先日、男性から「育休を半年取得しましたが、それでも以前と同じように仕事ができないのではないかと不安になりました」という話を聞きました。

女性が働くのも当たり前となった現代、彼が育休中に感じた不安は男性だけのものではありません。育児による「仕事のブランク」に自信をなくす方は少なくないですが、一方で想像したほどではなかったという声もあります。

育児中の仕事のブランクについて、また、今できることについても考えてみましょう。

会社員時代とのギャップによる不安感

冒頭の育休中の不安の話を聞きながら、筆者も1人目の産後に感じた不安を思い出しました。

幼稚園~就職まで、平日の昼間、家にいることのなかった筆者。1人目の産後、まず平日の昼間家にいることに不安を覚えました。「平日の昼間に行くところがない」「自分はどこにも属していない」ことに、何とも言えない不安を感じたのです。

特に乳児期は気軽に外出できないため、家にこもる日々。1か月間、大人と話したのはスーパーとコンビニの店員さんか宅急便の人のみということもザラでした。夫の帰りも遅く、夜間授乳続きで寝不足の体では、夜中に満足に会話する余裕もありません。

今思えば、特に1人目の産後は「初めての育児を経験すること」だけでなく、「会社員時代と育児中の生活のギャップに慣れること」も大変でした。育児と家事に忙殺される中で、社会からの孤立感を感じながら、仕事への不安を感じたものです。

「仕事モード」は体が覚えている

前出の男性は、「育休から復帰してみて、心配するほどではないと分かりました」とのこと。久しぶりの仕事に最初は戸惑ったものの、すぐに元通りに働いているようです。

「自分が経験してみて、ブランクはそこまで気にするものでないと分かりました。経験しなければ分からなかったですね。育休から復帰後は、子どもを持つ社員の方ともよく話をします。フルで働く方も、時短で働かれる方もいますが、皆さん子どもがいるせいか腹が決まっている。時間が限られている分、仕事に精を出す人は多いです」と言います。

また、6年ぶりに仕事に復帰したという女性も、「最初は仕事に慣れることも、覚えることも多くて大変だけど、1カ月もすると慣れてきます。仕事モードっていうんでしょうか、仕事の感覚って、意外と体が覚えているものです」とのこと。

自分が不安に思うより、ブランクは大きな壁ではないのかもしれません。

育児中のブランクで自信喪失の女性も