一般的な企業の融資審査では、過去の事業の実績から融資の可否判断が行われますが、創業の場合は、これから起業するため過去の実績がありません。そこで、代わりにその人の履歴書情報から、今回のビジネスを行う上で必要な経験を積んでいるかどうか、お金の管理能力はどうかがチェックされます。

今回は「経営者の経験、能力、信用」についてお話しいたします。

どんな経験が評価されるのか

日本政策金融公庫であれば、今回の事業内容に関連する職歴が6年あることが一つの目安です。6年とまでいかなくても3年くらいは経験があることが求められます。最低でも1年くらいは経験していないと厳しい審査となります。全くの未経験だと門前払いに近い対応をされるのが通常です。

経験が大事とひと言でいっても、年数だけでなく、経験の中身も問われます。また、密度の濃い経験であればあるほど、評価は高くなります。

たとえば、小売店であれば、単なる販売員のアルバイト経験より、正社員として店長の経験があるほうが評価が高くなります。さらに店長でも、並の店長よりは、エリア1位とか、就任後1年で前年比130%の売上を達成したとか、社長賞を受賞したというような場合のほうが評価は高くなります。

どんな能力が問われるのか

ここでは、経営者としての資質があるかが問われます。具体的には、面談での態度で信用できる人物かどうかがチェックされます。

たとえば、面談での立ち居振る舞いや回答などが経営者として頼りないという印象であったり、回答内容に嘘偽りがあると見抜かれたりすれば、当然、減点の対象です。経営者としてこの事業を絶対に成功させるという覚悟があるかも面談で見定められます。

信用の評価で大事なのは何か

信用面で重要なのがお金の管理能力です。お金にだらしない人だと審査は突破できません。

審査では、社長個人の過去の銀行通帳の提出を求められ、税金、光熱費などの滞納がないか調べられます。また、カード会社や信販会社などの金融機関が共有する個人信用情報網で延滞実績やブラックリストに載っていないかが調べられます。

電話代を払わずによく電話を止められている、カードローンを組んで滞納があるなど、過去のことが原因で融資不可になる失敗事例も多くあります。起業・独立を決意した時点から、お金の管理は慎重にしましょう。

また資産背景の確認も入ります。これまでどれだけお金を貯めてきているか、不動産を持っているかなど、事業に入れないお金や担保にしない不動産でも、提示した方がプラスに働きます。コツコツ資産を形成してきた人は、将来を見据え、お金をしっかりと管理できる経営者と評価されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。創業融資の審査に通るためには、起業までにより密度の濃い経験を積むと同時に、お金の管理をしっかりし、コツコツと資産形成をしていくといいでしょう。

中野 裕哲