株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸、売買代金は一気に3兆円手前まで急増

2019年5月28日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,260円(+77円、+0.4%) 続伸
  • TOPIX 1,550.9(+3.9、+0.3%) 3日続伸
  • 東証マザーズ株価指数 921.4(+25.8、+2.9%) 大幅続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,012、値下がり銘柄数:1,040、変わらず:89
  • 値上がり業種数:16、値下がり業種数:17
  • 年初来高値更新銘柄数:73、年初来安値更新銘柄数:53

東証1部の出来高は17億1,962万株、売買代金は2兆9,130億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。前日の米株式市場が休場だったため目立った材料もなく、基本的には様子見スタンスが続きました。ただ、大引け直前にMSCI入れ替えに伴う大量の売買注文が発生し(売買代金で約1兆3,000億円)、結果的には前日を大きく上回る商いとなっています。

売買代金は3兆円まであと一歩という高水準でしたが、一過性の嵩上げと見ていいでしょう。

そのような中、日経平均株価は概ねプラス圏で推移しましたが、比較的狭いレンジ内での値動きとなりました。日中取引での高値は+115円高、安値は▲5円安でいずれも前場に付けています。

なお、TOPIXも同じような値動きとなり、こちらは3日続伸となりました。

東証マザーズ株価指数は大幅続伸、売買代金は3日ぶりに1,000億円を上回る

東証マザーズの出来高は7,563万株、売買代金1,500億円となり、いずれも前日より大幅増加となりました。個人投資家の物色意欲が回復し、売買代金は3日ぶりに1,000億円を大きく上回っています。

また、一部主力銘柄が買い戻されたこと等から、株価指数も+3%高に迫る大幅上昇となりました。3日ぶりの反発であり、終値では5月10日以来となる900ポイント台回復で引けています。今後も個人投資家による物色意欲回復の継続が大きな焦点になると思われます。

ファーストリテイリングが再び上場来高値更新、三菱地所など不動産株は冴えない値動き

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が取引時間中に再び上場来高値を更新し(注:終値は下落)、KDDI(9433)、リクルートホールディングス(8028)、オリンパス(7733)、花王(4452)などが年初来高値をしました(注:花王の終値は下落)。

また、自動車株が総じて買い戻され、三菱自動車(7211)が+6%高の急騰となり、スズキ(7269)やSUBARU(7270)も大幅高となっています。ただ、前日に年初来安値を付けたホンダ(7267)は小幅高に止まりました。

その他では、シャープ(6753)、日立製作所(6501)、パナソニック(6752)など主力ハイテク株の一角が大きく値を上げ、NEC(6701)もザラバで年初来高値更新となったのが目を引きました。

一方、アステラス製薬(4507)や第一三共(4568)など医薬品株の一角が売られ、ハイテク株ではルネサスエレクトロニクス(6723)が取引時間中に年初来安値を更新しました(注:終値は上昇)。また、三菱地所(8802)など不動産株が安く推移し、中部電力(9502)など電力株も総じて冴えない値動きとなっています。

その他では、一連の施工不良に絡む不祥事で揺れるレオパレス21(8848)が▲20%弱安の暴落となってストップ安で引けたことが注目を集めたようです。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が+14%弱高へ爆騰し年初来高値更新となりました。また、メルカリ(4385)も急騰し、終値では久々に公開価格(3,000円)を回復しています。一方、シェアリングテクノロジー(3989)が連日の安値更新となり、ビープラッツ(4381)は急反落となりました。

葛西 裕一