社会人なら一度はマーケティングの4Pという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。マーケティング手法も変化してきていますが、4Pは普遍的なものと捉えられています。

また、経営者やマーケティング担当だけでなく、誰でも活用できる考え方です。今回は、このマーケティングの4Pについてみていきましょう。

1. そもそも「4P」ってなに？

マーケティングの4PとはProduct、Price、Place、Promotionという単語の頭文字をとったものです。マーケティング戦略を考えるときには、ターゲットとなる顧客に対し、この4つのPを漏れなく考え、整合性をとっていくと戦略を立て易くなります。

1.1 Product

Productは製品やサービスです。対象となる顧客にどのような製品やサービスを提供するのかを、以下の3つのポイントから考えます。

  1. ターゲット顧客のどのようなニーズを解決するものなのか（中核部分）
  2. ニーズを解決する具体的な製品・サービスはなにか（実態部分）
  3. 実態部分を補完する製品・サービスはなにか（付随部分）

1.2 Price

Priceは価格です。製品やサービスをいくらに設定するのかを考えます。価格の決め方はさまざまな考え方がありますが、顧客が買いやすいと思える値ごろ感が重要です。

いくら良い製品でも、高すぎて顧客が敬遠する価格設定では売れないので意味がありません。競合の価格も参考にしながら値ごろ感のある価格を決めましょう。

1.3 Place

Placeは流通経路です。製品やサービスをどの経路で販売・提供していくのかを考えます。顧客に直接販売するのか、卸や代理店を経由して販売するのか、店舗で販売するのか、ネットで販売するのかなどを考えます。

サービスの場合なら店舗で提供するのか、訪問して提供するのか、どこで提供するのかを考えます。

1.4 Promotion

Promotionはプロモーション（宣伝・販売促進）です。プロモーションは広告やコミュニケーションなどを行い、製品・サービスのことを世に広めることです。どのような方法で顧客に自社の製品・サービスを知ってもらうかを考えます。

2. 4Pの整合性を意識する

たとえば、富裕層向け製品を販売していくとします。富裕層向けなので製品は高級感のあるものです。価格は高めの価格設定にします。販売経路は高級感のある店舗で、優秀な営業マンが接客販売をします。プロモーションは既存顧客からのクチコミです。

ではこの富裕層向け製品を、大衆的な低めの価格設定にし、スーパーマーケットで陳列販売したらどうでしょうか。一気に高級感がなくなりますよね。4Pはどれかひとつでも合わないものがあるとマーケティング戦略として成り立たなくなります。対象となる顧客を見据えて、整合性のある4Pを考えましょう。

マーケティング戦略は製品・サービスを販売していくのに特に重要です。戦略を考える際は、マーケティングの専門家や中小企業診断士などに相談してみてはいかがでしょうか。

中野 裕哲