小学校の図工といえば、図工室に関わる学校の七不思議や版画の作成、そして水彩絵の具の緑色がなぜかビリジアンという名前、といったことを思い出す方もいらっしゃることでしょう。

昭和や平成初期の小学校の図工では、先生から渡された材料を使うことがほとんどでしたが、今の小学校では事情が違うようです。基本的な材料以外は生徒各自が用意するなど、家庭任せな面もあります。

そこで今回は、材料集めが必要な最近の図工に関する話を紹介したいと思います。

細かい図工の材料は子ども任せ! 100均に慌てて行くことも

当時小学1年生だった一番上の子が「明日図工でキラキラとしたものを使う」と夕飯の支度で忙しい筆者に、突然訴えてきました。最初、授業内容を教えてくれたのだと思ったのですが、どうも違います。

話をよく聞くと、「キラキラしたビーズなどを持ってくるように」と先生から言われていたのです。図工といえば、材料は全て学校が準備をするものと考えていた筆者は慌て、とりあえず夕飯の準備を急いで済ませて近所の100均に走りました。

子供の話を整理すると「キラキラの世界を表現する工作をするのでビーズが最適」と先生から説明を受けたそうです。図工の材料を各自が持参するものなのかと疑問に思いつつ、ビーズなどを購入したり家にあるボタンを何個か用意し、子供に渡しました。

近所のママさんに話を聞くと、やはり筆者と同じような思いを抱いている方がほとんどでした。「最低限の材料しか学校は用意しない」「作品の見栄えを良くするには材料多い方が得なのでは」と口々に言っていました。

材料の交換禁止かどうかは先生による

材料をたくさん持たせたけれど、クラスメイトに取られて結局自分で使えない、というケースもあるかもしれません。筆者の子供達の話によると、担任の先生によって方針が異なります。

1年生の頃は同意があれば交換OKでしたが、2年生以降は交換禁止の考えを持つ先生が担任になっています。周囲のママさんに聞いてみても、交換禁止派が増えてきているようです。生徒同士の力関係により、良い材料を無理やり交換させられるなどのトラブルが発生するのを避けるためなのでしょう。

子供にとって材料は「隣の芝生は青く見える」です。先生から交換を禁止されていなければ、作品には必要ない材料も欲しくなる可能性も出てきます。自分が持ってきた材料だけで作品を作るよう説明を受けていれば、必要のないトラブルも回避できるので、親としては交換禁止の方が安心できます。

材料が多すぎることの弊害はあるのか

では材料が多いと作品の出来が良くなるのでしょうか。筆者の子供達は材料をたくさん持っていきたがりますし、そうすることで自分が表現したいことを作品に投影できると考えているようでした。