実は、このような局面は、株式相場では決して珍しくありません。日常茶飯事は言い過ぎかもしれませんが、年に2~3回は起きています。特に、昨年(2018年)は“暴落”に近いような急落調整が2度も起きたのは記憶に新しいところです。

日経平均株価の過去2年間の推移

そうは言っても、株式投資を始めてまだ間もない方、投資経験がまだ浅い方は、どうしたらいいのか困っているかもしれません。また、前述したように、連休前に(結果的に高値近辺時に)投資した人もそうでしょう。

今の相場は買い場なのか、それとも売り時なのか、なかなか判断が難しいところです。実際、テレビやネットで今後の株式見通しを述べている市場関係者も、楽観的な見解、悲観的な見解などバラバラです。そこで、今回は、こういう方向感が定まらない時に役に立つかもしれない投資格言をご紹介しましょう。

「休むも相場」

これは、今一番噛みしめたい相場格言です。先行きが見え難くなって判断が難しい時は、むやみに売り買いをせず、一度立ち止まって冷静に考えることが重要という意味です。焦るばかりに、下落した分を取り戻そうと他の銘柄に投資する、他の金融商品に資金をつぎ込む等は厳に慎むべきでしょう。

とりあえずトレード(売り買い)をしていないと気が済まないという人は、そのうち大きな落とし穴にはまるかもしれません。同じような意味の格言に「売るべし 買うべし 休むべし」というのもあります。

「しまったら仕舞え」

ダジャレのような格言ですが、これは、損切りの重要さを言っています。どんなに投資経験が豊富な人でも、全てが上手くいくことはあり得ません。むしろ、失敗する方が多いとも言われています。

大切なことは、自分の行った投資が間違って「しまった!」と思ったら、早めに手仕舞いをすることです。損切りする勇気、これが後の利益につながるということです。よく言う「見切り千両」です。似たような格言に「押し目に押し目なし」「戻り待ちに戻りなし」があります。傷口をさらに大きくしてはいけません。

「最良の預言者は過去なり」

困った時に、誰かにアドバイスを求めたいのは古今東西同じです。しかし、そのアドバイスは様々なので「一体、どれを信じたらいいんだ」と不安になってしまいます。そういう時は、過去のデータや過去に起きたことを、もう一度振り返ることが重要です。

確かに、株式投資は未来を予測するものですが、その未来予測は、現在をしっかり把握することが大前提になります。そして、現在の状況を把握するためには、過去の状況を振り返るということです。迷ったら、過去を振り返りましょう。

まとめ

いかがでしょうか。投資格言を見るたびに、私たちの先人たちは、本当に有益な言葉を残してくれたなと感動します。もとろん、こうした格言が全てにおいて機能するわけではありませんが、先行きが見え難い今だからこそ、改めて味わってみたいものです。

葛西 裕一