秋の行楽シーズン真っただ中。旅行や観光を楽しむという人も多いのではないでしょうか。一方で、すでに来年の旅の計画を立て始めている人もいるかもしれませんね。

オンライン宿泊予約サイト「Booking.com」の日本法人、ブッキング・ドットコム・ジャパンがこのほど2018年の旅行トレンドを発表しました。1億2,800万件以上のクチコミ、日本を含む26カ国・19,000人以上を対象にしたアンケート結果をもとに予想されたという「旅行業界8大トレンド」とはどのようなものなのでしょうか。

トレンド1 AIが計画立案、VRで「事前に旅を体感」!?

まず、2018年には行き先や宿泊施設を予約する前に、AI(人工知能)などを活用して下調べをする人が増えると予想。その背景にはAIが旅行計画を立てたり、問い合わせに回答することに対し、抵抗を持たない人が増えてきていることがあるようです。

また、行き先を決める前にバーチャルリアリティ(VR)などで疑似体験をしたいという回答も多く見られたといいます。AIが提案し、VR技術で「体感」してから行き先を決める――旅の計画の方法はこれからそんな風に変わっていくかもしれません。

トレンド2 一度は訪れたい場所へ。「バケットリスト」をかなえる旅

バケットリストとは、死ぬまでに一度は行きたい場所や、やりたいことのリストのこと。来年はこのバケットリストに基づいて旅をする人が増えると予想しています。

「モノ」よりも「体験」を求める人が増え「より記憶に残る旅行に行きたい」という欲求が高まる一方で、欲しいものがすぐに手に入る現代において「待つ」ことへの耐性が下がった結果、即行動に移る人が増えそうだということも予想の背景にあるようです。

トレンド3 あの場所へもう一度。「思い出を巡る旅」

今回のアンケートでは、世界のアンケート回答者の34%、日本人の21%が「2018年は子供のころに行った場所を再度訪れたい」と回答。特に18~34歳のミレニアル世代の日本人は、45%が「家族旅行で行った場所にもう一度行きたい」と回答し、これは世界の平均(44%)を上回ったということです。

懐かしい気持ちを味わったり、よい思い出の場所を別のメンバーでも共有したいという思いがあるのかもしれませんね。

トレンド4 ユーチューバーおすすめの場所へGO?「聖地巡礼」の旅も

旅行に限らず情報源が非常に多彩になった昨今ですが、2018年はテレビ番組、映画、スポーツ、SNSなどが持つ影響力がさらに増すと予想されています。

ユーチューバーなどのおすすめから計画を立てる人や、映画のロケ地などへの「巡礼」なども増えそうだとのこと。また、スポーツイベントの生観戦に興味を持つ人では、サッカーワールドカップ観戦のためのロシア行きを検討している人も多いようです。

トレンド5 そこで得られる「体験」を重要視する「美と健康の旅」

これまでに引き続き「美と健康の旅」の人気は2018年も続くと予想されています。人気があるキーワードは、ウォーキングやハイキング、スパやトリートメント、サイクリング、ウォータースポーツ、デトックス、ヨガなど。これも「体験」型の旅ともいえるかもしれません。

トレンド6 「コスパ重視旅」――でも日本人はあまり気にしない?

旅行で気になるのはコスパだという人もいるでしょう。アンケートでも為替レートを考慮したり、海外旅行で免税店を利用したり、自国よりも安い海外に買い物旅行をするという回答が多かったようです。ただ、意外にも(?)世界の旅行者に比べると日本人はコスパをあまり気にしない傾向も出たそうです。

一方、パッケージツアーではなく、アプリなどを駆使し、自分でカスタマイズしたお得な旅行をしようとする人は世界の回答者にも日本人にも多く、国を問わず「カスタマイズ化」を重要視する傾向が見てとれるということです。

トレンド7 思い出を共有したい人と行く「友達と思い出づくり旅」

誰と旅行に行くかという問いに対し、最も伸びが見られたのは「友達」だったといいます。仲の良い友達と楽しい思い出をつくるのが旅行目的だとするなら、やはりそれは旅行目的が「モノ」から「体験」へとシフトしていることを示すひとつの傾向だといえるでしょう。

ただ「友達と一緒だと一人では高いと感じる宿泊施設にも宿泊できる」という回答も多くあったそうです。経済的な理由も見え隠れしますね。

トレンド8 日本人はまだまだ抵抗あり?「バケーションレンタル旅」

トレンドの最後として、2018年は「バケーションレンタル(民泊を含む、長期滞在型宿泊施設)」の年にもなりそうだとも予想されています。ただし、世界と日本人の感覚には大きな違いがあるようです。

たとえば「別荘やアパートなどのバケーションレンタルに泊まりたい」と回答したのは、世界の33%に対し日本人はわずか8%。また「自分の部屋や別荘を宿泊予約サイトに掲載してみたい」と考えているのは、世界の21%に対し日本人は12%に留まっています。

まとめ

いかがでしたか? 実際にAIやVRだけに限らず、スマホアプリなどのテクノロジーの進化によっても、旅のスタイルは大きく変わっていきそうです。皆さんが来年してみたい旅行はこの中にありましたでしょうか?

参考:ブッキング・ドットコムが、2018年の「旅行業界8大トレンド」を予測(2017年10月25日)

LIMO編集部