株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、21,500円回復目前で急失速

2019年6月21日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,258円(▲204円、▲1.0%) 3日ぶり反落
  • TOPIX 1,545.9(▲14.0、▲0.9%) 3日ぶり反落
  • 東証マザーズ株価指数 890.8(▲17.0、▲1.9%) 3日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:619、値下がり銘柄数:1,458、変わらず:68
  • 値上がり業種数:7、値下がり業種数:26
  • 年初来高値更新銘柄数:61、年初来安値更新銘柄数:67

東証1部の出来高は15億3,666万株、売買代金は2兆7,182億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。FOMCの結果を受けた米国株式市場の大幅続伸という好材料はあったものの、模様眺めムードが継続しました。ただ、FTSEのリバランスに伴う売買により、最後の1時間で約1兆円の嵩上げがあり、結果的には久々に薄商いから脱した形です。

売買代金は3兆円には届きませんでしたが、5月8日(2兆9,130億円)以来の高水準でした。ちなみに、この5月28日もMSCIのリバランスに伴う売買で嵩上げされたので、実質的には1ヶ月近い薄商いが続いていると見ていいでしょう。

そのような中、日経平均株価は利益確定売りに押される展開となりました。寄り付き後は一時+35円高となり、21,500円回復目前まで迫る場面がありました。しかし、前場の半ば過ぎから売りに押され始め、後場の半ばには一時▲241円安まで下落しています。最後はやや巻き返したものの、結局は▲200円超の下落となる3日ぶりの反落でした。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反落で引けています。

東証マザーズ株価指数は3日ぶり反落、売買代金は3日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は5,647万株、売買代金1,107億円となり、いずれも前日より減少しました。売買代金は3日連続で1,000億円を上回る商いとなりましたが、やや盛り上がりに欠けたようです。

また、株価指数も▲2%安に迫る下落となり、3日ぶりの反落となりました。終値で再び900ポイントを割り込みましたが、今後の展開は引き続き個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。

ファーストリテイリングとソフトバンクGが大幅安、大和ハウス工業は急落

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が年初来高値を更新(上場来高値でもあります)した後に急落し、ソフトバンクグループ(9984)とともに大幅安となりました。

また、エーザイ(4523)、資生堂(4911)、第一三共(4568)、アステラス製薬(4503)などのディフェンシブ銘柄が大幅安となり、不祥事の影響(再調査の結果、不適切物件数が倍増)が危惧される大和ハウス工業(1925)は▲6%安に迫る急落となっています。

さらに、円高進行を懸念して自動車株やハイテク株に売りが増加し、SUBARU(7270)、スズキ(7269)、ソニー(6758)、NEC(6702)などが大幅下落となりました。

その他では、三井不動産(8801)など不動産株の下げがきつく、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など金融株も冴えない値動きに終始したことが目を引きました。

一方、ファナック(6954)とキーエンス(6861)が続伸し、パナソニック(6752)やシャープ(6753)などハイテク株の一角も値を上げました。また、東京エレクトロン(8035)や信越化学工業(4063)など半導体関連株にも買い戻しが入ったようです。

新興市場(東証マザーズ)では、モルフォ(3653)が値を上げて年初来高値を更新し、手間いらず(2477)が急伸して高値更新となりました。一方、メルカリ(4385)が急落して公開価格(3,000円)を下回り、サンバイオ(4592)も急落して続落となっています。

葛西 裕一