就職活動では避けて通れない面接。そこには大学のOBと喫茶店などで会って行われる「リクルーター面接」から、複数の学生を集めての「グループ面接」、1対1や1対複数の面接まで、様々なスタイルがあります。今回は採用プロセスの初期段階で行われるグループ面接やグループディスカッションの意味と、その攻略方法について考えてみたいと思います。

会社説明会の「服装は自由」には気を付けたい

金融機関でのリクルーターの経験があるA氏は、自身の就職活動の初めに外資系消費財メーカーの会社説明会に参加したといいます。

会社からの案内に「服装は自由」と書かれていたため、就職活動が始まっているということを認識はしていましたが、大学に通ういつもの姿――ヘリーハンセンのパーカーとジーンズ姿で説明会が行われる会場に出かけたA氏。ところが、会場に到着すると自分以外ほぼ全員がリクルートスーツに身を包んでいたそうです。

A氏は「服装は自由」という案内を信じて気ままな服装で出かけてしまいましたが、実は既に採用プロセスに入っていたのです。そして、グループディスカッションを実施する旨が告げられました。

グループディスカッション開始!

会社側からの説明が一通り終わると、同じテーブルに座っているグループにディスカッションのテーマが提示されました。そして、各グループに社員が一人ずつ配置され、ディスカッションが始まります。A氏が座ったグループには不思議と同じ大学の出身者が多かったといいます。

まずは氏名や大学、学部など軽く自己紹介を済ませた後に議論開始となりますが、グループディスカッションでは、議論を進める役、積極的に意見を出す役、ツッコミを入れる役などの様々な役目が求められます。

ディスカッションが得意な人はさっと自分の役割を見出し、話を展開していきます。しかし、こうした雰囲気に慣れていない場合は苦痛に感じる人もいるのではないでしょうか。

グループ面接・ディスカッションの意味とは

では、なぜ企業側はグループ面接やディスカッションをさせるのでしょうか。

人材採用は企業にとって重要な仕事です。特に新卒採用には、人事部以外にも様々な部署から多くの社員が面接に駆り出されます。グループ面接やディスカッションを活用すると、そうした現場への負荷を軽減しながら有望な学生をスクリーニングしやすいという側面はあるでしょう。

先ほど登場したA氏は、出だしこそ痛い経験をしたものの、持ち前の積極性で外資系や日系の金融機関での面接をうまくこなし、最終的には第一志望である日本の金融機関に就職。その後、リクルーターとなり採用活動をサポートしたA氏は、企業側の思惑を次のように説明します。