各地域で一目置かれる就職先といえば、どこでしょうか。工場を持ち、従業員を多く雇用している製造業であったり、電力会社や公務員だとお考えの方も多いのではないでしょうか。今回は、直近の決算資料から電力会社(単体)の平均年齢と平均年収を分析してみました。

地元の有力な就職先である電力会社

地元を離れ首都圏に進学しても、大学卒業後は地元の電力会社に就職をするというケースもよく見かけます。そうしたことから、各地域の有力企業といえば、給与や待遇面などを考えると地元で最も有力な企業といえば電力会社という人も多いのではないでしょうか。

下図は、国内の電力会社計11社(北海道電力(9509)、東北電力(9506)、東京電力ホールディングス(9501)、北陸電力(9505)、中部電力(9502)、関西電力(9503)、中国電力(9504)、四国電力(9507)、九州電力(9508)、沖縄電力(9511)、電源開発(9513))の平均年齢と平均年収を投信1編集部データ分析室で算出し、プロットしたものです。

11社の単純平均では、平均年齢42.3歳で平均年収744万円となります。また、各社の従業員数で加重平均を算出した場合には、平均年齢42.7歳で平均年収740万円となります。

この表から注目すべきポイントをハイライトしていきましょう。

まず、東京電力ホールディングス(東京電力HD)は平均年齢、平均年収ともに高いことが分かります。ただし、東京電力HDは、同ホールディングスの従業員についての平均年齢と平均年収となっており、他の電力会社とは算出のベースが異なっていることには注意が必要です。東京電力フュエル&パワー、東京電力パワーグリッド、東京電力エネジーパートナーは含まれていません。その結果、平均年齢は44.7歳と11社平均よりも高くなり、平均年収も822万円と11社の平均よりも大きく高く出ています。

次いで注目すべきは沖縄電力です。平均年齢が38.8歳と39歳を割り込み、11社平均を大きく下回っています。その一方、平均年収は750万円に及び、全国平均を上回っています。沖縄電力は原子力発電所を持っていないのが特徴的ですが、全国平均と比較し、従業員の平均年齢は若く給与も高いという結果となっています。

関西電力は、平均年齢が42.7歳とほぼ全国平均水準である一方、平均年収は682万円と全国平均を8%程度下回っています。関西電力は2010年度では原子力発電比率が全体の44%もあり、他の電力会社と比較すると原子力発電比率が高いことで知られていました。今後の原子力発電所の稼働状況次第でどのように変化してくるか、注目です。