仕事をする中で「キャリア」という言葉をよく耳にしますが、一体どのような意味なのでしょうか。今回はキャリアについて考えてみましょう。

そもそもキャリアとは

厚生労働省が発表した「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書のキャリア形成の意義によると、『「キャリア」とは、「経歴」「経験」「発展」「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし持続性を持った概念』とあります。

そして、キャリアには「市場価値」が存在します。

たとえば、Aのような技能とBのような経験がある人は市場価値が高くなる、そのような考え方です。今で言えば、「AIに関わる技能」と、「AIの最先端企業で働いていた経験」がある、と言い換えると分かりやすいかもしれません。

また、高学歴であるというのも市場価値が高くなる1つの要因です。ただ、先に見たようにキャリアは「時間的持続性」によって形成されていくので、高学歴であるというだけでは市場価値を維持し続けることはできません。むしろ時間の経過とともにその比率は薄まっていくでしょう。

逆もしかりで、入社当時は良くできる同期と比べられてきたあなたも、「時間的継続性」によるキャリア形成を意識することによって、市場価値を上げていけるかもしれません。

あなたが今から市場価値を意識してスキルアップをしながら転職や起業を選択した時、5年後に「絶対に追いつけない」と思っていた同期よりも年収が高くなっている、そんな話もめずらしくはないのです。

キャリアアップとはキャリアの市場価値を上げること

キャリアアップとはつまり、あなたのキャリアの市場価値を上げることなのです。そのために、資格を取ったり、講習を受けたりしてスキルを高めるわけですが、ただやみくもに資格を取ればいいというわけではありません。

自分の市場価値が今どのくらいかを正しく知った上で、それをどの状態にしたいから何を勉強する、というように考えることがキャリアアップのための近道といえます。そしてそういう意識を常に持って、キャリアを継続的に形成していくことが、大切なのです。

キャリアアップで最も重要なのは、市場価値において自身のキャリアにどのような価値があるのかを知ることです。そうした市場価値を知るために、ネット等でのリサーチをはじめヘッドハンターや転職エージェントに相談するのも一つの手でしょう。

キャリアプランとは

ここまでキャリアアップを見てきましたが、ほかによく耳にする言葉に「キャリアプラン」というのもあります。キャリアプランとはいったい何なのでしょうか。

キャリアプランとは、キャリアを繋げて計画(プラン)を立てることをいいます。働き方の計画ともいえるかもしれません。

キャリアプランには、短いものも長いものもあります。短いものだと数年間のプランを、長いものだと社会人になってから仕事ができなくなるまでの壮大なプランを考えることもできます。

「仕事ができなくなる」というのは、今勤めている企業の定年だけとは限りません。定年退職後に起業して新たな仕事を始めているかもしれません。あなたが仕事でどんなふうになっていきたいか、そしてどんなふうに終えたいか、そのような目標に向かって立てる計画をキャリアプランといいます。

キャリアプランの描きかた