今日が納期なのに仕事が終わらない。なのに今日に限って『定時退社日』で、基本的に残業は禁止。上司に相談するも、「残業は認められない。けれど納期は間に合わせろ。」といわれる…。そんな経験がある方も、少なからずいるのではないでしょうか?

今日が納期の仕事が終わらないからと、「新人女子と共に残業の申請をさせてほしい。」と係長に申し出た中堅社員の主人公。しかし、係長は今日が『定時退社日』であることを理由に、残業申請を認めてくれません。残業ができないなら、ということで客先に納期を伸ばしてもらおうとした主人公ですが、係長は「そうじゃないだろ。ほら、社員カードを渡せ。」とニヤリ。…どうやら、係長が社員カードを出退勤システムに通し、定時で退社したように見せるから、サービス残業をしろといっているようなのです。

余りの理不尽さに、主人公の脳内で始まる妄想。某有名カードバトルアニメよろしく、外部社員カードを発動する主人公。「俺のターン、ドロー。外部社員召喚!さらにマジックカードでゲストアカウントPC発動。効率アップで定時退社だ!」と叫びながら係長を攻撃。しかし係長、「あまい!トラップカード・ベテラン警備員発動。社員登録されていないカードはフィールドから消滅する。サービス残業は免れられないぞ!」と、主人公の攻撃を撃破。

ああ、今回は妄想ですら勝てない…。

あきらめてサービス残業をすることにした主人公、自席からカードを取って戻ってくると、一緒に残業をする予定の新人女子が2枚のカードを係長に差し出しています。「あ、これ先輩と私のぶんのカードです。」と、にっこり。「あれ?俺のカードここにあるんだけど…。」と思いつつ、カードを手に満足げに去っていく係長の後ろ姿を見送る主人公。

しばらくすると、社員カードを通しに行ったはずの係長が、2人の前にげっそりとした顔で戻ってきました。「君たち、今日は残業していいことになったから、カードは返す。きちんと仕事していきなさい。」と一言。どうやら、新人女子が渡したカードを出退勤システムに通そうとしてエラーになり、それがきっかけで、部下にサービス残業をさせようとしたことが部長にばれて、こってり絞られたようなのです。

さて、係長から返されたカードをよくよく見た主人公、「あれ、社員カードじゃない…。」。すると、新人女子が「自作のカードゲームです。」と、ふたたびにっこり。ああ、だからエラーになったのか…。

ワークライフバランス推進の一環として『定時退社日』を設ける企業もあるようですが、本来は、「残業をしないことでオンとオフのメリハリをつける。」「残業できない日を作ることで、業務の効率化を図る。」というのが『定時退社日』の目的のはず。しかし実際にはサービス残業や仕事の持ち帰りにより、形骸化している企業があるともいわれています。

上司として『定時退社日』を守ることは大切ですが、部下の仕事がどうしても期日までに終わらないときは、「スケジュールを調整する。」「仕事の内容を見直す。」などして、サービス残業や仕事の持ち帰りをせずに済む方法をまず考えるということも必要なのかもしれません。

さて、ニセのカードでわざとエラーをださせ、サービス残業を上層部に知らせた新人女子の行動の是非はさておき、形だけの『定時退社日』に困っている人たちの中には、思わずニヤリとしてしまった方もいるのではないでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。

【マンガ記事】妄想シャイン

入社3年目でようやくこなれてきたサラリーマンの主人公は、ストレスが溜まるとひたすら妄想しながら乗り切る、妄想社員。オフィスでよくある、ちょっとしたイライラやモヤモヤを、今日も妄想しながら乗り切ります。

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