TOYOTA GAZOO Racing × タミヤが手がけたGravity Rally

落ち葉の舞い始めた公園でラリーカーが激走! ラリーカーといっても、カメラ付きのRCカーを操縦する「Gravity Rally(グラビティ・ラリー)」のこと。専用のシミュレーターに乗り込み、頭にヘッドマウントディスプレイを装着。RCカーから送られてくる映像を見ながら運転すると、シミュレーターの油圧装置がRCカーの動きを忠実に再現する。

かなり激しく動くため車酔いしてしまう人向けのモニターも用意されていた。特設コースには超巨大なジャンプ台(RCカーにしたら)もあり、着地の衝撃にビクビクしながらジャンプしている人もいた。

操縦するRCカーは、WRCに参戦しているトヨタ「Yaris(ヤリス)」。コース横にはレプリカのYarisも展示されていて、ラリーカーを運転している気分にさせてくれた。企画プロデュースはTOYOTA GAZOO Racingで、監修はタミヤが担当している。

Gravity Rallyは、11月23、22日に代々木公園けやき坂並木で開催された「SIBUYA SPORTS CAR FES 2017(シブヤ スポーツカー フェス2017)」のコンテンツの一つ。主催したのは渋谷公園通商店街振興組合で、協賛企業にCARGUY、タミヤ、トヨタが参加して実現したもの。

シミュレーターは3台用意されて、タイムアタックを繰り広げていた

実際に走る1/1ミニ四駆 × RCカー体験会は子どもにも大人気

一方、タミヤブースではミニ四駆のなかでも人気の「エアロアバンテ」の1/1スケールカーを展示。ミニ四駆は全長約15cmのレーシングホビーで、1980年、90年代に社会現象的なブームにもなった。2015年に「1/1ミニ四駆実車化プロジェクト」がスタートして製作された1台だ。

乗車定員は1名で鈴鹿サーキットを走ったこともあり、最高速度は180km。ただあくまでもショーカーで速度やタイムを競うマシンではない。その証拠にリアにマウントされるエンジンは「ワーゲン・ビートル」に搭載されていた、水平対向4気筒OHV 1.6Lの空冷式で、ブレーキはドラム式と、本気になって走る仕様ではないのがわかる。

惜しいのはエンジンと後輪駆動だというところ。ミニ四駆と同じく、動力にはモーターを使用したEVとし、四輪駆動だと、リアル1/1ミニ四駆となるからだ。

バンパーにはミニ四駆が展示され、1/1とのサイズの比較ができる

希少価値が特に高いスーパーカーやレーシングカーが勢揃い

スーパーカーやレーシングカーの展示を行ったのは、スポーツカーのエンターテインメント集団のCARGUY。CARGUYの代表は、スーパーカーのTV番組に出演したり、SUPER耐久シリーズでは自らがドライバーとして参戦している、スーパーカー、レース好きには知られている有名人だ。

展示されたのは世界で24台しかない「アストンマーティン・ヴァルカン」を始め、「マクラーレン」「フェラーリ」「ランボルギーニ」「ポルシェ」という憧れのスーパーカーたち。さらに一人でも多くの人にスーパーカーの良さを体感させたいとの思いから、スーパーカーの同乗走行も公道を使って行われた。

一般公道を使った同乗走行会では、走行中の一般のドライバーもビックリ

展示している車両では、「フェラーリF50」「フェラーリF40」「フェラーリ488」「ランボルギーニ・ムルシエラゴ」「ランボルギーニ・アヴェンタドールSV」「ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ」「ポルシェ911GT3」などがエキゾーストノートを奏でていた。

中でも珍しいのがメルセデス・ベンツの「G63 AMG 6×6」だろう。展示だけでなく実際に公道で走らせていて、あまりの巨体に都内では力を持て余していたようだった。全長は約6メートル、車重約4トンの6輪駆動なのだが、メーカーの希望小売価格は8,000万円と、車体だけでなく価格もスーパーだ。

そのほかにも、ピットクルーによるタイヤ交換のパフォーマンスや、レーシングカーを押して軽さを体験したり、レーシングカーのシートに座らせてくれるなど、レーシングカーやスーパーカーを身近に感じることができた。

メルセデス・ベンツ最強モデルである「G63 AMG 6×6」の同乗走行は珍しい

 

CARGUYのピットクルーによるタイヤチェンジのパフォーマンスもあった

トヨタブースではレース車両や往年の名車も展示

トヨタブースでの展示を一部紹介すると、WEC(FIA世界耐久選手権)に参戦している「TS050 HYBRID」。2014年ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦した「86」。WRC参戦車両のレプリカである「Yaris(ヤリス)」。トヨタ初のスポーツカーであり、「トヨタ・スポーツ800(通称ヨタハチ)」が50年の歳月を経て復元させた「スポーツ800 GR CONCEPT」、ヴィッツGRMN(プロトタイプ)。

レースカー、スポーツカー、ノスタルジックカーなど、いろいろなカテゴリーのファンに刺さる内容だった。屋外展示だったが、天候にも恵まれ、また無料で誰でも参加できるとあって来場者は多かった。代々木公園でスポーツカーカルチャーを感じられた2日間だったが、来年も開催されるのであれば行ってみてはいかがだろうか。

鈴木 博之