電力会社と地方自治体公務員の年収比較

今度は、電力会社と公務員の年収を比較してみましょう。

例えば、中国電力の本社がある広島県はどうでしょうか。2015年の総務省が開示している「平成27年地方公務員給与の実態」をもとに広島県職員の年収を算出すると、平均年齢43.2歳で平均年収677万円となっています。一方、中国電力の平均年齢が43.6歳で平均年収が777万円です。同じ平均年齢で中国電力は広島県職員と比較すると年収で100万円ほど上回っています。

また、九州電力の本社がある福岡県はどうでしょうか。福岡県職員の平均年齢43.6歳で平均年収686万円となっています。九州電力の平均年齢は42.6歳で平均年収は758万円です。

こうしてみると、電力会社は事業基盤が確立されていることもあり、地方自治体の公務員よりも同程度の平均年齢でありながら高収入であることが分かります。また、電力会社は、年収以外にも福利厚生も充実している場合もありますから、待遇は今回見てきた数値以上に地方自治体の公務員よりも恵まれているのかもしれません。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。今回は電力会社の平均年齢や平均年収を見てきました。地方では有力企業として存在感のある電力会社ですが、彼らを取り巻く経営環境は安泰かというとそうとも言い切れません。東日本大震災以降の日本のエネルギーミックス(エネルギー構成)をどうするのかという点に関しては今後も議論は続きそうです。

現在は全国の原子力発電所のほとんどは稼働を停止していますが、これらの再稼働や廃炉はどうするのか、その一方で、再生可能エネルギーの取り扱いや化石燃料調達における地政学的リスクなど、電力会社の経営者だけで判断しきれない要因も多数あります。こうした環境の中で電力会社の従業員の平均年収などを考える際には、電力会社としての収益性に注目していく必要性があります。

LIMO編集部