トランプ新政権への期待から、米ダウ平均が2万ドルを突破

2017年1月27日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より65円01銭高の19,467円40銭となりました。3日続伸です。

25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が一時、2万ドルを初めて上回りました。ダウ平均は26日も過去最高値を更新し、終値は20,100ドル91セントとなりました。27日も2万ドル台を維持し、20,093ドル78セントで終えています。

背景には、トランプ新政権の減税や規制緩和、財政刺激策などが米国の景気回復につながるのではないかという期待があります。為替市場でもドルが買われ、円が売られる動きになっています。27日のニューヨーク外国為替市場では一時、1ドル=115円40銭前後まで円安になりました。その後は若干買い戻されましたが、1ドル=115円10銭前後で終えています。

日経平均もこれらの動きを受けて、強気の展開となりました。週初には19,000円台を割り込む動きとなりましたが、25日には再度19,000円台を回復し、1月6日以来の19,400円台に乗せました。

来週の動きはどうなるでしょうか。気になるのはやはりトランプ氏の言動です。23日の東京市場はトランプ氏が大統領就任後始めての取引となりましたが、19,000円割れは、「米国第一主義」の主張などを懸念するものでした。

原油パイプライン建設の推進などの大統領令に署名する一方で、メキシコとの国境沿いの「壁」建設に関する大統領令にも署名しています。今後も、トランプ氏に株価が振り回されることになりそうです。

国内では来週あたりから決算発表が本格化します。円安・ドル高が進行していることから、業績の上方修正にも期待できそうです。個別の銘柄を物色したいところです。

東芝の米原子力事業での損失が最大7,000億円規模に膨らむ可能性があるとも言われています。27日には半導体メモリー事業を会社分割により分社すると発表しました。今後の展開にも注目が集まっています。

参考:3月末債務超過回避の意志を表明した東芝。しかし楽観視は時期尚早

25日移動平均線を上回り、再度上昇トレンドへ

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。20日の終値が25日移動平均線に届かず、週初23日、24日も、25日移動平均線に上値を押さえられるように価格が下がってきました。

このまま、直近の安値である1月18日の安値(18,650円)を下回ることになると、いよいよ下降トレンドが確実になるところでしたが、その手前で反発すると、25日には5日移動平均線を突破。さらに26日には窓を開けて25日移動平均線も超えました。

19,600円前後上値抵抗線を超えられるかどうかが、2万円台の鍵を握る

来週の動きはどうなるでしょうか。25日移動平均線を超えチャートの形は上昇トレンドが確認されました。短期的にも中期的にも目線は上でいいでしょう。ただ、週末は上値が重くローソク足が十字のように短くなりました。25日移動平均線まで、若干の調整があるかもしれませんが押し目買いのチャンスでもあります。

その場合の上値の目標はどのあたりになるでしょうか。一つのポイントは1月5日の高値(19,615円)を超えられるかどうかです。昨年の12月21日の高値(19,592円)もこのあたりで上値を抑えられています。目先の上値抵抗線と言えます。ここを超えると、節目としては2015年12月1日の高値(20,012円)ぐらいで、するすると2万円まで上昇する可能性があります。

その点では、19,600円前後を超えられるかどうかが、2万円台の鍵を握ると言えるでしょう。逆に、このあたりで再度跳ね返され、25日移動平均線も割るような動きなれば、注意が必要です。その場合には、今週の窓埋めとなる19,100円、さらには18,900円あたりが下値めどになります。

下原 一晃