株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、売買代金は10日連続で2兆円割れ

2019年7月16日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,535円(▲150円、▲0.7%) 3日ぶり反落
  • TOPIX 1,568.7(▲7.5、▲0.5%) 続落
  • 東証マザーズ株価指数 904.8(+7.5、+0.8%) 3日ぶり反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:752、値下がり銘柄数:1,302、変わらず:96
  • 値上がり業種数:4、値下がり業種数:29
  • 年初来高値更新銘柄数:71、年初来安値更新銘柄数:35

東証1部の出来高は10億4,065万株、売買代金は1兆7,423億円(概算)となり、概ね先週末並みでした。3連休の間に特段目立ったニュースがなかったことに加え、来週後半から本格化するQ1決算発表を控えて模様眺めムードが支配的となりました。

売買代金は10日連続で2兆円を割り込む薄商いとなっています。ちなみに、10日連続で2兆円を下回ったのは約2年9カ月ぶりとなります。

そのような中、日経平均株価は利益確定売りに押され、終日マイナス圏での推移となりました。前場の終盤には一時▲171円安となる場面がありましたが、そこから一段の下押しはありませんでした。ただ、下値を拾う動きは限定的であり、大きな反発もないまま3日ぶりの反落で引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きで続落となりましたが、下落率は日経平均株価より小さくとどまりました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ株価指数は3日ぶり反発、売買代金は15日ぶりに1,000億円超え

東証マザーズの出来高は7,095万株、売買代金1,418億円となり、いずれも先週末より増加しました。バイオ関連銘柄を中心に個人投資家の物色意欲が回復し、売買代金は15日ぶりに1,000億円を上回っています。

また、株価指数も3日ぶりの反発となるなど、利益確定売りに押された大型株式市場と対照的でした。終値も再び900ポイントを回復しましたが、今後の展開は引き続き個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。

ソニーが▲3%超安の大幅下落、かんぽ生命の不祥事で日本郵政は上場来安値更新

個別銘柄では、主力大型株が総じて売られる中、医薬品株の下落が目立ち、エーザイ(4523)と大日本住友製薬(4506)が年初来安値を更新し、テルモ(4543)も値を下げました。

また、ハイテク株にも安く推移するものが多く、ソニー(6758)が▲3%超安の大幅下落となり、村田製作所(6981)、京セラ(6971)、オリンパス(7733)も冴えない値動きとなっています。

その他では、かんぽ生命保険(7181)が一連の不祥事により4日連続で上場来安値を記録し、親会社に相当する日本郵政(6178)もついに上場来安値を付けたのが目を引きました。

一方、ファーストリテイリング(9983)が取引時間中に連日で上場来高値を更新しましたが、その後は一転して売りに押され、終値は下落しました。

また、前日に中国経済の大幅減速(GDPの伸び率が過去最低等)が明らかになりましたが、逆に悪材料出尽くしと見られたのか、SMC(6273)や安川電機(6506)など機械株の一角が急反発しています。

その他では、スズキ(7269)が取引時間中に年初来安値更新となりましたが、その後は買い戻されて6日ぶりの反発で引けたのが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が一時ストップ高まで買われ、ロコンド(3558)とロゼッタ(6182)はいずれも値を飛ばしてストップ高で引けました。一方、SOU(9270)はストップ安で終えています。全体的には新興株らしいダイナミックな値動きが多かったようです。

葛西 裕一