近頃、若い女性を中心に食べ物を「食べる音」 を聞かせる動画が流行しています。食べる音=咀嚼音と聞くとなんだか苦手というイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。

けれど聞けば聞くほどクセになってしまうというその動画。人気の理由として私たちの脳の快感が深く関係していました。

さらに動画を調べると「ASMR」という言葉をよく目にします。そこでなぜ食べる音の動画が流行しているのか、キーワード「ASMR」に迫ります。

キーワードは「ASMR」

食べる音の動画を検索すると、数多くの動画のタイトルに「ASMR」というキーワードが記されています。ASMRとはAutonomous Sensory Meridian Responseの略で、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、頭がゾワゾワするといった反応・感覚のことを言います。

とある刺激がトリガー(引き金)になって、思わず鳥肌が立つような心地良さを得られることから「脳がとろけるような快感」として表現され、今では世界中でASMRに関連する動画が公開されています。

食べる音の動画も、咀嚼音という刺激がトリガーとなって快感を得られるため、ASMR動画の一種として流行していることがうかがえます。

全世界で大流行、食べる音の動画とはどんなもの?

動画サイトや検索エンジンで「食べる音、咀嚼音」と検索するだけで、全世界から発信されたたくさんの動画が出てきます。

内容はひたすら料理を食べているものが多く、種類を見るとフライドチキンや揚げ物など、サクサク、ジュワーっという食欲をそそるような音がする料理を食べているものが多い印象です。

加えて、ポテトチップスなどのスナック菓子、リンゴなどの果物、ピクルス、中にはステーキまで。噛み応えや食感に特徴がありそうなものも多く見られます。

動画を視聴した感想をみると、次から次へ食べる食べっぷりも注目されていますが、まさに隣で食べているような音がクセになる、おいしそうな音にお腹が空いてきた、単調な音だけど聞いているとなぜか癒される、など音に関心が集まっている声が多く見受けられます。

これらの動画で使われている音の多くは、人間の頭部の音響効果を再現する機器を利用して、鼓膜に届く状態で音を記録する「バイノーラル録音」という方式で録音されています。

そのためヘッドフォンやイヤフォンで聴くと、その場に居合わせたかのような臨場感が再現され、食べる音がより際立つ魅力を生んでいるのではないでしょうか。様々な食べる音の動画、ASMR動画がありますが、中でも韓国での人気が非常に高くなっています。

流行の背景には、韓国や日本のとある共通点も