米要人の発言をきっかけに、ドル売りが加速

2018年1月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より37円61銭安の23,631円88銭となりました。

先週は、22日・月曜日に23,816円で高値引けすると、23日も続伸し、24,124円と終値ベースで2万4000円台を回復しました。終値が2万4000円を上回るのは、1991年11月以来約26年ぶりです。心理的な節目である2万4000円台に乗せたことから、このまま定着しさらに上のステージをうかがうかとも思われました。

しかし、24日、スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の場で、ムニューシン米財務長官が「弱いドルは米国の貿易面で利益になる」と、ドル安を容認する発言をしたことを受けて、主要通貨に対してドルを売る動きが加速しました。

24日のニューヨーク外国為替市場では、一時1ドル=108円台と2017年9月11日以来およそ4か月半ぶりの円高・ドル安水準になりました。翌日には米トランプ大統領が「最終的に強いドルを見たい」と、火消しと思われる発言をしたことで、ドルは下げ止まりました。

ただし、同じくダボス会議に出席している日銀の黒田東彦総裁が26日、「(2%の物価目標に)近づいてきた」と語ると、日銀が金融緩和の縮小に向かうとの見方から、円が買われドルが売られました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。引き続き、為替の動向に左右される神経質な展開になりそうです。26日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、1ドル=108円55~65銭で取引を終えています。週明け、日本株にも影響が出そうです。

今週は30日にトランプ大統領による一般教書演説が行われます。その内容によっては、さらにドルが売られる可能性もあります。一方で米国では、企業の業績好調を受けて、26日にはダウ工業株30種平均が3日連続で過去最高値を更新しました。

国内でも決算発表で業績の上方修正が見込まれる企業が少なくありません。為替相場の動きには注意が必要ですが、個別銘柄の物色や押し目買いには好機になるでしょう。

5日移動平均線を割り込み、上昇の勢いに欠ける

先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。23日・火曜日までは3日続伸し、終値は約26年ぶりに2万4000円台を回復しました。

しかし、24日からは一転して3日続落しました。特に25日には窓をあけて下落しています。26日には25日の始値付近で寄りつきましたが、けっきょく陰線となり、25日の終値も下回りました。5日移動平均線に上値を押さえられており、やや勢いに欠けます。

中期的には上昇のトレンドは変わらず、目線は上に

今週の動きはどうなるでしょうか。週末に陰線が続いたことが懸念されます。ただし、積極的に売りに転じるほどではありません。5日移動平均線は割り込んだものの、まだ25日移動平均線よりも上にあり、25日移動平均線、75日移動平均線ともに上昇しています。

また、今年に入ってから急上昇した後の下値めどと言える、23,600円を下回っていないことに加え、むしろこのあたりでサポートされているような形になっています。

さらに、23,500円程度まで下がったとしても、その先には昨年の11月以降、何度もトライしてようやく超えた2万3000円のラインがあります。ここはかなり強い下値支持線となっており、直近でするすると割り込むとは考えにくいところです。

週足などの長い足は依然として強い上昇のシグナルを示しています。中期的には目線は上に持っていていいでしょう。ただし、直近は短い陰線と陽線が繰り返すような難しい展開になっています。しばらくはレンジ内の押し目を狙うか、積極的に出動するのは再度の2万4000円台を確認してからでも遅くはないでしょう。

下原 一晃