消費が伸びないのは可処分所得が減っているから

総務省が2016年9月30日に発表した8月の家計調査では、消費支出(2人以上の世帯の1世帯あたり)は27万6,338円と、前年比で▲4.6%減となりました(物価変動の影響を除いた実質ベース)。これで6か月連続の前年割れです。

「なぜ消費が弱いのか」に関しては、年齢、職業、家族構成など様々な要因があると思いますが、よく耳にする答えは、「可処分所得が減っているから」というものです。

可処分所得とは、個人の家計収入から、支払を義務付けられている税金や社会保険料など非消費支出を除いたものです。つまり、家計の判断で自由に使えるお金ということになりますが、これが増えていないことが消費の弱さの大きな要因となっているのです。

実際、総務省が2016年2月16日に発表した「家計調査報告(家計収支編) 2015年版」から過去の推移を見てみると、可処分所得(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)は、2005年に44万1,156円だったものが2015年には42万7,270円と、約1万4,000円減少しています。

一方、この間、実収入は2005年の52万4,585円から2015年には52万5,669円にわずかながら増加していますので、社会保障費などの「非消費支出」が可処分所得を圧迫していることが読み取れます。

豊かさを味わうために何ができるか

では、こうした世の中で暮らしを豊かにしていくためには何ができるでしょうか。

もちろん、単純に”豊かさ=お金”ではありませんし、消費の増加のみが豊かさに結びつくというものでもありませんが、ここでは議論を単純化するめに、あえて”実収入のアップ=消費の増加=幸福度アップ”という前提で話を進めていきます。

今後、日本ではますます高齢化が進むので、社会保障費の減少は望み薄です。そのため、消費を増やして豊かさを感じるためには、実収入を増やすか、「家計の黒字」を減らす以外にはないということになります。総務省のデータによると2015年の消費支出は28万7,373円で、可処分所得との差額、つまり家計の黒字は約14万円にも達しています。

とはいえ、給料は簡単には増えません。また、将来が不安なので銀行預金や生命保険もやめるわけにはいかず、家計の黒字を消費に回すことは簡単にはできません。そこで、こうした袋小路から抜け出すための1つのアイデアが、家計の黒字の活用方法の中に株式投資を加えることです。

つまり、家計の黒字というお金に働いてもらうことで、実収入を増やし、消費も増やすのです。

まとめ

もちろん、株式投資は元本割れというリスクがありますので十分な準備(勉強)が必要ですが、勉強は、株式投資初心者向けのインターネットの記事や、株式投資経験者の意見などを参考にすることで、誰でも始めることができます。

また、いきなり大きな値上がり益を追求するのではなく、株主優待制度を活用してお得にほしいものを手に入れ、企業の製品やサービスを身近に感じてから本格的にスタートするのも良いかもしれません。

可処分所得が増えないと嘆くだけではなく、考え方を変え勉強をして、株式投資で家計の実収入を増やし、暮らしを豊かなものにしていきましょう。

 

LIMO編集部