日経平均は高値圏で小幅にもみ合う展開

2019年9月27日の日経平均株価の終値は、前日より169円34銭安の21,878円90銭となりました。先週は23日が秋分の日の休日で、24日から株式市場は始まりましたが、24日は19円高。25日は4営業日ぶりに反落したものの下げ幅は78円あまり。26日は反発して28円高といずれも値動きは小幅でした。

これらに比べれば、週末の169円安は大きいですが、27日は9月末の配当権利落ち日にあたり、配当落ちを考慮すると下落幅は約10円といったところです。高値圏で堅調な展開と言えます。

今週以降の動きはどうなるでしょうか。足元の状況を一口で言えば、上昇を続けてきた一方であまりいい材料もなく、むしろ利益確定などの売りが出やすいところです。

米中の貿易交渉については引き続き難航が予想されます。米メディアは27日、トランプ政権が、米国から中国への投資の制限を検討し、アリババ集団や百度(バイドゥ)など、米市場に上場している中国企業の上場廃止も検討していると伝えました。

そうなると世界の金融市場に大きな影響を与えることになります。報道を受けて、27日のダウ工業株30種平均は前日比70ドルあまり下げました。週初、日本株も連れ安となる可能性があります。

ただし、中国が10月1日から国慶節(建国記念日)の連休となるため、中国側が反応するとすれば来週以降になりそうです。10月4日には、9月の米雇用統計も発表されます。

日本では10月1日に消費増税が導入されます。一般的に増税時には、販売低迷が予想されることから企業の株価は下落する傾向にあります。一方で、増税前の駆け込み需要が期待できる企業、持ち帰り弁当などの「中食」関連企業、キャッシュレス決済推進にともなうポイント還元の恩恵を受ける企業など、消費増税の中でも強みを発揮できる銘柄もありそうです。

業績の予想が出るまでには少し時間がかかるかもしれませんが、タイミングを逸しないよう個別銘柄の物色に備えておきたいところです。

25日線、75日線、200日線によるゴールデンクロスが形成される

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週から、値動きは小幅ながら、5日移動平均線に下値をサポートされて堅調な動きになっていました。25日には5日線を割り込みましたが、翌26日にはまた回復します。しかし27日にはまた窓をあけて下落し、逆に5日線で上値を押さえられるような形になりました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。26日、27日と陰線が続いたり、5日線を割り込んだりしたことから、一見、チャートの形はよくないように見えます。ただし、値幅を見ると1日に100円も動かないという日が続いています。

このようにもみ合う中では、移動平均線がローソク足の上になったり下になったりといったことがよくあります。そうした場合には、日々の陰線、陽線の出現に一喜一憂せず、ポイントとなる節をチェックしたほうがいいでしょう。

直近では、7月25日の高値(21,823円)がそれにあたります。ここより価格が下がると短期的な上昇トレンドが崩れてしまいますが、そうでなければ目線は上に持っていいでしょう。27日のローソク足は下ヒゲが長く、価格がこのあたりに近づくと買いに回る投資家が多いことがわかります。

27日には25日線が75日線を下から上に抜け、75日線が200日線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されました。チャートの形はよく、さらなる上昇のタイミングには積極的に付いていきたいところです。

逆に下値メドとしては、7月25日の高値(21,823円)、目先意識されやすい21,500円あたりになりますが、25日線を割り込むことがなければ押し目買いの好機と見ていいでしょう。

下原 一晃