テーマ株投資といっても様々なバリエーションがあります。これから伸びそうな産業分野のテーマに関連する企業への投資、利益成長率が高いと期待される銘柄に投資するグロース株投資、株価が割安と判断した銘柄に投資するバリュー株投資など様々です。

今回は、いよいよ花粉症の季節到来というタイミングでもあり、花粉症対策関連銘柄を取り上げました。

はじめに

春先になると、多くの日本人が苦しむことになる花粉症。春先の年中行事と化している方も多くなっています。しかしながら近年では対策グッズの進化、新薬の誕生など、花粉症への対処方法も増加しています。

気が付けば多くの日本人がお世話になっている花粉症対策の商品。その関連銘柄を取り上げたいと思います。

なぜ花粉症対策銘柄に注目するのか

厚生労働省や環境省の資料によれば、日本で花粉症を有する人の正確な数は不明ではあるものの、全国的な調査としては全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギーの全国疫学調査があります。

それによると花粉症全体の有病率は29. 8%だったとされ(注)、花粉症は国民病と言っても過言ではない状態になっていることが分かります。

春先になると、マスクをした人が目をこすったりくしゃみをする姿が日常の光景となっています。日本人の約3人に1人が苦しむとみられる花粉症ですが、その対策市場はいまや巨大な市場を形成しており、単に医薬品のみならず、マスクやメガネや食品など広範囲に及んでいます。

(注)出所:環境省「花粉症環境保健マニュアル2014」、厚生労働省ホームページ「花粉症Q&A集(平成22年度)

花粉症関連テーマを詳しく見る

花粉症対策と一言でいっても、医薬品以外にも様々な対策が存在しています。今回は大きく分けて3つのサブカテゴリーを想定しています。

医薬品

花粉症対策として薬を服用するという人も多いと思います。また飲み薬のみならず、外出時には目薬も花粉症対策には必要不可欠。花粉症に関連する医薬品を取り扱う銘柄をピックアップしました。

花粉症対策商品メーカー

医薬品以外にも花粉症対策グッズを製造する会社が多く存在します。花粉症に対し、モノの面から対応する銘柄を取り上げました。

調剤薬局・ドラッグストア

花粉症のため多くの方が病院に行き薬の処方を受けています。また、ドラッグストアで市販薬を購入する場合もあるでしょう。花粉症の季節には花粉症対策コーナーを設けるドラッグストアも多くあります。

花粉症関連銘柄とは

ここでは、先のテーマに関してさらに個別企業に落とし込んでいきましょう。カッコ内は銘柄コードです。

小林製薬(4967)

家庭用の医薬品、健康食品の開発に注力。目をまるごと洗うことができると謳う洗眼薬「アイボンAL」など花粉症患者に人気の花粉症対策商品を開発・販売。

ダイキン工業(6367)

業務用エアコンでは世界首位のメーカーで、空気清浄機も開発。同社の「ストリーマ技術」が花粉症を悪化させるPM2.5と排気ガスの混合物のアジュバンド効果を抑制することを実証。

アサヒグループホールディングス(2502)

「カルピス」由来の乳酸菌研究を実施。アレルギー症状の改善に効果が期待できるとされる「L-92乳酸菌」を配合する製品を販売中。

鳥居薬品(4551)

スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン」を開発。シダトレンは国内で初めて承認された、舌下に投与するタイプの減感作療法薬。

富士紡ホールディングス(3104)

綿紡績の老舗会社。花粉が付きにくく、また付着しても落ちやすい素材「花粉クリーン」を商品化。洗濯後も花粉の脱落率を維持でき、布団カバーなどに利用されている。

アインホールディングス(9627)

調剤薬局最大手アインファーマシーズを傘下に持つ。調剤薬局のみならずドラッグストア事業も展開中。

武田薬品工業(4502)

国内製薬最大手。ベンザシリーズの鼻炎薬、マイティアシリーズの点眼薬など、花粉症に欠かせない製品を多数ラインナップ。

ユニ・チャーム(8113)

「超立体マスク花粉用」などのマスクを商品化。スキマの無いフィット感にも関わらず息苦しくない超立体マスクは、花粉症患者からの評価が非常に高い製品。

ジンズ(3046)

花粉対策メガネ「花粉カット」を販売。最大98%の花粉をカットできるという性能に加え、デザイン面にも配慮され人気が高い。

ロート製薬(4527)

点眼薬大手。花粉症対策として、「アルガード」ブランドで点眼薬のみならず、内服薬、点鼻薬、マスクと一気通貫の製品を揃えている。

まとめにかえて

日本人の約3割が悩んでいるといわれる花粉症。すでに春先の年中行事となっており、花粉症対策には非常に多くの業界や銘柄がかかわりを有しています。花粉症グッズを購入の際に、その企業名などにも注目して株価を確認してはいかがでしょうか?

LIMO編集部