株式市場の振り返り-日経平均株価は小幅続落、最後は高値引けもプラス圏浮上は成らず

2019年5月24日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,117円(▲33円、▲0.2%) 小幅続落
  • TOPIX 1,541.2(+0.6、+0.04%) わずかに4日ぶり反発
  • 東証マザーズ株価指数 883.1(▲0.7、▲0.1%) わずかに続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,180、値下がり銘柄数:867、変わらず:94
  • 値上がり業種数:22、値下がり業種数:11
  • 年初来高値更新銘柄数:45、年初来安値更新銘柄数:252

東証1部の出来高は12億4,671万株、売買代金は2兆1,284億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。前日よりは増えたものの、依然として米中貿易交渉の先行きが不透明な中、様子見スタンスが継続されました。売買代金も2兆円を維持しましたが低水準で終わっています。

そのような中、米国株安などを受け、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。ただ、寄り付き直後に一時▲229円安まで下落した後は徐々に下げ幅を縮小し、終わってみれば高値引けでした。続落とはなったものの、底堅さの方が目立った値動きと言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きとなりましたが最後はわずかにプラス圏をキープし、一応は4日ぶりの反発となりました。

東証マザーズ株価指数はわずかに続落、売買代金は再び1,000億円を下回る

東証マザーズの出来高は5,604万株、売買代金987億円となり、いずれも前日より減少しました。個人投資家の物色意欲がやや後退した結果、売買代金は再び1,000億円を下回りましたが、薄商いという状況ではなかったようです。

株価指数もわずかに下落しましたが、概ね横ばいでした。今後は個人投資家による物色意欲回復の継続が大きな焦点になると思われます。

村田製作所が安値更新後に買い戻され、日産自動車は5日連続の安値更新

個別銘柄では、“ファーウェイショック”の余波が続き、村田製作所(6981)とアルプスアルパイン(6770)が取引時間中に年初来安値を更新しましたが、その後は買い戻され終値は上昇に転じました。ただ、日本電産(6594)が大幅安となり、パナソニック(6752)や東京エレクトロン(8035)も大きく値を下げるなど、ハイテク株には冴えない値動きの銘柄が多かったようです。

また、自動車株も総じて売られ、日産自動車(7201)が5日連続で年初来安値を更新し、ホンダ(7267)、三菱自動車(7211)、日野自動車(7205)、ヤマハ発動機(7272)、デンソー(6902)なども年初来安値更新となっています(三菱自動車とヤマハ発動機の終値は小幅上昇)。

その他では、みずほフィナンシャルグループ(8411)や野村ホールディングス(8604)が取引時間中に連日で年初来安値を付けるなど、金融株の下げが厳しかったようですが、その後は買い戻されて引けています。

一方、通信株の一角が値を上げ、KDDI(9433)が年初来高値を更新し、ソフトバンクグループ(9984)や楽天(4755)も大幅高となりました。

また、前日急落したスズキ(7269)が急反発し、しまむら(8227)や三越伊勢丹ホールディングス(3099)など小売株の一角も買い戻されています。

なお、オリエンタルランド(4661)は再び上場来高値を付けて引けました。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が小幅続伸となり、サンバイオ(4592)も小幅高となりました。一方、シェアリングテクノロジー(3989)が暴落し、メルカリ(4385)も続落となって公開価格(3,000円)回復が少し遠のいています。

葛西 裕一