日経平均株価が2015年12月以来、1年半ぶりに2万円の大台へ

2017年6月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より317円25銭高の20,177円28銭となりました。終値ベースで2万円を超えたのは2015年12月1日(20,012円)以来です。

背景には、米国での株高があります。1日の米株式市場では、朝方に発表された5月のADP全米雇用リポートの結果が堅調だったことなどを受けて、ダウ工業株30種平均米が3か月ぶりに過去最高値を更新。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数も過去最高値を更新しました。

ドルが買われ、円が売られたことから、1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反落しました。

前日の米株高や円安を好感し、2日は午前10時前には一時、2万円を上回り、前引けも20,139円となりました。

これまでも米株高や円安の場面は何度もあったのですが、そのたびに、2万円直前で戻り売りの圧力がかかっていました。

もともと、国内企業の決算などから見ると、日本経済のファンダメンタルズは悪くはありません。為替相場が業績に影響を与えるとされ、為替レートに一喜一憂するような状況が続いていましたが、円高傾向になってもしっかりと利益を出していることから、割安感も指摘されていました。

今回は、海外勢を中心に、自動車などの輸出関連、資源関連、金融などの景気敏感株が幅広く買われました。2日の東証1部の売買代金は概算で3兆2,232億円と大商いでした。

今後の今後の展開はどうなるでしょうか。米株はさらに上を目指す展開になりそうです。2日に発表された5月の米雇用統計で雇用者数の増加は市場予想を下回ったものの、失業率は低下しました。これを受けてダウ平均は前日に続いて過去最高値を更新しました。トランプ政権の先行き不透明感などはあるものの、足元の景気が拡大していることから、投資家のリスク資産への資金流入が進むと考えられます。

25日移動平均線にサポートされ、大きく反発

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初は軟調に始まりました。ただ、29日のローソク足の実体は短く、30日も下ひげの長い足となりました。下げの勢いが弱く、反発が予想される局面です。

実際に、31日は安値を更新せず、はらみ足になりました。その後、25日移動平均線にサポートされる形で反発し、1日、2日と長い陽線になりました。2日には大きく窓を空けて上昇しています。

2万円台が維持できれば、22,000円あたりまで視野は広い