スマートフォンアプリに登録して、恋人や結婚相手を探す、いわゆる「マッチングアプリ」。有名なアプリでは、多くのユーザーが活動しているようで、顔写真を載せ、プロフィールには職業や年収、趣味などを載せた上で、自分に合う人を探すことができます。

「マッチングアプリ」と聞くと、あまりいいイメージを持たない人がいる一方で、「マッチングアプリなび」の調べによると、国内在住の20歳から39歳までの男女200人を対象にした調査で、アプリを利用したことがある人は、男性は43%と半分弱、女性は24.5%と約4人に1人だそうです。

この記事では、「マッチングアプリ」に対して持たれているイメージや、実際に使ってみた人の声などをまとめてみました。

マッチングアプリのイメージは?

マッチングアプリと聞いて、何をイメージするでしょうか? ネット上では、こんな声が多く見られます。

「出会い系みたいで怖い」
「危険そう」
「顔出すの怖いし、身バレも怖い」
「ほんとに出会えるの?」

出会い系サイトとマッチングアプリは混同されがちで、「危険なのではないか」「少し怖い」という印象を持つ人が多いようです。

また、こんな声もありました。

「気になるけど、仕組みがよくわからない」
「どうやってやるの?」

アプリに対して、そもそも仕組みがあまり理解できていないという声もありました。

マッチングアプリは主に、結婚相手を見つけるための「婚活アプリ」、恋がしたい、彼氏や彼女が欲しい人のための「恋活アプリ」に分かれます。アプリによって仕組みは異なりますが、主な流れとしては、アプリに登録後、自分の映っている顔写真を選び、年齢や職業、住んでいる地域、趣味や好きなことなどをプロフィール欄に書きます。そして、相手に興味を示すボタンである「いいね」を押して、お互いに「いいね」が来たらマッチングが成立し、メッセージが送れるようになる、というシステムが一般的なようです。

また、女性は無料で利用できるアプリが多いようですが、男性は有料で利用するアプリがほとんどで、男性は特に、真剣に出会いを求める人が多いといわれます。さらに、登録の際に「なりすまし」などを防ぐため、男女にかかわらず身分証明書の提出を義務づけているアプリや、24時間365日の監視を行っているアプリもあるそうです。このあたりの「セキュリティ重視か、使いやすさ重視か、コスト重視か」といった点は、運営会社の考え方によって異なってきます。

「親になんて紹介すればいい?」使うこと自体に抵抗がある人も

かつて詐欺の横行や児童・少年の利用、サクラを使った客寄せなど、さまざまな犯罪の温床として社会問題にもなった「出会い系サイト」。その反省なども活かして、マッチングアプリでは、比較的、安全に利用できるような工夫がされてはいるといっても、そもそもこうしたアプリを使うということ自体に抵抗がある人もいるようです。

「ネットで知り合って出会うということ自体抵抗がある」
「アプリで出会った人と結婚やお付き合いした際に周りの人に言いにくいよね~」
「友達にバレたらちょっと恥ずかしいかな」

もちろんリアルの世界でも、恋愛詐欺や結婚詐欺などはありますが、「ネット上の知らない人同士」という、リアルに比べても身分などに対して信憑性の弱い空間で知り合うということ自体に抵抗があるという声も見られます。もし嘘をつかれていても、なかなか気づかないという点もあるかもしれません。

さらに、「出会い系」というイメージが払拭されていないマッチングアプリで、交際や結婚などに発展したときに、周りの人や特に親に「どこで出会ったのか」を説明しにくいと感じる人は多いようです。

「出会いがない!」登録した人の実際の声

マッチングアプリに対して、マイナスなイメージを持つ人がいる一方で、アプリに登録する人は、どういう考えで登録をするのでしょうか。

「出会いがないからマッチングアプリ登録してみた!」
「友達からすすめられたからやってみようと思って」
「気軽に始められるし、やってみよう」
「気に入らなきゃ、やめればいいし」

このように、自分の身の回りに異性との出会いの機会が少なく、婚活パーティや街コン、合コンと比べて、時間に余裕がなくても気軽に始められるし、気に入らなければ使うのをやめればいいだけなので、とりあえず使ってみたという人も多くいるようです。

また、身近なところで、アプリを使ってお付き合いを始めた人や、結婚をした人などを見ると、信憑性が増して、始めようという気持ちになる人もいるのではないでしょうか。

「盛り上がった」人も「全然写真と違った」人も

実際にアプリを使った人の声は次のようなものです。

「実際に会ってデートした!」
「アプリで知り合った彼とおつきあいすることになりました」
「趣味が合う人とアプリで知り合って盛り上がった」

それが目的なので、当たり前といえば当たり前ですが、実際にアプリで知り合って、デートを重ねたり、お付き合いする人もいるようですね。結婚やお付き合いとまではならなくても、たくさんの人と知り合えて、自分の趣味の合う人と出会えることも、こうしたアプリならではなのかもしれません。

しかし、一方で、

「会ってみたら、全然写真と違った」
「私は真剣だったのに相手は遊びだった、、、」
「メッセージやりとりしてたのに、気付いたら無視されて終わってた、悲しい」
「今日会う予定だったのにドタキャンされた」

といった嘆きの声も見られます。写真で「タイプの人!」と思っても、実はカメラの加工アプリで実物の顔とまったく違うように加工されていて、実際に会ってみてがっかりしたという意見もありました。

また、アプリで知り合い、気軽に多くの人と出会うことができますが、簡単にブロックやマッチング解除ができるため、一つひとつの繋がりが薄く、いつのまにか連絡が途絶えていた、あるいは会う予定だったのに直前でキャンセルされたといったマイナスの体験を持つ人は少なくないようです。

ネットでもリアルでも、最終的には同じ

いまや幅広い年齢層の人が、出会いを求めてこうしたアプリを使っていますが、アプリによっても主なユーザーの年齢層が異なっていたり、目的が異なっていたりします。そのため、もし「始めたい」と思ったときは、自分の目的に合ったアプリを選び、プロフィールやメッセージのやりとりなどを通じて、しっかり相手を見極めて利用したほうが、トラブルや嫌な思い・悲しい思いをすることを防げるのは間違いありません。

最近のマッチングアプリは、前述のように、登録や身分確認がしっかりしていたり、監視体制が整っていたり、「安全に利用できるような体制づくり」を気遣う業者も多く出てきたこともあり、「出会い系」というマイナスなイメージを持つ人は、昔よりも少なくなったように思えます。ただ、ネット上に限らず、どんなコミュニティにも、素晴らしい人もいれば、おかしな人もいます。後者と出会うのを完全に避けるのは難しいのかもしれません。

それに、最終的にリアルでお付き合いするのであれば(特に結婚するのであれば)、価値観や性格、あるいは金銭感覚といったことが合わないと、うまくいきません。結局、そうしたことをきちんと見なければいけないのは、知り合うきっかけがネットであろうがリアルであろうが、変わらないのではないでしょうか。

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