子育ての辛さがやわらぐのは”共感”? それとも”違いを受け入れる心”?

両者のバランスを取る重要性

子育てをしていると、それまでに培ってきた価値観が揺らぐことは珍しくないでしょう。毎日振りかかる予想外の出来事や子どもの成長に喜びや楽しさを感じる一方で、ストレスや悩みを抱えながらなんとか毎日を乗り越えている人も少なくないと思います。子育てとは「〇〇すればいい」「〇〇が大切」と簡単に一言では片付かないからこそ、自分たちにとっての正解を常に模索しなければいけません。

保育園勤務経験があり、現在1歳の子どもをほぼワンオペで育てている筆者は、この「正解」について一つの方向性を見ています。筆者自身の経験からご紹介します。

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子育ての辛さを軽くするのは正論ではなく共感

昨今の子育ては孤育てとも言われ、たとえ共働きだとしても夫や親、近所などの協力をなかなか得られず、母親がワンオペ育児をこなして子どもと向き合っている場合が少なくありません。そんな孤独な状況が続けば母親も次第に追い詰められ、精神的に余裕がなくなってしまいます。誰かに悩みを聞いてほしい、同じ辛い境遇を共感し合いたいと、ネットやリアルで横の繋がりを求めることは自然なことです。

このように、共感は子育てにおいては非常に大きなキーワード。「子どもの夜泣きが辛い」「毎日仕事と育児で時間がない」という悩みも、建設的な解決策や正論を突きつけられるより「わかる、わかる。うちも同じだよ」と頷いてもらった方が嬉しいのは、子育て経験者ならわかることでしょう。

筆者もこの“共感”を求め、妊娠期間中にツイッターの匿名ママアカウントを開設。出産時期が近い方をフォローし合い、産後の頻回授乳が続いて寝不足で辛い時や子どもが離乳食をなかなか食べてくれない時など、悩みやあるある話を共有することで精神的に救われてきました。同じような境遇の人と同じような悩みや愚痴を共有し合う場所は、自分の考えや思いを誰からも否定されない“超・自己肯定の世界”なので本当に心地の良いものです。

また次第に、自分が共感されて救われた経験から、同じように妊娠や出産、子育てで悩み苦しんでいる人に寄り添いたいという気持ちも強くなっていくように。

子連れで電車に乗ると周囲の目が怖くなりがちですが、筆者は以前、近くに座ったおばさまから「子育て大変ね。頑張ってね」と声をかけられて涙が出るほど嬉しかった経験がありました。筆者は今では、赤ちゃんを連れて大変そうにしているお母さんが近くにいたら積極的にベビーカーのあれこれを手伝ったり話しかけたりしています。

無意識のうちに自分と違う考え方の他人を排除してしまうように

一方、共感が子育てにおいては諸刃の剣であることもわかってきました。筆者は同じ経験をしている人や同じ考えを持つ人との共感にどっぷりと浸かりすぎた結果、次第に自分と違う考えの人をどんどん排除していくようになっていったからです。

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秋山 悠紀

早稲田大学文化構想学部出身。女子高でサッカー部、フリーター、演劇活動、編集プロダクションなどを経て独立。
子育てへの不安から1年半の保育園勤務の後、第一子を出産。
現在、長男を育てながら女性の生き方、子育て、ジェンダー、社会、旅、ドラマ、映画について執筆中。