日経平均は小幅に続落。連休前で様子見傾向

2016年12月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より16円82銭安の19,427円67銭となりました。

21日には米ダウ工業株30種平均が反落しました。最高値更新が続いていましたが、過熱感から上昇一服といったところです。クリスマス休暇前の持ち高調整の売りも進んだと考えられます。

東京市場も、海外勢がクリスマス休暇に入っていることから参加も少なかったようです。3連休を前に様子見傾向の投資家が多く、売買も低調でした。東証1部の売買代金は2兆1,500億円あまりにとどまりました。

新年まであと1週間。来年の相場の行方を占う記事もあちこちで見られます。トランプ氏が大統領に就任する1月20日以降も「トランプ相場」が続くのか、気になるところです。日本の株式市場にとっては、米株式市場、為替(米利上げ)の動向もやはりポイントになるでしょう。

23日の米株式市場では、クリスマス休暇前とはいうものの、ダウは3日ぶりに反発し、前日比14ドル93セント高の19,933ドル81セントで終えています。20,000ドルを前に足踏みが続いていますが、23日には7~9月期の実質国内総生産(GDP)確定値が上方修正されたことなどから、引き続き株高への期待感が強くなっています。「2万ドル超え」で新年を迎えることができるのか注目したいところです。

「2万超え」への期待は日経平均も同様で、海外勢がクリスマス休暇明けにより市場に戻ってくると、大納会に向けた「掉尾(とうび)の一振」による20,000円超えも期待されています。

ただし、26日はクリスマス休暇の振替休日のため、欧州、米国などの市場が休場になります。流動性が下がることも考えられます。急な値動きには注意したいところです。

チャートの形は引き続き上昇トレンドを示すが、高値圏の懸念も

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。5日移動平均線に下値を支えられて上昇していく形が続いています。25日移動平均線、75日移動平均線ともに上向きで、さらに、実際の価格も含めて3本の値が扇状に広がってきています。典型的な上昇トレンドの形です。

ただ、22日には窓をあけて寄りついたものの、けっきょく反落して引けました。22日には動きは小幅ではありますが、5日移動平均線を下回って終えました。高値圏で、上値が重い展開が続いているのは少し心配なところです。

5日移動平均線に支えられるなら大納会に向け2万円超えの期待も

来週の動きはどうなるでしょうか。判断のポイントはまず、5日移動平均線にサポートされるかどうかです。形としては12月上旬の18,500円あたりの動きと似ています。このときも、5日移動平均線をローソク足の実体が下回り、「いよいよ天井か」と思わせました。しかし、実際にはその後、そこから反発し、19,000円台まで急上昇しました。

来週、5日移動平均線で反発すれば、20,000円や、2015年12月1日の高値(20,012円)まで、すっと上昇する可能性もあります。

逆に、懸念されるのは、今週の下値である19,350円あたりで上値を抑えられる形になることです。そうすると上値、下値ともに切り下がる展開になり、足元での上昇トレンドが終わることになります。

ただ、それでも、目先の節目である19,000円や25日移動平均線でサポートされると考えられます。若干の調整が入っても、トランプ相場の「乗り遅れ組」からは押し目買いの好機と見た買いが進むでしょう。

基調としては、少なくとも1月20日までは目線を上に持って望みたいところです。当面の目標は、2015年6月24日の20,952円あたりになるでしょう。

下原 一晃