2019年9月3日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、Abalance株式会社2019年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料①
IR資料②

スピーカー:Abalance株式会社 代表取締役社長 光行康明 氏

Ⅰ-1.沿革

光行康明氏:本日はお忙しいなか、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。私はAbalanceの社長をしています、光行康明でございます。どうぞよろしくお願いします。

あまり私どもの名前が知られていないということもありますので、今回は会社の概要や主要事業などを簡単にご説明してから、決算および我々の成長戦略についてご説明いたします。

まず、会社の概要についてです。我々の会社は、2000年4月にITの会社として設立しました。たまたまITのブームに乗って非常に業況がよかったこともあり、2007年9月にマザーズに上場しました。

その後、2011年にかけて、現在の主力である再生エネルギーのWWB株式会社と株式交換をしました。WWB株式会社は、当時、建機と再生エネルギーと太陽光を主業としていました。

その後、2017年に同じく太陽光を主業とする株式会社バローズという会社を子会社化し、現在のAbalance株式会社に名前を変えました。そして、昨年(2018年)11月に、マザーズから東証2部に市場変更をいたしました。

今年(2019年)1月には、(WWB株式会社が)光触媒酸化チタンコーティングの会社である株式会社鯤コーポレーションを子会社化いたしました。株式会社鯤コーポレーションは、現在は日本光触媒センター株式会社という社名に変わっています。

そして、(2019年2月に)大型のプロジェクトがスタートしました。18.3メガワットという非常に大きいプロジェクトで、プロジェクトファイナンスとしてはおよそ50億円という規模のものを、現在建設中です。

Ⅰ-2.会社概要

先ほどの説明と少し重複しますが、主たる事業についてご説明します。Abalance社自体は、設立当時からIT事業を展開してきたということで、ITの部門を持っています。

そして現在では、WWB株式会社という太陽光の主力を担っている会社をはじめ、約20社を傘下に置き、どちらかというとホールディングカンパニーのような役割をしています。主に企画・経理・総務・人事といったもの子会社の管理の部分を一括して、いろいろとマネージしている会社です。資本金は7億円ですが、株主資本としては約20億円です。

Ⅰ-3.ビジョン

「Excellent Creative Company」というビジョンの下、1番目に太陽光を含めたグリーンエネルギー、2番目にIT、3番目に建設機械によって、社会に貢献いたします。最近ではさらに広げて、「グローバルに社会貢献をしていくこと」をビジョンとして掲げ、その下で戦略などの実際の重点施策を置いています。

Ⅰ-4.主なグループ会社

主なグループ会社です。(スライドの)一番上のAbalance株式会社が、いってみればホールディングカンパニーで、ここが上場会社となっています。

その下に、太陽光を大きくまとめているWWB株式会社があります。「WW」とは「Win-Win」ということで、我々とお客さまの双方に利益が生まれるように、「三方良し」という発想で名前を付けた会社です。

そして、先ほど申し上げたように、WWB株式会社が2年前に株式会社バローズを買収しています。株式会社バローズは、WWB株式会社と同じような業容です。また、ここ(スライド)にある、日本光触媒センター株式会社は、チタンコーティングの会社です。

本日しっかり説明していきたいと思っているのが、VIETNAM SUNERGY COMPANY LIMITEDという会社です。こちらはベトナムにある会社で、モジュールを制作しています。我々は、VSUNという略称で呼んでいます。設立からわずか4年ですが、非常に順調に進んでおります。後ほどご説明しますが、Bloomberg NEFの40社に入り込んでおり、非常に成長著しい会社です。

Ⅱ-1.主要事業

次に、主要事業について簡単にご説明いたします。我々はグリーンエネルギー事業を主軸としており、昨年の決算では、売上の90パーセント弱をグリーンエネルギーが占めていました。そして、建機(の売上)が約6億円と、約10パーセント。ITは、歴史は長いですし、これからに大きく期待はしていますが、この時点では1億7,000万円、2.8パーセントという売上です。

この3つの事業が、グリーンエネルギーを中心に、それぞれ独立に機能しながらも、非常に有機的にシナジーを効かせて、総合的な光エネルギーの会社を形成しています。

Ⅱ-2.グリーンエネルギー事業①

昨年(2018年)、「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定がされました。これは、適正なエネルギーミックスについて、2030年のベースで、これからの行く末を示唆した政策です。

グリーンエネルギー(の比率)につきましては、2017年度が16パーセントで、現在はすでに17~18パーセントになっていますが、これを(2030年度には)22~24パーセントにするということで、国の政策としても、再生可能エネルギーの導入拡大により継続性を確保していこうという大きな方針がございます。

(日本では)国民負担がだいぶ大きくなっている一方、(世界的には再生可能エネルギーの発電)コストが非常に安くなっているということもありますので、FIT制度(固定価格買取制度)についても大きな転換点に来ていて、買取価格の引き下げや入札制度の導入が大きな道筋になっています。

Ⅱ-2.グリーンエネルギー事業②

いま申し上げたように、グリーンエネルギーは我々の中心です。最初のIDを取るところから最後の製品ができあがるまで、企画・開発・設計・調達・工事、そしてその後のO&Mまで、すべてワンストップでできるということが1つの特色です。そして、最近では海外進出に非常に力を入れています。とくにベトナムです。

(スライドに)「グループ内に、パネルメーカー保有」とありますが、これが先ほど申し上げたベトナムのVIETNAM SUNERGY COMPANY LIMITED(VSUN)という会社です。こちらがパネルメーカーで、超薄型でビニールハウスの上(に設置できるもの)など、いろいろな企画・製品を出しています。

また、米中の貿易戦争を受けて、これまではモジュールメーカーのトップ20くらいまではすべて中国でしたが、この部分が大きくベトナム(へ移ってきています)。ベトナムではこの(VSUN)1社だけが、先ほど申し上げたBloomberg NEFの40社の中に入っています。

Ⅱ-2.グリーンエネルギー事業③

IPP(Independent Power Producer)として、我々が電力会社になるということを、将来のビジネスモデルの1つの大きな柱としていきたい(と考えています)。単に(電力を)売って終わりではなく、FIT制度ですと20年間(は買取価格が保証されるため)、収益確保を望めるということもありますので、ストックビジネスに移行していきたいと考えています。

現在は、(宮城県)角田市という仙台市の少し南にある市に、我々が注力している建設中の案件がございます。着工が2019年3月で、2021年3月に売電開始というスケジュールになっています。発電の規模は18.3メガワットで、そこそこ大きいです。

また、FIT制度の売電価格について、現在は14円になろうとしているところですが、(こちらの案件は)最初の2年目くらいの入り口で非常によいIDを取っていまして、(売電固定価格が)36円という案件です。資金調達額は52億円で、売電収入ができあがった後、安定収入として定期的に7億5,000万円程度の収益が見込まれます。

Ⅱ-2.グリーンエネルギー事業④

こちらのスライドには、グリーンエネルギーの事業のプレスリリースが、下から上へ時系列に並べてあります。

一番下はESGの「E」の環境に関するところです。下から2つ目も同様に、環境に関するところです。下から3つ目は、SDGsの「Peace On Earth(311未来へのつどい)」という社会貢献です。

下から4つ目は、チタンコーティングのモジュールを長くもたせるという意図で、現在、鋭意研究を進めている会社です。そして、下から5つ目には「CSR私募債」と書いてありますが、りそな銀行さんがSDGs推進私募債を発行しており、我々もそこに加えていただきました。

そして、(上から4つ目・3つ目は)カンボジア・ベトナムについてです。海外のこれから非常に成長するところに、我々の太陽光で貢献していきたいということで取り組んでいます。

上から2つ目は、日本経済新聞が売上100億円以下の上場企業(「NEXT1000」)を対象に行った、2018年度の営業利益に関する調査において、第5位に入ったという記事です。一番上は、SDGsに関わる、地球の温暖化に対する気象変化に対して、我々が貢献していきたいということで取り組んでいるものです。

このようなかたちで、グリーンエネルギー事業を中心に、我々がたどり着きたいと思っているSDGs・ESGの方向性を守りながら、社会に貢献していきたいと考えています。

Ⅱ-3.建機販売事業

続いて、建機についてです。売上自体は全体の10パーセントほどで、去年は約6億円と、大したことはないのですが、ここ(スライド)にあるように、アジア、とくに発展途上国はインフラを整備しないと外からのお金が入ってこないということもあって、最近、非常に力を入れています。しかしながら、まだまだ力が足りないということで、ODAといった日本の援助も行われており、そこに我々も参画しています。

実はいま、バングラディッシュのダッカとチッタゴンという都市を結ぶ国道1号線の改修整備が行われています。橋梁も含めて、ODAで約900億円が投資される予定です。その中で、我々はいろいろな建機を提供して、大林組さん、清水建設さん、鹿島建設さんといったそうそうたるみなさんが進出する中で仕事をしています。

建機自体の売上はまだ少ないですが、いまレンタルリースが非常に伸びているところですし、これからのアジアのインフラに貢献していきたいということで、アジアでビジネスをする上では、太陽光を売るところも含めて相乗効果があるのではないかと、非常に期待している部門です。

Ⅱ-4.IT事業①

続いて、ITの部門です。先ほど申し上げたように、ITの部門は、売上自体は1億6,000万円と非常に小さいのですが、その前の年が8,000万円くらいでした。「これで柱になるのか?」とよくご質問を受けるのですが、非常にポテンシャルがあると考えています。

どうして今年度の売上がそんなに上がったかといいますと、実は官庁関係の受注が取れたということがあります。官庁関係の仕事では、ナレッジマネジメントといいましょうか……情報の共有化に関して、いままで培ってきた我々のノウハウが活かされたということになります。1つできあがりますと、他の省庁にも1つ増えていくといったかたちで、非常に広がりがあるものです。

それ以外にも、高知市や横須賀市で、IoTを使ったいろいろな提案をしています。高知でいま取り組んでいるのは、南海トラフ付近のいろいろな企業と組んで、どのような防災対策をしたらよいかといったことです。いろいろな話が来ていまして、非常に楽しみにしています。

(IT事業は売上の)金額は少ないのですが、今年も非常に大きく伸ばしたいところで、他のビジネスにも相乗効果を与えるということで、我々は決して(チャンスを)逃さないように取り組んでいます。

Ⅱ-4.IT事業②

こちらは1つの例ですが、国内の労働人口減少への対応を含めて、「働き方改革」が進められる中で、いろいろな企業を支援していきたいということで、みなさんが本業に特化できるように、その他のところ、(スライドの図の)下の(グレーの)部分は我々が担っていきたいという思想で進めています。

Ⅲ-1.ビジネスモデル

次に、ビジネスモデルです。すでにお話ししたとおり、我々の特色の1つは、企画から終わりまで一気通貫でやっているというビジネスモデルです。総合力の問題ですので、引き続き力を入れていきたいと思っています。

そして、次のビジネスモデルとして風力に取り組んでいます。風力はFIT価格がまだ少し高いのですが、ここは入り口ということで、勉強という意味合いもあり、小型のものを北海道の風力地帯で進めているところです。

Ⅲ-2.ビジネスモデル

ストックビジネスについて、後ほど非常に重要な成長戦略のところで絡んでくるので、ここで簡単にお話しします。

いまのように、電力の設備をつくって、それを売るというだけでは、それで終わりなので、先ほど申し上げたとおり、我々はIPPとなり、自分たちで電力会社となっていくということで、安定収益確保に向けて舵を切っていきます。

ただ、いきなりというわけにはいきませんので、当然いままでのようにモジュール等を単体で販売したり、これからは蓄電池等も販売したり、こういった事業は引き続き行いますが、大きな方向性としては、こういうかたちのストックビジネスを進めていきたいなと思っています。

安定ビジネスというところでは、いままでにいくつものO&Mを開拓してきましたので、そのお客さまとの間のメンテナンスも安定収益ということで、小さいですが積み上がると大きいですので、ここにも力を入れていきたいなと思っています。

そして、グローバル・ニーズ対応です。グローバルというのは、アジアの急速に成長している国々では、中間層が大きく育っている中で、インフラが足りていません。電力もその1つで、現地の旺盛な経済がテイクオフする中、我々はそこに力を入れており、実際にベトナムで工場を立ち上げています。

また、先ほど申し上げたように、バングラディッシュではODAに参加しておりますし、その他の発展途上国でも、インフラ整備なくして彼らの海外投資を呼んでくるわけにはいきませんので、こちらについても大きく貢献していきたいと思っております。

パネルメーカーについては、我々はいろいろな超軽量パネルをつくっております。例えば、ビニールハウスの上に設置可能な、ガラスではなく、薄いプラスチックでつくったようなものを実際に売り出しております。こういった機能を持っているということも、将来的には我々の強みになっていくのではないかと思っております。

Ⅲ-3.ビジネスモデル

そして、これはよくいわれていることかもしれませんが、我々のビジネスで絶えず考えているのが、ESG・SDGsの方向性に合ったビジネスをしていこうということです。太陽光を1つの中心として、そこからESGの経営を実践しながら、企業価値を上げていきたいと思っております。

ESGの「E」というのは、ご説明することもなく、「Environment」のことです。我々が取り組んでいる太陽光は、いわゆる一酸化炭素を出すということはありません。

「Social」としては、インフラ整備をはじめ、いろいろな社会活動イベントを支援しています。「Peace On Earth(311未来へのつどい)」のメインスポンサーとなっており、日比谷公園で社会貢献の会を開いています。

「Governance」についても、やはりここ最近ずっと力を入れてまいりました。例えば、私どもは今年(2019年)9月26日に株主総会を開きますが、そこで新しい役員人事を決定します。

これは、1つの軸足としては国際性ということです。我々の軸足が、いわゆる国際部門に向かっているということで、いままで国際業務に携わってきた方4名を取締役および監査役として今回招聘させていただきました。加えて、その中の1人は女性です。いろいろな角度からSDGs等を見ていただける、立教大学の客員教授や世銀のパネリストとして務めてきた方に参加していただくことになりました。

我々は、企業統治についてもいろいろと配慮しながら、常勤よりも非常勤のほうが人数が多いというかたちで、ガバナンスを効かせるようにして、ESGへ取り組んでいます。単に太陽光を運営しているからクリーンなんだということではなく、ESGの維持、それから持続可能な企業をつくっていく、企業価値を上げていくという意味でも、我々は総合的にESGについて考えて、この方針に沿って会社を経営していきたいと思っています。

Ⅲ-4.ビジネスモデル

2030年までに、つまりあと10年で、1,000メガワットが目標と(スライドに)書いてあります。1,000メガワットは1ギガワットになりますが、1ギガワットのイメージは、いわゆる原発1基分です。国内と海外で、この目標を達成していきたいという期待を持っております。

Ⅳ-1.業績推移

いよいよ2019年の決算に入ります。2019年6月期決算ということで、(2019年)8月15日に短信で発表いたしました。こちらの数値だけを見ていると、昨年よりも減収減益になって、さえない感じに見えてしまいますが、昨年の実績について、少し申し上げておきたいと思います。

こちらは、予算および昨年の決算報告にもしっかりと書きましたが、売上計上の仕方において、監査法人から指摘を受けて、売上・利益の部分が、いわゆる進行基準ではなく完成基準というかたちになりました。

Ⅳ-2.2019年6月期 業績

以上が現状でして、それを加味してつくったのが、売上約73億円、営業利益約5億円という予算です。それにあわせて、2019年6月期に達成したのが②の実績数値です。

これでいきますと、減収ではあるものの増益です。(計画比で)売上高は18.3パーセント減収になりましたが、営業利益は逆にプラス18.8パーセントになっています。

第3四半期の時点で、すでにこのあたりは見えていまして、そのあと売上をつくるためだけに注力するよりも、しっかりと自分たちの将来のために、自分たちが持つプロジェクトとして、IPPになる方向へシフトしていくべきではないかということで、むしろ売上は抑えて、利益を確保した結果です。

このあたりについて、いろいろとご説明は申し上げているのですが、決算短信を含めて、いつも対前年で比較されてしまいますので、少し苦しいところでございますが……こちらはみなさまに公表している数字ということで、いま申し上げたように、利益は確保できております。

Ⅳ-3.2019年6月期 セグメント情報

2019年6月期のセグメント情報としては、先ほど申し上げたように、金額は少ないですが、利益がやっと黒字になりました。いままでは3期続けて赤字だったのですが、やはりここで力を入れて……発展途上国のレンタルが非常にポテンシャルがあるということなどもあり、やっと黒字になりました。

IT事業は、(売上高が)8,000万円から1億7,200万円ということで、2倍になり、利益も出ていますが、先ほどいいましたように、ここはさらに相当伸ばすつもりです。金額が小さいものですから、伸びる時はもう100パーセント、200パーセント伸びるという意味合いです。現在の受注等を見ていますと、個々の部分は非常に期待できるものになっております。

Ⅴ-1.成長戦略

成長戦略についてです。ある意味、ここがビジネスモデルの再編というような位置付けになっております。

(スライドの)一番上のグリーンエネルギーにつきましては、ご承知のとおり、FIT自体が見直されていますし、本当によい土地の用地確保が難しくなってきています。また、行政許認可の基準も厳格化しているということで、そんなに甘いものではないというところでして、ある意味レッドオーシャンの中に入りつつあるといえます。

我々は、いままで培ったいろいろなノウハウ等で勝ち残る自信はあるのですが、そうした中で、この自社発電所、IPPのところ、そしてO&Mの2つから安定収入を得られるように、大きく転換をしていきたいと考えています。そして、海外事業です。海外事業については、後ほど細かく説明させていただきます。

そんな中、当然ながら鈍化していくであろうと思われるのが、いままでの発電所販売収益です。発電所をつくって売っていた部分につきましては、鈍化していくのではないかと考えています。また、横ばいと思われるのが物販で、蓄電池等の販売についても横ばいになるのではないかと思っております。

Ⅴ-1.成長戦略(海外事業)①

この機会にみなさまにご披露したいのが、海外事業です。簡単に説明させていただきますと、こちらはTHANG LONGというベトナムの会社で、我々が36パーセント出資しています。(スライドの写真に)映っているのはホーチミンの工場で、Dai Dungという大手の建設会社の屋上ということです。いまこちらで1メガワットの連系が済んでおり、これから少しずつ伸びていく予定です。

イメージとしては、金額はそんなに大きくないのですが、1メガワットというのは、だいたいコストで言うと日本円にすると6,000~7,000万円ほどだと思います。それに利益を乗せてということだと思うのですが、そういうかたちで、小さいですがスタートを切っています。

Ⅴ-1.成長戦略(海外事業)②

こちらは、我々が30パーセント出資している会社です。こちらの写真は、私は行ったことがないのですが、ビンズオンという地域の工場ということです。こちらはホーチミンにある会社で、(年間)20メガワットの計画で工事が進んでいます。

いまのところ金額は少ないのですが、現地のネットワークを組んで、そこから紹介を受けて、どんどん工場の屋根の上に設置が進んでいくというかたちで、これからに大きく期待できるところではないかなと思っています。

Ⅴ-1.成長戦略(海外事業)③

そして、先ほどもご説明したVietnam Sunergy Company Limited(VSUN)について、みなさまにぜひご説明したいと思います。我々がいま力を入れているVSUNは、(太陽光)パネルのモジュールのメーカーです。2015年に設立してわずか4年ですが、途上国ということ加えて、ベトナムからの輸出が有利になっているということもあって、いま非常に伸びています。

ドイツを中心とするヨーロッパ、そしてアメリカに販売しておりまして、アメリカからは、近時、330メガワットという大きな受注を受けたりと非常に好調です。こちらの会社の(株式の)34パーセントを我々が持っています。

スライドのグラフの2018年のところは、12月決算なので去年12月までの1年間の売上になりますが、円にして73億8,000万円となっています。今年(2019年)は110億円が見込まれており、4~5年前から布石を打ってきたところが、ようやく開花するのではないかと期待しています。

ただし、こちらにつきましては、海外ということもあり、監査法人さんのところでも専門家が見ないとなかなか難しい問題もありますので、いま慎重に連結の作業をしているところです。したがって、2019年6月期の中にも入れておりませんし、今期の予算としても一切入れておりません。ただし、相当魅力的なポジションにあります。

Ⅴ-1.成長戦略(海外事業)④

(VSUNは)Bloomberg NEFが8月27日付で発表した世界のモジュール40社の中に、ベトナムから唯一入っております。この中にはシャープさんもいます。こちらでは(VSUNの)生産能力が600メガワットとされていますが、現在はすでに1ギガワットになっております。現在、設備投資の工事を各地で展開しておりますので、もしかすると1年後にはさらに上位に入る可能性が非常に高いといわれております。

我々としても非常に大きな期待を寄せており、ここで結実させようということで、勇気づけられる案件です。

1つ戻りまして、最後に、ベトナムにてIPOの検討を始めております。IPOということで、期間はいつまでなのかといったことについても、頭の中にはあるのですが、今日は(発表を)ご遠慮させていただきます。ただ、非常に有望であり、これができれば、おそらく日本企業で最初のベトナムのIPOになるのではないかといわれています。

建機販売については、すでに何回も申し上げたように、海外のバングラディッシュ等、発展途上国で大きく伸びる可能性があります。

そしてIT事業についても、いろいろなIoTを含めて、ちょうどいま大きな受注の話が来ておりますし、南海トラフの対応なども含めて検討がおもしろい段階です。

Ⅴ-2.2020年6月期 連結予想

2020年6月期の予算について、まず申し上げたいのは、少ししつこいかもしれませんが、VSUNについてはかなり専門性がいるということで、慎重に連結持分法を検討しているところです。連結の会計基準に基づいて、監査法人と慎重に協議しています。したがって、VSUNの売上は予想の数字には一切入っておりません。

また、過渡期ということもありますので……過渡期というのは、単に売り切るというよりも、環境等が厳しくなるなかで、それに対応してビジネスモデルを大きく変えて、ストックビジネスにもっていくというところを踏まえて、(予算は)非常に堅めにつくっています。

Ⅴ-3.株主還元方針

配当については、2年続けて剰余金から年間17円です。配当性向は、世の中ではなるべく30パーセントということがいわれていますので、それに近づくべく27.8パーセントというところで、今回も決議した次第です。

駆け足になりましたが、いろいろとお話を聞いていただきまして、ありがとうございました。

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