株式投資に興味を持ち調べてみると「1年で1億円稼いだ」というような話が目を引く一方で「大損してどん底人生」という衝撃的な内容を目にすることもあります。そのため、株式投資には「大儲けか、破産か」といった極端なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、本来の株式投資は、地に足をつけた資産形成ができる手段です。ここでは株式投資を始めるための具体的な手順と着実にステップアップしていくためのコツをまとめました。

大損しないために守るべき2つの鉄則

株式投資を始めるとき、多くの方は「儲けたいことは儲けたいけれど、大損するのも怖い。徐々に経験を積み、着実にステップアップしたい」とお考えではないでしょうか。

実際に株式投資で最もよくないのは、二度と株式投資ができなくなるほどの大損をすることです。大損を回避し、実践を通じてノウハウを蓄積できるよう、次の2つの鉄則を守って始めてみましょう。

鉄則1:現物株の投資に徹する(先物や信用取引に手を出さない)

現物株投資は一般的な株式投資です。50万円の資金があれば、50万円までの株式を買うことができます。

一方、信用取引や先物取引は自己資金の何倍もの株式を買う投資手法です。自己資金を超える損失がでることもありえます。初心者は手を出さないのが鉄則です。

鉄則2:予算に上限を設定して少額から始める

株式投資に対する予算には上限を設定しましょう。例えば貯金の30%を株式投資にまわす、毎月1万円を株式投資にまわすといった具合です。「もし0円になっても生活に支障がなく、ストレスも大きくない金額」と考えるとよいでしょう。

また、上限設定をする前に少額の投資をしてみて、株を買ったときの自分の心の動きを確かめてみるのもよい方法です。こうすることで「買値から何%株価が下落したら売却するのがよいか」、自分の中での損切り、ロスカットのタイミングを体感できます。

株を始めるまでの流れ

資金の準備:株は5万円もあればいろいろ選べる

株式を買うのに大金は必要ありません。5万円もあれば、様々な企業の株式に投資することができます。2017年7月現在、約3,500社ある上場企業のうち約400社は5万円以内の予算で投資することができます。

証券口座は「手数料」「品揃え」「投資情報」のバランスで選ぶ

株式投資に証券口座は必須です。どこで口座を開設するか、証券会社選びのポイントは「手数料」「品揃え」「投資情報」、この3つのバランスです。

まず、初心者の取引頻度はそれほど多くはないでしょうから売買手数料はそこそこ安ければ十分です。きめ細かいアドバイスを受けたいということであれば、多少高くてもコンサルティングサービス付きの口座を選ぶのも一手です。

品揃えについては、日本株、IPO(新規公開株)、投資信託のラインナップが充実している証券会社を選ぶとよいでしょう。さらに、適切な投資情報を無料で提供してくれる、セミナーなどが充実しているところだと安心です。

証券口座開設から入金まで

大和証券の場合、「スマートフォン」「インターネット」「店舗」「資料取り寄せ」の4つから口座開設の申し込みができます。

インターネットの場合なら、画面に示される要領に沿って必要事項を入力し、ご自身で申込書を印刷するか、印刷された申込書を取り寄せ、これに署名・捺印のうえ、本人確認書類とマイナンバーをあわせて提出します。口座開設までは最短で3日(自分で申込書を印刷した場合)~2週間(印刷された申込書を取り寄せた場合)となっています。

証券会社の口座開設が完了したら、すぐに投資資金を入金しておきましょう。株を買うチャンスは急に来るかもしれないからです。

>>豊富な情報収集ツールと手厚いサポートが特徴。大和証券の口座開設はこちら。

「特定口座・源泉あり」「特定口座・源泉なし」、どう選ぶ?

口座開設時に迷うとすれば「特定口座」の開設です。特定口座とは、取引証券会社が顧客の1年間の取引の結果を「年間取引報告書」にまとめ、損益計算してくれる口座のことです。

株で利益が出た場合、税金(2017年7月現在、利益の20.315%)を支払います。確定申告が面倒だという人は、利益が出るたびに源泉徴収される「特定口座・源泉あり」を選ぶとよいでしょう。一方「特定口座・源泉なし」では、証券会社から送付される取引明細を使って自ら確定申告をします。

株の選び方、買い方、売り方

株の選び方:まずは身近な企業から探そう

いよいよ投資する銘柄探しです。しかし、上場企業は約3,500社。どの銘柄に投資していいのか迷いますよね。そこで、まずはみなさんの身近にあって、興味がわくもの、好きなものを事業にしている会社(銘柄)を調べてみるのがおすすめです。

買いたい銘柄が出てきたら、口座を開設した証券会社のサイトなどで会社の業績をチェックし、将来の利益の伸びをイメージしたうえで、投資するかどうかを決めます。

その際、企業のホームページもチェックしてください。「投資家情報」「IR」ページにある経営者のメッセージや、個人投資家向けのページがあれば目を通してみましょう。

企業のホームページでの情報収集に加え、証券会社から情報をもらうという方法もおすすめです。証券会社のサイトでは、証券アナリストが分析したレポートを無料で読むことができたり、日経テレコンによる情報収集が無料でできたりと、個人投資家にとってありがたいサービスがついています。また、無料のオンラインセミナー等も頻繁に開催されているので、株式投資の初心者が知識を養うのにもうってつけです。

>>ニュース・日経テレコン21(大和証券版)

>>大和証券ホームページ「学ぶ・セミナー」

買い注文:「種類」「価格」「量」の3つを決めて注文する

どの株を買うかが決まったらいよいよ買い注文です。

買い注文の前に決めることは「種類」「量」「価格」の3つ。つまり「どの会社の株を」「何株」「いくらで買うか」です。ちなみに株の場合は、最低限購入しなければならない株数の単位が銘柄ごとに決められています。「1単元(単元株)」は、100株単位か、1,000株単位です(2018年10月1日までに1単元=100株に統一される方向性が東京証券取引所など全国の証券取引所から示されています)。また、1単元の株式を購入するのに必要な資金が「最低投資額」です。

例えばイオン(証券コード8267)の株を1,650円/株(単元株:100株、最低投資額:165,000円)で買いたいと決めているときは「買いたい値段=指値(さしね)」で注文します。一方、イオン株を手に入れることが最優先で金額はその「場」の流れにまかせて1,700円/株でも1,750円/株でもOK、ということなら「成行(なりゆき)注文」です。なお、指値での注文の場合、株価と希望した価格とが合わない場合には買うことができませんので注意が必要です。

オンラインでの買い注文なら、画面上で購入する銘柄、価格(指値か成行か)、数量を入力して完了です。

売り注文:「時期」、「価格」、「量」を決める

もし保有してきた株を売る場合は、「いつ」「いくらで」「何株」売るかを決めます。特に売るタイミングはとても重要です。

保有している銘柄の株価がまだ上昇基調にあるなら、急いで売る必要はありませんが、ちょうど高値圏にあるなら売り時と考えられます。タイミングを逃さないようにリターンを得ることが大切です。

万が一、既に下落基調に入ってしまったと判断される場合は、下落トレンドが早期に終結するのか、長期化するのかを考えます。下落トレンドが長期化しそうな場合は自分で決めた損切りルールに従って売却を決めましょう。

売却したい具体的な価格が決まっていれば「指値」で注文します。その時々の市場の取引価格で問題なければ「成行」で注文することになります。これは株を買う時と同じです。

注意したいのは指値での売り注文です。買う時と同様、株価と希望した価格とが合わない場合には売ることができません。特に株価が下落トレンドにある場合、指値で売りたくてもどんどん値段が下がって売ることができず、傷口を大きく広げてしまうということが起こりえます。必ず売却したい場合は、成行で注文を出すことが大損をしない秘訣です。

オンラインでの売り注文なら、画面上で売却する銘柄、数量、価格(指値か成行か)を入力して完了です。

なお、買い注文、売り注文が執行されて売買が成立することを「約定(やくじょう)」といいます。おぼえておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。株式投資の一連の流れとポイントをご紹介しました。株を売った時は次の株式投資のスタートです。今までのプロセス(時期、価格、株数)を検証して次の成功への足がかりにしましょう。こうして「大負け」を回避しつつ経験を積み続けることで、きっと株式投資による資産形成が進むはずです。ぜひチャレンジしてみてください。

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