「大企業なら一生安泰」というイメージがある一方、大企業を3年で辞めてしまった人も存在します。そう聞くと、「せっかく大企業の内定を手に入れたのに…」ともったいないように感じてしまいますよね。

では、どのような理由で大企業を去ることに決めたのでしょうか。最近の離職率とともにみていきましょう。

「最近の若者はすぐに辞める」は正論?

大企業さえも辞めてしまう若者たちをみると、つい「最近の若者は…」と言ってしまいそうになる方も多いのではないでしょうか。そこで、厚生労働省が公表した「新規学卒者の離職状況」から、最近の離職率を確認してみましょう。

平成27年3月に卒業し、3年目までに離職した人の割合は以下の通りです。

中学卒:64.1%
高校卒:39.3%
短大等卒:41.5%
大学卒:31.8%

最も離職率が低い大学卒でさえ、3割を超える人が3年以内に離職していることが分かりました。ただし、平成8年3月に大学を卒業した人の離職率は33.6%となっています。

そのあとは平成16年3月卒の36.6%をピークに、多少の波はあるものの低下傾向です。これらを踏まえると、「最近の若者はすぐ仕事を辞める」というセリフが正論とはいえないでしょう。

辞めたあとはどうなるのか

勇気を出して大企業を辞めた若者は、その後どのような道を歩んでいくのでしょうか。大学を卒業して国内金融機関に入社し、3年目で外資系金融機関に転職した人の話を聞いてみましょう。

「同期の中でも人気の高いマーケット関連の部署に配属され、毎日決まった作業をこなしていました。しかし、徐々に『この仕事は日本の金融機関以外でもできる』という思いが強くなっていったんです。

やがて、外資系金融機関への転職を決意。このことを聞いた親は、やはり『名の知れた会社なのに』ともったいなさそうな反応をしていましたね。

私自身も『丸2年しか働かずに辞めるなんて』と感じていましたが、そのことが転職先でマイナスになるような場面はほとんどありませんでした。むしろ、銀行や証券などの業界で働いた経験のある人からは、尊敬されているように感じます。

以前の職場の同期とは、今でも仕事の相談をすることも。このようなネットワークは、これからも大事にしていきたいですね」

この方の場合、入社してすぐに辞めたことによるデメリットはほとんどなかったようです。以前の職場の人とのネットワークも成り立っており、転職によるメリットは大きかったといえるのではないでしょうか。

大企業のどこに不満があるのか