2019年5月15日に行われた、日本郵政株式会社2019年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:日本郵政株式会社 執行役IR室長 鶴田信夫 氏

日本郵政グループ 決算の概要

鶴田信夫氏:みなさま、本日は大変ご多忙ななか、決算電話会議にご参加いただき、ありがとうございます。日本郵政株式会社IR室長の鶴田と申します。よろしくお願いいたします。

2019年3月期決算の概要を説明いたします。

1ページ目に、全体の概要を記載しております。左側の太い線で囲んだところが、グループ全体で、その右側に各社の数字を記載しております。

日本郵便につきましては、この後に詳細を説明しますが、郵便・物流事業の好調等を主因といたしまして、経常収益、経常利益、当期純利益とも前期より増加しております。

ゆうちょ銀行につきましては、金利が引き続き低位で推移する厳しい経営環境ですが、国債利息の減少を主な理由に金利益は減少です。当期純利益は2,661億円となり、865億円の減益という結果になっております。

かんぽ生命につきましては、金融課税商品費用等のキャピタル損が増加したこと等により、経常利益は443億円減少の1,648億円となりました。一方で、当期純利益につきましては、価格変動準備金の戻し入れや有配当特約の特約減少に伴う契約者配当準備金繰入額の減少などにより、当期純利益は増益となっております。

グループ全体の数字につきましては、経常収益が前期から1,453億円減少の12兆7,749億円。経常利益が854億円減少の8,306億円。当期純利益は、187億円増加の4,794億円となりました。

通期の業績予想に対する達成率です。2月に集計したあとの予想に対する達成率ですが、グループ連結の当期純利益で111.5パーセントになります。

郵便・物流事業 決算の概要

2ページ目は、郵便・物流事業についてです。右上の棒グラフに物数の推移がございますが、全体では昨年比1.7パーセントの減少です。このうち郵便は物数の減少が継続しており、2.6パーセントの減少です。

ゆうパックについては、ゆうパケットを含む数字ですが、7.6パーセントの増加です。足元では減少もありますが、年度では増加しております。ゆうメールでは0.4パーセントの増加です。

左側の滝グラフですが、一目瞭然で増収が非常に大きく、全体の利益を押し上げています。とくにゆうパックについては、単価の見直しと数量増加ということで収益が拡大しております。また、年賀はがきの増加、値上げ効果もあります。

費用についてです。人件費については、若干の増加ですが、給与手当についてはむしろ減少しております。法定福利費が増加したことによって人件費が若干の増加です。

集配の総委託費についても、国際運送料は若干減っているものの、国内集配運送委託費が若干増加したことで全体として若干の増加です。

減価償却費は若干の減少です。「その他」の費用のところで、郵便窓口業務手数料……これは会社間で支払う手数料ですが、セグメントとしてはここが増加したことで、利益として低下要因になっております。

これらにより、全体としては増収効果が非常に大きく増益になりました。

金融窓口事業 決算の概要

金融窓口事業です。

右上の「収益構造の推移」をご覧ください。赤のグラフ、郵便手数料の部分が非常に増加しております。銀行手数料が若干の増加で、保険手数料は、新規契約の減少により減収となっております。

その他の事業は増加です。内訳ですが、物販事業は55億円の減少ですが、不動産事業が30億円の増加で、提携金融事業が24億円増加です。この物販事業の減少は、事業の絞り込みによるものです。

人件費では、給与手当の減少です。これは社員数の減少や保険に関する営業手当の減少などによるものですが、人件費が減少したことにより、利益としては増加要因になります。

結果として、営業利益596億円ということで、対前年で198億円の増加になっております。

国際物流事業 決算の概要

国際物流事業です。右側の表の数字で、上の段の単位が「100万豪ドル」で、下の段の括弧内の数字の単位が「億円」です。

円で説明しますと、営業収益は36億円減少の7,006億円です。営業費用は6,903億円で、EBITは前期並みの103億円でした。豪ドルベースは、上段の数字をご覧いただければと思います。

スライド左側に内訳があります。ロジスティクス、フォワーディング、エクスプレスの3事業では、営業収益は前期を上回っているのですが、営業損益は中国経済の減速や自然災害等の影響による一時的な費用の増加もあり、3事業とも前期を下回りました。

しかしコーポレート等の収益改善もあり、全体としては前期並みの営業損益となっております。

日本郵便 決算の概要(まとめ)

日本郵便の決算のまとめです。

全体として、郵便・物流が非常に好調だったため増益ですが、税金の増加などもありまして、当期純利益はスライドのとおりの数字になっております。

6ページから11ページまでは、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の決算ですが、ここは割愛させていただいて、12ページに進みます。

2020年3月期通期業績予想

2020年3月期の業績予想です。グループ連結で、親会社株主に帰属する当期純利益の予想は4,200億円を見込んでおります。

会社別では、日本郵便は郵便物数の減少や人件費単価(上昇)の継続、またシステム更改等による一時的な費用があり、今期よりも減少の1,000億円を見込んでおります。

ゆうちょ銀行は、投資信託の販売拡大等による役務収益の拡大等により、今期並みの2,700億円を見込んでおります。

かんぽ生命につきましては、昨年度の要因の剥落などもあり、今期に比べて減益の930億円を見込んでおります。

株主還元については、スライドの右下に記載しています。中期経営計画では1株当たりの配当は「年間50円以上を目安に安定的な配当を目指す」と言っていたわけですが、2019年3月期の配当は、期末配当25円、年間で50円の配当にいたします。配当性向では42.2パーセントになります。

また、昨年度については、年度当初の予想3,300億円に対して、予想を大きく上回る4,794億円という純利益を上げております。一方、今年度の利益予想は4,200億円ということです。

ここまで説明した要因に加えまして、かんぽ生命の株式の一部売却によって、そこからの利益といったところも予想しています。

この状況で株主さまへの還元を目的とした株式取得も検討していくということで、スライドに記載しております。自己株式の取得により、資本効率の向上も図れるものと考えております。本年度の配当につきましては、年間で50円の配当を予定しております。

決算については以上となります。その他は、参考資料をご覧いただければと思います。

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