株式投資は「大きく儲けることができる」と思われている一方で、「こんなに損をしてしまった」「ああ、こんなはずではなかった」というようなこともあります。株価は毎日動きがあるのが普通で、リーマンショックのようなことが起きると数日間で何十パーセントも株価が下落し、損失を抱えてしまったというようなことも起きます。株で損しないためにはどうしたらよいのでしょうか。シーンごとにどのように損をしてしまったかを見ていきましょう。

株主優待を期待して投資をしたが、株価が大きく下がって損した

株主優待は株主優待制度を準備している企業であれば、株主になることで株主優待サービスを受けることができます。企業の提供するサービスや商品の割引券であったり、お米や水といった生活するうえで欠かせない物品が優待としてもらえることがあります。

株主になることでワクワクする株主優待サービスですが、当然ですが、株式投資があって初めて成立するものです。その前提を忘れてしまうことで思わぬ失敗となっているケースもあります。

株主優待好きの間では、「優待利回り」という言葉まで生まれています。優待の内容が単元株を購入した時の投資資金に対してどれくらいの金銭的価値があるかを利回りで表した言葉です。まさに「配当利回り」のような感覚です。

「優待利回りでXX%あるからお得だ」ということで投資を始めた方もいるのではないでしょうか。それ自体は必ずしも悪い話ではありませんが、投資先の株価が大きく値を下げてしまうと含み損を抱えてしまうことになります。これでは、何のための投資かわかりません。株主優待が魅力的でも、投資であることを意識したいものです。

目論見が外れ信用取引で大きく損をした

株式投資を始めた方で、信用取引という言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。信用取引とは、委託保証金を証券会社に担保として預け、買付資金や売付株式を借り入れて投資をするというものです。

これは、「レバレッジ」とも呼ばれるもので、自分が使える資金を原資により多くの資金を活用して投資をするものです。簡単に言うと、借金をして株を買ったり、売ったりすることです。

レバレッジを活用することでのメリットは、株価が上昇すれば、そもそも投資している金額が委託保証金などの自己資金よりも多いことにより、より多くの利益を得ることができます

ただし、株価が下落した時には、借入をして投資をしているわけですから、その損失額も膨らむことになります。場合によっては「追証(おいしょう)」とよばれる追加保証金を納めなければならないような状況に追い込まれることもあります。

信用取引を活用して投資をすることは投資の一つのアプローチとしては認められるものの、先に触れたように、自分が思ったのとは逆の株価の動きをした際には損失が膨らむということを事前にリスクとして認識しておく必要があります。

「株式投資に失敗をして借金が膨らんだ」なんていう話を聞いたことがあるかもしれませんが、株式投資は自分の資金で投資をしている場合には、信用取引等を使っていなければ、投資した価値がゼロになることはあっても借金が膨らむというものではありません。リスク管理に自信がない方は手元の資金の範囲内で投資をするというのがよさそうです。

値動きの大きい株に投資をして、損した

株式投資で値動きの大きい株はついつい投資してみたくなるという経験が多いという方もいるのではないでしょうか。

自分がその銘柄についてよく知っているというのであればよいですが、値動きが大きいということはリターンを短期間に手にできる機会もある一方で、値下がりによる損失を被る機会も多いともいえます。

投資の世界では、株価の変動の幅の大きさを価格変動リスクと言い、そのリスクを許容することでリターンを手にすることができるという考え方があります。ですので、値動きの大きい株に投資すること自体は必ずしも悪い話ではありません。

ただ、その株がなぜ値動きが大きいのかについての背景を知ることが重要です。業績が良く、より多くの投資家に注目が集まっている銘柄であればよいのですが、必ずしもそういうことばかりではありません。

その企業を取り上げるニュースが頻繁に取り上げられてはいるものの、一時的に株式の売買の需給がひっ迫して株価が大きく上昇しているということがよくあります。そうした場合には、ニュースが減ってくると、今度は需給が緩くなり、毎日大きく値を下げるという場面にも出くわします。

そうなると、ニュースがにぎわっている株価を高いところで買い、ほとぼりが冷めた株価が下がった状況で売却したというような投資家も出てきます。こうならないためにも、銘柄の値動きだけを見るのではなく、その銘柄の株価が過去どのような動きをしてきたのかなどの癖も見ていく必要があります。

投資で損したくないという方には

投資を始めるからには誰しも損はしたくないものです。一方で、今回で見てきたように失敗するパターンもある程度整理することができます。その失敗も、自分でコントロールできる失敗なのか、またそうではない失敗なのかも整理することができます。失敗を完全になくすことはできませんが、自分の選択による失敗であれば、そうした失敗を繰り返さなくて済むように経験を積んでいきたいものです。

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三菱UFJ国際投信株式会社
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mattoco Life編集部