公益財団法人日本生産性本部は6月20日、「第4回職場のコミュニケーションに関する意識調査」の結果を公表した。

これは、日本生産性本部が昨年6月から今年3月までに行った階層別公開セミナー等の受講した管理職層と一般社員を対象に実施したもの。課長職のみの回答662件、一般社員ののうち入社2年目から係長・主任・職場リーダークラスまでの1,448件を抽出し、「職場環境」「仕事への取組み」「業務上のコミュニケーション」「会社(組織)の経営方針・理念」「グローバル化」について比較分析している。

「職場でのいたわりや助け合い」については、課長職の81.7%、一般社員の72.7%が「ある方だ」と回答したほか、職場内のコミュニケーションについても、課長職の82.5%、一般社員の78.9%が「取れていると思う」と回答するなど、良好な職場での人間関係がみてとれる。

また、仕事に対する意欲についても一般社員の81.3%が「率先して仕事に取り組んでいる方だと思う」と回答。課長職の75.7%も「部下のやる気を感じる」とした。

一方、課長職のうち、54.8%は「部下または後輩の仕事ぶりに満足していない」、63.1%が「仕事における部下または後輩の将来に不安を感じている」とも回答。また、会社や組織の方針や理念への理解についても一般社員の78.2%が「理解している」と回答しているのに対し、部下に「浸透している」と回答した課長職は43.2%にとどまり、認識の違いが浮き彫りになった格好だ。

風通しの良い職場で意欲的に仕事に向き合い、会社の理念に対する理解も十分だと自信を持つ部下に対し、意欲は買っているものの、本当に理念が理解できているのか、将来ちゃんと任せられるのかと不安を覚える上司――このアンケート結果からはそんな構図が垣間見えてくる。

LIMO編集部