件を探しても、高齢を理由に断られてしまう結果になります。安心して老後を迎え快適に長く暮らすことを考えると、50代で住宅を購入するメリットは十分にあります。

コンパクトな広さで余裕のある間取りがおすすめ

子どもが独立して夫婦二人で暮らすことを考えると、面積や部屋数はさほど必要ではありません。広すぎるとその分価格や固定費が上がりますし、身体の自由が利かなくなるにつれ掃除もおっくうになります。使わない部屋があると物をため込んでしまうので、1LDK~2LDKくらいがちょうど良いでしょう。

ただし、将来車いすを利用したり介護が必要となったときのことを考え、一つ一つの部屋のスペースにゆとりを持たせた間取りが理想です。

周辺環境を重視した物件選び

仕事をリタイアした後の暮らしは、自宅が中心となります。マンション周辺の生活環境や地域コミュニティなど、ソフト面を重視して物件を選びましょう。

身体が不自由になってくればどうしても他人の手を借りて生活しなければいけません。年を重ねれば重ねるほど、重要になってくるのは人との繋がりです。

相続税を節税するメリットも?

不動産を購入することで、子どもたちの相続税を節税するメリットもあります。

1億円を現金で相続するとそのすべてが課税対象となります。しかしその1億円でマンションを購入した場合、課税評価額が1億円を下回り課税額も少なく済むことがあります。

タワーマンションの上層階で良く使われている節税方法ですね。

まとめ

マンションの購入に適切な時期というものは人さまざまです。金利の影響や経済状況もさることながら、特に大事なのは個人のライフプランです。

ご自身の状況に合わせた最適な選択、気をつけるべき注意点に目を向けましょう。賃貸と違って、しっかりとした選択さえできれば人生を一気に豊かにする事ができます。

主に個人間取引である中古マンション売買においては注意点がいくつもあります。お金に関する不安を解消し、そのような前提知識を事前に押さえておく事で中古マンション購入を成功させる事ができます。

マンションジャーナル