7月10日の「納豆の日」は関西発!?

昨日、7月10日は「納豆の日」でした。ご存知でしたか?

7月10日を語呂合わせで「なっ(7)とう(10)」としたのは容易に想像がつきますが、意外なことは、この「納豆の日」を制定したのが、一昔前は“納豆不毛の地”とまで言われた関西にある「関西納豆工業協同組合」ということでしょう。

1981年、関西での納豆消費拡大のために制定し、その後1992年に組織再編でできた「全国納豆協同組合連合会」が改めて「納豆の日」として制定しています。

現在でも納豆のPRキャンペーンを積極的に行っており、「ミス納豆」の選出だけでなく、毎年芸能人を「納豆クイーン」「納豆キング」に選び、広く納豆の認知度を高めようとしています。

過去には上戸彩さん(2004年)も納豆クイーンを務めており、その後に大ブレイクしたのはご存知の通りです。

納豆が持つ数多くの健康栄養成分とは

さて、ご存知の方も多いとは思いますが、納豆という食品について簡単に説明しましょう。

納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた発酵食品です。私たちの身の回りには数多くの発酵食品がありますが、その中でも代表的な1つと言えましょう。

納豆の特徴は、何といってもその栄養面と健康効果です。納豆が持つ主な健康栄養要素は、

  • イソフラボン(免疫力増強作用・ホルモンバランス正常化作用)
  • レシチン(整腸・ダイエット・疲労回復・抗菌殺菌効果)
  • 亜鉛(整腸・ダイエット・抗潰瘍効果)
  • サポニン(抗菌・殺菌・美容美肌・高血圧・血栓予防)
  • タンパク質(骨の健康・更年期障害予防)
  • カルシウム(骨の健康・抗潰瘍)
  • マグネシウム(美容美肌・抗潰瘍・抗菌殺菌効果)
  • 食物繊維(美容美肌・糖尿病・中性脂肪・コレステロール値制御)

などが分かっており、既に代表的な健康食とも言えるのです。何だか、納豆さえ食べていれば一生健康で過ごせるのではないか、とさえ思ってしまいます。

特に、上記の効果等を見てお分かりの通り、女性にとっては見逃すことができない成分が多く含まれています。

近年大きな注目を集めているポリアミン効果とは?

そして近年、納豆が持つ健康効果で大きな注目を集めているのが、“ポリアミン効果”です。これは、納豆に含まれるポリアミンが、老化と動脈硬化の予防に大きな効果があるというものです。

元々、人体にはポリアミンが存在しますが、加齢とともに減少していくことが知られています。納豆は、そのポリアミンを多く含む代表的な食品であるとされ、最近は様々な医学学会において、納豆やチーズがもつポリアミンがもたらす健康効果、とりわけ動脈硬化の予防効果が発表されています。

健康ブームも追い風となり納豆の市場規模は拡大中

このように、様々な面で健康増進に役立つとされる納豆を食べない手はあるでしょうか? しかも、食品スーパーなどで市販されている納豆は非常に安価であり、いつでも簡単に入手することができるのです。

それを示すかのように、近年は納豆の市場規模も拡大し、現在は年間約2,000億円と見られています。特に、前述したように女性の購入が増えていることが様々な調査で判明しています。

納豆が嫌いな人も少なくない、その大きな理由とは?

しかし、納豆が嫌いな人、食べられない人が少なくないのも事実です。前掲した全国納豆協同組合連合会が「納豆を食べない理由」を調査した結果(複数回答)、「昔から食べる習慣がない」(40.6%)を除いた上位3位は、「ねばねばした食感が嫌い」が26.8%、「味が嫌い」が29.6%、「臭いが嫌い」が47.4%となっています。

なお、近年増加が堅調となっている訪日外国人観光客を対象に行った「嫌いな日本食は?」というアンケート調査でも、生卵やホルモンを押さえ、納豆が“堂々の”第1位になったという結果もあります。

関西で納豆を食べない人が多い理由は謎のまま

一方、納豆を食べない理由で「昔から食べる習慣がない」が相当数あったことも注目です。本当に一度も食べたことがないのかどうか分かりませんが、一度トライする価値は十分あるでしょう。

ちなみに、同じく実施した「納豆を食べる頻度」の調査結果によれば、「全く食べない」と答えた比率を地域ごとに見ると、近畿地方が23.1%で第1位となり、第2位の中国四国地域の18.0%を大きく引き離しています。しかし、なぜ関西では納豆をあまり食べないのか、その謎は残ったままです。

昨日で「納豆の日」に関するイベントは終わりましたが、それとは関係なく、納豆は健康にいいとされる成分を非常に多く含む食品です。納豆が好きな人も嫌いな人も、そして、今まで一度も食べたことがない人も、改めてその味と臭いを堪能してみてはいかがでしょうか。

参考:「納豆に関する調査 2017年6月」(全国納豆協同組合連合会)

LIMO編集部