「人生100年」などと言われる時代、あなたは何歳まで生きたいと思いますか。また、生きられると思っているのでしょうか。今回は厚生労働省のデータをもとに考えてみたいと思います。

男性の方が女性よりも長生きしたいと考えている

平成26年版の厚生労働白書に、2014年の「健康意識に関する調査」による「生きたい年齢」「生きられると思う年齢」についての調査結果があります。

男性の平均寿命が女性より短いことはよく知られていますが、調査結果はそれとは反対に、男性の方が女性よりも長生きしたいと考えていることを示しています。

同白書に示されている男性の平均寿命は79.94歳、対する女性は86.41歳。女性の方が男性よりも6年強長生きするということになります。

一方、「生きたい年齢」に関しては男性が80.90歳、女性は78.36歳となっています。平均寿命が短い男性が女性よりも2年強長生きしたいと考えていることが分かります。

なぜ女性は生きたい年齢が男性よりも短いのか

ここで気になる点は、男性の平均寿命と「生きたい年齢」にそれほど差はないものの、女性に関しては「生きたい年齢」が平均寿命を8年ほど下回っていることです。

ここには、収入や介護といった将来の不安・長生きするリスクをふまえた現実的な考えが反映されているのかもしれません。

平均寿命よりも短い「生きられると思う年齢」

また、今回の調査結果には「生きられると思う年齢」もありますが、これに関しては男女差が大きくないのが特徴です。男性が77.75歳、女性が77.52歳です。若干ですが男性の方が女性よりも長く生きられると思っているようです。

ここで興味深いのが、男女ともに平均寿命と比べ「生きられると思う年齢」が短いということです。このズレには、将来どれくらいの資産や蓄財が必要なのかということも関係してくるのではないでしょうか。

自分が考えている以上に長生きをしてしまえば、生活をするための費用も追加で発生することになります。このズレが数年であれば何とかやりくりできるかもしれませんが、女性のケースでは平均寿命と「生きられると思う年齢」の差が9年弱もあります。

ここまでのズレがあると、個々人で資産の保有状況は異なるものの、やりくりできるという話にはならないかもしれません。

また、生きているとしても必ずしも健康だとは限りません。「健康寿命」という言葉もあるように、病気など事前に想定できないことも発生します。

まとめにかえて

今後、実際に「人生100年時代」が訪れるかどうかの議論は重要でしょう。もっとも、自分が将来いかに健康でいられるか、また、サラリーマンが定年退職後に収入を得られる方法を手にしているかで退職した後の生き方も変わってきそうです。

皆さんは、いくつまで生きたいでしょうか。また、いくつまで生きられると思っているのでしょうか。

青山 諭志