「前の車を追って下さい!」

一度は言ってみたい言葉です。しかし、①後を追わねばならない人物がいる、②その人物が車に乗って移動をはじめた瞬間を見た、③その直後に自分の指示通りに走ってくれる車に乗ることができる、という条件がすべてそろわないと言えないセリフです。そんなチャンスはやってくるのでしょうか。


「死して屍拾うものなし」

時代劇の名作『大江戸捜査網』の「心得之條」おしまいのフレーズです。口に出して耳に聞いて心地よい音の並びに整えられた「心得之條」をそらんじることができる人も多いかもしれません。しかし、引用以外のかたちで会話に使用する機会には、隠密でもなければ出会うことがなさそうです。

まとめ

「日本語はうつくしい」ということは、しばしば言われることです。それを常日頃感じている人、そうでもない人、日本語に親しむ人の中にもさまざまおられることでしょう。「うつくしいから好き」という日本語がある人もいるでしょう。「よくわからないけど好き」という日本語がある人もいるでしょう。

みなさんが好きな日本語は、この記事に取り上げた中にはあったでしょうか。この記事をお読みになったのも日本語への縁かもしれません。好きだと思う日本語や普段使っている日本語について、その組み立てや意味や歴史などを、考えてみてはいかがでしょうか。日本語は、楽しいですよ。

衛澤 創