子供の進学の夢はかなえてあげたいけれど、進学の費用が準備できない・・・そんな時に選択できる方法はいくつかあります。その中で新聞奨学生という選択があるのをご存じでしょうか?

新聞奨学生とは、新聞配達や集金(ないケースもある)を行いながら、学校へ通うシステムです。授業料など学費に関しては負担する必要がなく、住居も提供してくれます。また行った業務に対する給与も支払われるので、親が仕送りをせずに大学へ進学することができる制度なのです。

【メリット】

その1・学費を支払わずに学校へ行ける

入学金を含む授業料など学校に関わる費用は奨学会が負担します。入会には簡単な審査や手続きが必要ですが、大学卒業まで業務を行う意志があれば、問題はありません。

その2・住居の心配がない

配属される新聞販売店で住居を提供してくれます。基本的に個室でプライベートな空間は確保されています。敷金・礼金・月々の家賃を負担する必要はありません。

その3・給料がもらえる

配達・集金・その他の付随業務を行う対価として、奨学金とは別に給与が支払われます。住居や学費は奨学会が負担してくれるので、単純な生活費として給与を使うことができます。

【デメリット】

その1・辞めた場合は全額一括返済

奨学金が返済不要になる条件は、進学した学校を卒業すること・決められた期間に業務をきちんと行うことと定められています。万が一途中で辞めてしまった場合は、その時点まで負担をしてもらった奨学金を一括で返済することになります。

その2・勉強との両立が大変

朝早い時間(概ね2:00頃)から配達業務を行います。基本的には週1日の休みがもらえますが、配達や集金を行いながら学校へ通うというのはやはり体力的な負担は大きいです。特に試験期間中などはかなりハードな生活になります。

その3・時間の制約が大きい

各新聞社により異なりますが、基本的には朝刊と夕刊の配達・集金業務がメインになります。決められた時間・決められた期間に行わなくてはいけない業務のため、1日の制約時間が大きくなる可能性があります。

まとめ

貸与型の奨学金は、子供が借りて子供が返すもの・・・いってみれば借金です。卒業してから15年近くかけて返していくわけですが、非正規雇用などの問題により安定した収入がなく、返済ができずに自己破産などを行うケースも増えてきています。

学校生活と仕事を両立することで、経済的な負担が少なく抑えることができる新聞奨学生。アルバイトの掛け持ちをする学生も多いので“働きながら学校へ行く”という選択肢は奇異なことではありません。

大学や専門学校へ進学する子供には、目標があります。その目標を叶えるための手段の1つとして、新聞奨学生は非常に有効なものであるといえます。ただし、安易な気持ちで続けられるほど甘いものではないのも事実。事前にしっかりと制度の理解を行いましょう。その上で不安や疑問があれば必ず解決し、納得した上で制度の利用をするようにしてください。

加藤 理恵