それは支出における「住居」の1万3千円ではないであろうか。

住居に必要な賃料、つまり家賃は住居の場所によって大きく異なることは当然だ。しかし、住居に必要な出費が1万円台の家賃である住居というのは違和感を感じるのではないであろうか。これは、普通に考えると、今回のシミュレーションのケースで考えれば、「持家」の世帯が前提となっているのではないか。

60歳代の持家の比率はどのくらいの割合あるのか

確かに、金融広報中央委員会(事務局 日本銀行情報サービス局内)の「知るぽると」による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)」によれば、持家比率は世代別に見れば以下のとおりである。

  • 20歳代:25.4%(非持家比率:74.6%)
  • 30歳代:56.5%(非持家比率:42.5%)
  • 40歳代:70.9%(非持家比率:28.5%)
  • 50歳代:75.9%(非持家比率:22.5%)
  • 60歳代:82.6%(非持家比率:16.3%)

というように、60歳代の世帯のうち、8割を超える世帯が持家世帯となっている。もちいえであれば、当然ながら家賃は必要ない。もっとも、築年数が長ければリフォームなどの出費が臨時で必要になるということが考えられるが、経常的に家賃が必要となることはない。