子育ては想像を超えることが頻繁に起きるもので、親にとっては試行錯誤の繰り返しです。特に、しつけについては普段子どもと接する時間が長い母親に任せられることが多くなりますが、叱り方に悩み、人前で叱るのが怖いと思っている母親もいるようです。どんな状況のときにそう感じるのでしょうか。

人前で子どもを叱るのが怖い事情は?

叱ると余計にヒートアップさせてしまう

癇癪持ちの子どもは、それを止めるように叱ったところで逆にヒートアップして泣いたり、さらに大声を出したりしてしまうことも。そのため、外で一度癇癪を起こされると、それ以上悪い状況にならないようにと、母親は叱るのを躊躇してしまうのです。

もちろん、大声を出して迷惑をかけているのには変わらないので、なるべく人の少ないところに移動したり、長時間のお出かけは控えたりという配慮は必要です。しかし、どんなに注意していてもこんな状況に陥ってしまう時はあるでしょう。周りの人からみたら「なんであの母親はちゃんと叱らないの?」という見方をするかもしれませんが、自分でもどうしようもできない状況に絶望し、母親も苦しんでいることもあるのです。

虐待を疑われるのが怖い

子どもを叱るときには優しい言葉でわかりやすく伝えたいと思っていても、毎日のようにイタズラをされたり、言うことを聞かなかったりすれば、いつも穏やかではいられません。良くないこととは分かっていても、毎日一緒に生活していて、全く言うことを聞いてくれない、叱ってもふざけるだけとなれば、怒りのスイッチが入ってしまうこともあるでしょう。

そのスイッチが外で入ってしまい、キツく叱っているところを周りの人に見られて虐待を疑われるのが怖いと感じる母親もいます。ずっと一緒に子どもの様子を見ていたら「怒るのも当然」と思ってもらえるかもしれないけれど、たまたま遭遇した一場面で「あの怒り方は虐待なのでは?」と見られてしまうのではないかという不安。そのため、怒りのスイッチが入らないように外では叱らないというケースもあるといいます。

周囲の人に注意されて「ありがたかった」経験