周囲の言葉に振り回されては、疲れていませんか。他人の言葉が頭の中をグルグル回り、本来やるべき仕事が進まなかったり、暗い気持ちのまま1日を過ごしたり。自分の気持ちより他人の言葉を信用してしまい、行動しては後で悶々としたり。

周囲に振り回され続けたり、自分より他人の言葉を信じて行動するのは苦しいものです。いつも振り回されてしまう自分とうまく付き合っていく方法を考えてみましょう。

実は「振り回されたい」?

他人の意見を聞くと心がザワつき、自分よりも正しいと思ってしまう。「他人の言葉に振り回されること」を選んでいるのは実は他でもない自分自身。ですが、それはなぜでしょうか。

自分と相手の意見を比較するとき、客観的かつ冷静に考えていますか。それよりも「相手に嫌われたくない」「自分に自信がない」「相手に自分を認めてほしい」といった感情に流されていないでしょうか。

振り回されることを選ぶのは、「自分に自信がない」という気持ちが根っこにあるからだったりするもの。他人に好かれ、認めてもらうことで自我を保とうとしているのです。とはいえ一喜一憂しながら振り回され、疲れて終わることの繰り返しになってしまうという人もいるはずです。

人生で一番長く密に付き合う相手とは

あなたの人生の中で、一番長く密に付き合っていく人について考えてみましょう。会社の上司や同僚はほぼ毎日顔を合わせますし、友人や配偶者、義理の家族は一生付き合うことも多い相手。大切な人々ですし、できる限り良好な関係を築いていきたいですよね。

一方で、良好な関係を築くことと、相手に振り回されることは別です。決定的に違うのは、そこに「自分」がいるかどうか。良好な関係はお互いの気持ちを尊重しながら折り合いをつけていくものですが、振り回されると自分の気持ちはほぼ存在しません。これでは依存関係になってしまい、いつまでも苦しいだけなのです。

振り回される苦しみから抜け出し、他人と良好な関係を築くために、まずは自分で自分の気持ちを大切にすること。なぜならあなたが人生で一番長く密に付き合う相手は、自分自身だから。自分を大切にすることで、振り回されることも減り、他者と良好な関係が築いていけるでしょう。

優劣ではなく、違いがあるだけ

実際に他人の意見を聞いて、気持ちが揺れ動くこと自体は皆あることです。大切なのは、その後どう考えるか。自分の気持ちを責めたり否定し始めたら一旦考えるのをやめて、自他の意見を同等に扱いましょう。

意見自体に、優劣の差はありません。あるのは育った環境や経験(地域、親兄弟、先生、友人、学校、部活など)、年齢、性別、職業などの違いだけ。そこに優劣の判断を下しているのは自分自身なのです。そういった自分の心があることも自覚してください。「意見に優劣はなく、違いがあるだけ」と認識しましょう。

それぞれの意見の違いを確認した上で、改めて自分はどう思うのか、どうしたいのかを考えましょう。人間は十人十色ですから、「自分は自分、人は人」であり自分の考えを信じられるようになることが多いと思います。

あなたが自分の気持ちを大切にした言動をとれば、周囲があなたを見る目も変わってきます。そもそも振り回す人は振り回される人に集まってきますから、あなたが毅然と自分を保てば、振り回す人も態度を変えていくでしょう。

他人を見る目も大切です。普段から相手の言動を「この人はこういう考えを持つ人だ」とまとめておくのはいかがでしょうか。そうすると自他の違いを分けやすくなります。

それでも気になる! そんな時には

「自分は自分、人は人」と分けたところで、いきなり振り回されなくなるわけではありません。わかっていても相手の言葉がグルグル頭を回る……というときもあるでしょう。

やたらと気になる他人の発言は、自分にとっても自信のない内容だからではないですか? それに関しては一度じっくり考え、自分の気持ちと向き合ってみましょう。すぐには答えが出ず、アレコレ悩んでも大丈夫。大事なのは時間がかかっても、自分の頭と心でとことん考えることです。

たとえ思い悩んだり間違うことがあっても、「自分で考えた」積み重ねが自分を大切にする気持ちを強くしてくれます。今年ももう終わりますが、来年1年かけてじっくりと自分を大切にする気持ちを育ててみませんか。

宮野 茉莉子