先日、とある女性が投稿した夫婦の家事分担に関するツイートと漫画が話題になりました。それは、家事労働について「妻→責任者、夫→ヒラ社員」という考え方ではなく、「妻→責任者、夫→役員」という考え方に変えたという話。

具体的には、夫に家事を頼む際には細々としたことではなく一連の作業をまるごと頼んだり、ゴールや時間などは明確に設定するがやり方は夫に任せるというようにしたらうまくいったそうです。

どこまで汚れたら掃除をするのか、料理はどのくらいの品数を何分で作るのか。家事はその時々で生じる必要な分量ややり方の基準が妻と夫で異なるので、分担は非常に難しいのが実状。筆者も夫との家事分担で何度も話し合ったりストレスになったりしてきました。筆者自身の経験から、先のツイートと関連した家事分担のお話をします。

料理なら調理のみ、ゴミ捨てなら捨てるだけ…ピンポイントしかやらない夫

筆者夫婦は2人とも、とても面倒くさがりな性格ですが掃除や洗濯、料理などの家事全般はスキル的には一通りできます。子どもが生まれたこともあり、平日土日問わず大方の家事を担う筆者は、時間をかけずにより効率的にこなそうという考えが強まったのに対して、土日しか家事を行わない夫は料理でも掃除でも、一度始めると時間をかけてとことんやるタイプ。

そのため、たとえばお昼ご飯を夫が作ろうとすると、12時に取り掛かり始めたとしても食事にありつけるのは13時過ぎということが珍しくありません。そして、夫は料理なら調理だけに集中します。開封した野菜をラップや保存容器に入れずそのまま台所に放置していたり、調理のためにあまりにも多くの道具や食器を使用したりするので、食事が終わった台所の後片付けはまあ大変。

また筆者が「掃除機かけて」とお願いすると、「OK」と快諾してくれるものの、1時間経っても2時間経ってもやってくれないことがあります。「まだやらないの?」と聞くと、「今からやろうと思ってた」「自分のペースがあるから!」と何度も口論に。

週に何度もあるゴミ捨ても同様です。ゴミ捨ては夫の担当ですが、夫は「ゴミ捨て」を、まとめられたゴミ袋を集積所に持っていくことだと認識しています。筆者にとっての「ゴミ捨て」は家じゅうのゴミ箱や水回りからゴミをまとめ、そのゴミ袋を集積所に持っていき、さらに新たなネットやゴミ袋をゴミ箱や三角コーナーに設置するところまで。夫にそれを言うと、「朝はそんな時間ない」と言われてしまう始末。

つまり夫は家事の流れや効率、割くべき時間や緊急性には関心がなく、やった結果だけを重視しているのです。料理なら調理のみ、ゴミ捨てなら捨てることのみなど、ピンポイントの労働にしか意識が向かない。こうした認識の違いから、「ここまでやってよ」「早くして」と夫にイライラしてしまう妻は、少なくないのではないでしょうか。

“作業”ではなく“プロジェクト”を一任する

筆者はこれまで何度も、「開封した野菜は腐らないように保存処理してよ」「調理で使った塩やコショウは棚に戻して」「次はゴミ袋までセッティングしてね」と夫にぶつくさと言いながらも、結局は自らがそれらの作業を行っていました。夫は「はいはい」と返事をするものの、いつまで経っても夫の中で家事の効率化や流れを認識してくれてはいませんでした。